読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

小椋佳 歌談の会 2011.9.24

2011-09-25 17:27:43 | 観た、聴いた
昨日(9月24日)、小椋佳の「歌談の会」に行ってきた、というか、聴いてきた。

小椋佳は久しぶりである。

今回、驚いたのは「饒舌」であったことだ。
まあ「歌談の会」というくらいであるから、話もあるんだろうと思ったら、話している時間も多かった。

出だしに
「会場から注意があったが、飲食しても構わないとか携帯電話の電源も切らないでもし電話がかかってきたらその場で話しても構わない」
などと笑わせてくれた。

その出だしであるが、まあ「我々」というか観客の年代を意識したんだろうと思うが、
『しおさいの詩』
『さらば青春』

と、懐かしいそして小椋佳にとってのファーストアルバムから続けて、一気に小椋佳の世界へ持って行ってくれた。

まあ、何度も何度も言っているのだけれども、小椋佳との本格的な出会いは1971年高校1年の倫理社会の授業であった。

その前年にファーストアルバムの「青春」が発表されているので、小椋佳は知っていたし何曲か歌も知っていた。
しかしですねえ、高校受験を終えて1年生、気分的にはこれから「青春」というところに『さらば青春』といわれても、いわゆるひとつの「なんだかなあ」という気分ではあったわけで、熱心にというか気持ちをこめて聞いていたわけではなかった。
「まあ知っている」という感じですかね。

それが、高校に入ってはじめて習う「倫理社会」という科目。一体何を習うんだろう?という時期に、視聴覚室へ移動させられて
「この音楽を聴け」
というわけですよ。

で、小椋佳とはどういう人物か、という解説の後、アルバム「青春」を聴かされた。
その後、感想文かなんか書かされたのかとも思うが、兎も角、倫理社会の授業でOを聴いた、という想い出が強烈に残っているのですねえ。

その後、当時のフォークブームとも相俟って、小椋佳は世間的認知度も上がってきた。
なんといっても「現職銀行員」「東大卒」「顔を出さない」というのがすごかった。

というわけで、その頃からのまあ「おつきあい」になるわけです。

今回は「歌談の会」というようなことから、会のメインは、物語をバックのメンバーとともに語り歌うところである。

いろいろなものに話しかける「変なママ」をもつ子供の物語である。

というわけで、アンコールまで含めて2時間弱、小椋節を堪能させていただきました。

「現職銀行員」で「東大卒」で「顔を出さない」で、いい歌を作り歌う、『すごさ』というのが薄れて、非常にまったりとした心落ち着くそして饒舌な小椋佳の別な『すごさ』を感じたのであった。

ちなみに小椋佳は67歳だという。
こちらも、まだまだ負けられない!
なんて、なぜか思ってしまった。

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香菜里屋を知っていますか 北森鴻 講談社文庫

2011-09-24 10:42:54 | 読んだ
北森鴻の新しい小説ももう読めないのかと思うと、非常に残念である。

というわけで、香菜里屋シリーズの最終版である。
本文庫には、五つの短篇が収められている。

ラストマティーニ
ブレジール
背表紙の友
終幕の風景

そして 香菜里屋を知っていますか

香菜里屋は
「東急東横線の三軒茶屋駅。駅から地上に上がり、世田谷通りを環状7号線に向かって歩くこと200メートルほどのところを左折して、あとはいくつかの路地を右へ左へと進むと、やがて小さな路地裏に、ぽってりと淡い光をたたえた等身大の提灯が見えてきます。それが目印なんです。アルコール度数の違う4種類のビールを常備していて、最も高い度の高いものはロックスタイルで供されると聴きました。」

これだけでも行きたくなるではないか。

更に
「カウンターにはヨークシャーテリアの精緻な刺繍を施したワインレッドのエプロンを身につけたマスターが、いつも人懐こい笑顔を浮かべているそうで。『今日は**の良いものが手に入りましたが』と彼が語りかけると、ほとんどの客がそれを注文し、幸福なひと時に酔いしれるのです。」
なのである。

飲んでみたい、食べてみたい、そして「幸福なひと時」に酔いしれてみたいではないか。

で、これだけではなく、この店には「謎」が持ち込まれ、それをマスターが解き明かすのである。

小説としてはこちらが主になるわけであるが、なんと言っても香菜里屋が魅力的な店であること、そしてマスターの工藤哲也がいいのである。

いいのであるが、このマスターの工藤がなぞめいた人物なのである。

その工藤の謎が、この文庫に納められている一話一話でしだいに解き明かされていく。
しかもその謎解きをしていくのが、これまでこの物語に登場してきたいわゆる『常連客』である。

言い忘れていたが、この香菜里屋シリーズはこれまで講談社文庫で

花の下にて春死なむ
桜宵
蛍坂


とある。

是非、これらを読んでから「香菜里屋を知っていますか」を読んでいただきたい。

というわけで、この香菜里屋には、北森鴻の他の小説に出てくる主人公たちがやってくるのである。

蓮杖那智:「蓮杖那智フィールドファイル」
宇佐見陶子:「旗師 冬狐堂」
越名集治:「孔雀狂想曲」雅蘭堂の主人、上記の2作品にも登場する。


この人たちが、最後の最後で工藤の謎を探る。
北森鴻ファンには「たまらない」ところであり、マスターの工藤と作者の北森鴻を思って涙ぐんでしまうのである。

この本を読んでの最大の感想は、かえすがえすも北森鴻を失って残念である、ということである。

東京に行ったら、三軒茶屋をぶらついてみようかと思っていたのに・・・


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2011年9月

2011-09-19 23:12:26 | 日々雑感
9月に入ってから、2回しかブログの更新をしていない。
2回といっても、1回は「近況報告」という『言い訳』であるから、実質1回である。しかも、その1回は漫画であった。

何が「読書日記」なのか!
と自分でもそう思う。

それでは一体9月は何をしていたのか?
と自分で振り返ってみた。

そうしたら、第2回目の『言い訳』ということになる。
で、実はこの『言い訳』というのも面白いのではないか、と思うのである。

特に今年は民主党のゴタゴタで多くの『言い訳』があったではないか。
では、市井の本を読むことしか頭にない男の言い訳も面白いのではないか?


で、ブログ更新を怠っている原因は、暑さと酒と厄介な仕事であった。
厄介な仕事をして、帰ってきてみれば暑い、で、ビールを飲む、そして早々に寝てしまう。しかし、暑くて汗だらけで、朝起きれば不快感。プラスして花粉症で鼻水がながれ目がかゆい。
ということの繰り返しであった、ように思う。

そういう中にあっても、毅然として仕事をこなし、悠然として暑さを乗り切り、泰然として本を読む。

というようなことが、私に出来るのであれば、今こうしていないだろう。

嫌な仕事があれば逃げまくり、逃げられないとなれば不承不承にやってみて、そういう態度であるから失敗の繰り返し、それでもって暑いとなれば、ビールを飲むしかないだろうが!!

と逆ギレするわけだ。

ところが、実はそういうことにしておいて、先週は土・日と仙台に行き、同窓会と定禅寺ストリートジャズフェスティバルを見ていたりしたわけで・・・

更にこの3連休では、昨日は野球をしてきた。10対3で勝ったのだが、昨日の暑さは異常である。そして本日は、地域の敬老会である。

だからって本を読めないこともないだろう!

と、自分でも突っ込みを入れてみる。

兎も角、厄介なことは今月一杯続いて、それが9月で完結するわけでもない。
つまりは「心の問題」なのである。

言い訳の言い訳をすると、一応本は読んでいる。
読んではいるのだが、それを紹介しようという気持ちにならない、のである。

という訳である。

まあ、もしかしたら明日突然復活するかもしれないのだが・・・

なお、22日には宴会があり、23日には野球の試合があり、24日には小椋佳のコンサートがあり、29日にはナイターソフトがあり、30日は再び宴会。

ウーン、まあ頑張って本を読みブログに記録しましょう。
って、誰に頼まれてやっているわけでもないのにねえ。

ちなみに、今読んでいるのは
「泣き虫弱虫諸葛孔明(第弐部)」酒見賢一
「香菜里屋を知っていますか」北森鴻
「やってみたらこうだった」本橋信宏
であります。

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美味しんぼ 106・107巻 作:雁屋哲 画:花咲アキラ

2011-09-05 21:37:50 | 読んだ
美味しんぼもだんだん面白くなくなってきたなあ、と思いつつ、1巻から読んでいる惰性で105巻まで来た。

今回は、106・107巻が一緒に発行という珍しい形。
帯には

これが「美味しんぼ」の選んだ、和食の名人・名店!!

と出ている。

これまでとはチョイト違うのかなあと思い読み始める。

目次を見ると、106巻には4話、107巻には5話収まっている。
ということは、名人・名店が9つあるということだ。

読んでみると、これまでと違って非常に面白い。
美味んぼは最初の頃は非常に面白かったが、徐々にこの漫画が「権威」になってきて徐々に面白くなくなってきた。

で、とうとう「究極」対「至高」の対決という、庶民の域を大きく超えてしまい「食は金にあかせ」というような、悪趣味の極みのような物語になってしまった。

また「日本全県味巡り」も、なんだかなあ?臭がすごく、地元民も知らないような食べ物がでてきたりする。

というわけで、近頃は「いやらしさ」を感じながら読んでいたのである。

しかし、今回は違った。
面白かった。

それは、食材とか調理とかで「どうだこの野郎!!」というものがなかったから、というか、「人」が中心だったからではないかと思う。

高級食材を惜しみなく使い、高級なというか芸術の極みの器を使うことだけが強調されてているのではなく、人が描かれているから、面白いのである。

実在の名人・名店が描かれているだけに、それぞれの物語の奥が深い。
そして、そこに関わってくる脇役たちも、まあ、わざとらしさはあるものの、それなりに存在感がある。

久々に「美味んぼ」面白かった。
とはいうものの、ここに登場した食べ物は一生食べられないだろうなあ。

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近況報告

2011-09-04 22:34:42 | 日々雑感
8月23日以来、ずっと更新をしてこなかった。

これは、民主党の党首選挙にかかわりその後の組閣に意見を述べていたわけではなく、

8月20日以降本日までの楽天の快進撃(7連勝し14勝3敗)に酔いしれていたわけでもなく、

放射能の測定に一喜一憂していたわけでもなく、

ましてや、毎晩、酒に溺れていたわけでもない。

ただただ、仕事の関係で疲労困憊の状態にあったのだ。

というわけで、この間に読んでいたのは、週刊朝日、週間モーニング、そしてビックコミックであり、オール読物や小説新潮、文藝春秋などは購入したもののそのままの状態である。

まっ、なんとか落ち着いてきた様子でもあるので、これからは本を読みブログの更新をしていきたいと思っている。

乞うご期待!
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