読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

小説新潮12月号 特集-遠藤周作没後10年

2006-11-30 22:35:08 | 読んだ
今月の小説新潮は、遠藤周作の特集である。
といっても、遠藤周作の小説が発表されているわけではなく、未発表の書簡やエッセイと対談や関係者のお話などである。

遠藤周作の「狐狸庵閑話」が遠藤周作作品との付き合いのはじめだった。
高校1年生だった。

そして遠藤周作の狐狸庵シリーズによって私の文庫本人生が始まったといえる。
面白いなあ、すごいなあ、と感心して読んでいた。
一度などは隣町から読みながら歩いて帰ってきたことがあった。

狐狸庵先生のようになりたい!
と心のそこから願ったのであった。

人生や人をまじめに見る、からこそ、そこにおかしさを発見したり、あまりにもカッコつけている人を見ると茶化したくなる、或いはそういう人を見るとこちらが恥ずかしくなる。

そんな狐狸庵先生がすきだったし憧れだった。

狐狸庵シリーズを読んで、遠藤周作の本来の「文学」を読んだ。
こちらは狐狸庵シリーズほど面白いわけではないが、人の悲しさ・哀しさが高いところからの目線ではなく描かれていて感動をした。

遠藤周作とお付き合いのあった人はこのギャップが面白く楽しく不思議だったんだろうと思う。
一度お会いしたかった人、である。
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冬用タイヤ-スタッドレス・タイヤ-

2006-11-29 23:14:07 | 日々雑感
いよいよ12月である。
そろそろタイヤ交換の時期である。

私の冬用タイヤ、いわゆるスタッドレス・タイヤはすでに3シーズン履いたため、今年は新しいのにしなければならない。
というのは以前かまわずに履いていたらゼンゼン役に立たなかったのである。
で、それ以降きっちりと3シーズン以上は履かないことにしている。

これは「取り替えなくても大丈夫だ」という人と「やっぱり取り替えるべき」という人がいて、いわゆる「賛否両論」なのだが、なにしろ、ゼンゼン役に立たずあまつさえ事故った経験を持つ私は、誰がなんと言おうと「取り替える」のである。

と、ここまではいいのだが、問題は金額である。
タイヤはピンからキリまである。今年のタイプはやっぱり高いわけで、4本でホイールなし6万7千円。それでも安くしたというのだが・・・

私はなにも新しいモデルでなくて、昨年でも一昨年のモデルでもいいのです。
新しいタイプの雪が降り、今までと違う氷が張るわけでもあるまいし・・・

しかし、売るほうは違うわけで・・・新品とはいえ昨年以前のものはやはり・・・と言う。

まあそんな駆け引きがあって、新しいスタッドレス・タイヤを注文したのだが、雪が降る前に取り替えたいと思うのである。

そしてこれまでの経験から言えば、新しいタイヤにしたシーズンはあまり雪が降らなかったりするのである。
降ってほしいとは思いませんが、なんだか複雑な気持ちにはなるのであります。
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望郷の知床 西村京太郎 小説新潮12月号(連載終了)

2006-11-28 22:55:21 | 読んだ
西村京太郎の「十津川警部シリーズ」である。
トラベルミステリーとあるが、今回の物語は十津川警部が何かの事件を推理し解決するというパターンではないような気がする。

元警部の水木、というのが今回の物語の主人公のようであり、彼が巻き込まれる事件の「ウラ」というものが真の事件であったりする。

水木が推理し水木が解決に向かう、それに十津川警部がからむ、といったほうがよい。
そして、この物語が近頃の十津川警部シリーズのなかでは一番面白いのである。

水木を主人公としたハードボイルド小説といった趣が強いため面白いと感じているのかもしれない。

近頃の十津川警部シリーズは、盛り上げるだけ盛り上げておいて「なんだよー」という唐突なそして安易ともいえる解決方法で読後感は「また裏切られた」というものが多い。
それは、殺人事件の根源にある「動機」が、なんだか浮世離れしているようなかんじだからだ。
その浮世離れした動機と、いかにも真面目で正義感の強い十津川警部の性格がマッチしていないのかもしれない。

今回は水木という元警部が、世に拗ねている、のに正義感が強く、無茶をする、ので荒唐無稽的な話の流れに、すんなり乗れているのである。

というわけで、近頃の、という注釈付ではあるが、十津川警部シリーズひさびさに面白いままに完結した。
ただ、わりと簡単に殺人が起きてしまうのは、小説だからなのかそれとも社会的風潮なのか、そのあたりが「・・・」と思うのである。


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ゴルゴ13 さいとうたかお

2006-11-27 22:56:57 | 読んだ
ここ数ヶ月「ビックコミック」(小学館)を購入しているが、いろいろと面白いものがあるが「ゴルゴ13」は裏切らない面白さである。
クオリティーを保ち続けている。

いまさら単行本をそろえる気持ちはないが、たとえば食堂、そばや、あるいはガソリンスタンドなどで「待つ」時間があったとして、そこに「ゴルゴ13」があれば必ず読んでいる。

で、一度読んだかなあ、と思っても、読み始めれば夢中になってしまう、そういう魅力がある。

この物語は、ゴルゴ13がどのようにして狙撃をするのか?ということと、なぜ狙撃されるのか?ということと、なぜそいつを狙撃させるのか?という3つのことが重なっているから、面白い、のである。

時間とお金があれば、全巻を一気に読んでみたい、と思っている「本」のひとつである。

それにしてもよく物語を作り出せるなあ、と感心している。
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徹夜

2006-11-26 20:29:58 | 日々雑感
昨日、某会の会合が宮城県丸森町で行われ、出席しました。
丸森町は、宮城県の南端、福島県と境を接する町であります。
その町にある、コテージ、でもって某会の会合を行ったのです。

コテージ4棟を借り、宿泊棟が3、ひとつは会合用(宴会用?)ということで、会員がそれぞれ食材を持参するという形で始まりました。

コテージという独立した形であることを考え、ギターを持っていきました。
吉田拓郎ファンの会員が来るということを考え<つま恋>の話でもしながら二人で拓郎を歌おう!というのがその目的でありました。

しかし、彼は欠席。残念ながら拓郎はこの次か・・・・
と考えていると、せっかくギターを持ってきたのだから数曲くらい、という暖かい声があり、持ち出すと、もうとまりません。

会員が入れ替わり立ち代り、そして何より私がのってしまい、結局今朝5時まで歌い続けてしまいました。
その後「眠るのもなんだから・・・」という理由により語り合い、結局「徹夜」をしてしまいました。

拓郎は
「朝までやらなきゃ男じゃない、という時代は終わった」
といいましたが、もしかしたらマダマダやれるのかもしれません。

という変な自信を持ったのですが、お風呂に入りご飯を食べコテージの片づけをしましたら、眠気というか疲れがやってきて、出発前に1時間眠って、それから2時間のドライブで自宅に、そして4時間程度ねむってしまいました。
ということは「徹夜」ではなくて「眠る時間を先延ばしをした」ということなんでしょうか
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青春のうた 第22巻 1970年代中期⑦

2006-11-25 11:56:03 | 読んだ
1.雨だれ/太田裕美 1974年11月発表

太田裕美はNHKの「ステージ101」の後半期のヤング101のメンバーで、このデビュー曲が出る前から知っていた。
そのため、この曲が出て、あまり売れなかったので心配をしていた。
なんだか「仲間」のような「代表」のような気持ちで応援をしていたのである。

とはいうものの、どちらかといえば太田裕美よりも西玲子のほうが気になっていて、まあ頑張ってほしいなあ、というそれほど熱の入った応援ではなかったのだけれど・・・

この曲は「いい歌」であると思うが「売れない」と思っていた。
「あーヤング101から出てくると売れないのかなあ」
とも思っていたのである。

今聞いてみると、やっぱり「いい歌」である。
太田裕美の声と舌足らずな歌い方にマイナーな曲がなんとなくいいかんじであっているのである。

2.ビートルズはもう聞かない/Garo 1974年12月発表

ガロは「学生街の喫茶店」につきる。
その後の曲は「凝りすぎ」だと思っている。

「凝りすぎる」原因は、学生街の喫茶店が自分たちの目指す音楽と乖離していること、のようだということをその後何かで読んだような気がするのだが・・・

ちょいと時代を先取りしてしまった人の不運、みたいなものを感じるときがあるが、ガロはその典型のような気がする。
一般に「流行」とか「はやり」というのは時代のちょっと先端くらいのものだと思うのだが、ガロはその先にいたような気がする。
だから、ちょっと足をとめて(仕方なく)歌ってみた学生街の喫茶店はよく売れたのではないかと・・・

ビートルズはもう聞かない、というフレーズももうちょっとあとのことで、このときにそういう人は、というか、そんなことを考える人は、コアなというか特殊な人だったような気がする。

3.思い出まくら/小坂恭子 1975年5月発表

この歌は「どうってことのない」それほどいい歌だとは思わなかったが「売れる」だろうとも思った。

詩も曲も特別どうってことのない感じなのだが、あわせると、どことなくそそられる、そういう歌である。

この曲が巷に流れていた頃、それほど気にも留めていなかったのだが、その後、カラオケが出始めた頃に、素人が歌った「思いでまくら」になんだか感激してしまった、という思い出がある。

4.紙風船/赤い鳥 1973年5月発表

紙風船は「紙ふうせん」の歌だと思っていたら、赤い鳥、の曲だったんだということを今回知りました。(というか、どこかで勘違いしていたんだろうとおもう)

赤い鳥はその後アコースティックな紙ふうせんとポップなハイ・ファイ・セットに分かれたが、この曲はその両方が織り交ざったもののように感じる。

「融合」といえば聞こえがいいが、実は「妥協」だったということがよくある。
今この曲を聴くとなんとなくそういうことを思ったりする。
どちらがいい、ということでもなく、どちらが正解、ということでもない。
そんなことを考えたりするのである。

紙風船が落ちてくるまで、いったい何を考えているのだろうか?
この歌は「高く 高く」といっているが・・・・

5.戻ってきた恋人/猫 1973年11月発表

吉田拓郎と安井かずみのコンビの作品は、チグハグしているところが好きだった。
今までにない拓郎が見える、というか、拓郎が戸惑っている気負っている苦悩している、そういうところが「よかった」りしていたのである。

そのチグハグさは「都会」とか「洗練された」みたいなところではないか、そういういところを「猫」が歌うと、なんとなくピッタシなのだ。

猫(田口さんがなくなってしまって非常に残念であるが)は野暮ったそうに見えて、核になる部分は都会風な洗練されたものではなかっただろうか。
がむしゃらいうよりはサラリというかんじで、好きだった。

この歌も、なんとなく野暮ったい編曲でもう少しあっさりしていてもいいのではないかとも思うのだが、それがわりと圧砕風にも聞こえるのはこのグループの特徴なのではないかと思うのである。

5.シンシア/よしだたくろう&かまやつひろし 1974年7月発表

シンシアとは南沙織のことである。
拓郎が南沙織のファンであることは知っていたが、それを曲にするというのはこういうことなのか、と高校生の私はすごく驚き感激したのである。

そういうことも歌にしていいいんだ。
というのが、率直な感想であった。

そして3拍子の歌というのもわりと珍しかった。

なぜ一人ではなく「かまやつひろし」と一緒に歌わなければならなかったのかそれは不思議であった。

この歌の一番好きなところは、いわゆる2番の

♪人ごみにかくれて 肩をすぼめて 自分を見つめた時
 過ぎ去った夢が くずれ落ちる♪


というところで、高校生の私は、そういう場所、姿、心境、にすごくあこがれたのである。
カッコイイ大人の世界、というものを感じたと思われる。

ギターを弾きハーモニカを吹いて、よく歌ったなつかしい歌である。
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そばを食べに行ってきました

2006-11-24 23:06:58 | 日々雑感
昨日は、ほんとうは、宮城県栗原市花山(旧花山村)にそば三昧に行こうと予定をしていたのですが、なんだか面倒くさくなり、遠くまで行かなくてもおいしいそばはあるさ、と、登米市東和町の「三たてそば すぎやま」に行ってきました。

このそば屋さんは「三滝堂」という地元ではしられている場所の近くにあります。
いわゆる「農家レストラン」という部類に入るのでしょうが、そば、おいしいです。

4人で行き「板そばおおもり」を2、ざるそばを2、てんぷら(地元産野菜使用)を2、そして、3種類(つぶあん、しょうゆ、きなこ)のそば団子を食べてまいりました。

そばを見た感じでは「少ない」と思うほどですが、なかなかどうして、いい量であります。
若干腰の強い、といいますか、歯ごたえのあるそばです。

このそばもおいしいのですが、どうしてもそば団子を食べたくなり頼んでしまいます。

また、てんぷらも揚げたてを抹茶塩、またはそばつゆでいただきますが、ゴロっとしたかんじがなんとも、ええ・・・(思い出すとつばがあふれてきます)

始まった頃は、この地方で言う「きっつ」という木造の蔵が店だったのですが、多くの人たちが訪れるため増築をしたようです。
写真では、左側の白い部分が「きっつ」というぶぶん、出っ張りが増築され、その奥にある部分も増築されたところです。
営業時間が短く、休みも多く、休日は待たなければならないときもあるので、行くぞと決めたら、早めに行くようにしています。
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生命徴候(バイタルサイン)あり 久間十義 週刊朝日連載(終了)

2006-11-23 17:10:58 | 読んだ
週間小説に連載されていた「生命徴候(バイタルサイン)あり」が第52回で最終回となった。

題名から想像できるように、この物語は医師の鶴見耀子が主人公である。
大学の付属病院で医局の麻酔医として勤務していた耀子は、医療事故の責任を取らされる。本来の責任は別の医師にあるのだが、新米医師の耀子が被せられたのである。

耀子は別の病院へ左遷させられたが、医療事故の審査のときにかばってくれた医師と親密な関係に陥る。
そして、耀子は一転してアメリカに留学をし「心カテーテル術」のエキスパートとなる。

その頃知り合ったのがIT起業家ミッキー(日本人)
そして、日本の病院に望まれて帰国。
帰国すると、ミッキーとの関係、昔の大学との関係も良好になり上り坂となる。
そして一人息子も将来性有望な野球選手。

幸福の絶頂のときに、さまざま事故・事件が起きて・・・・

というのがあらすじ。

医療小説だろうと思って読んでいると、IT関係の出来事がおきるので、医療関係の用語と、IT関係の用語が交錯して、アレアレ?という感じに陥ったりする。

医療とITとの話を融合するというのは無理があるんではないか?
と思わされる部分もあり、力づくでまとめたという印象も否めない。
なんというか医療に関しては現実的というか「生命」という感じであり、ITに関していえば実体のない「バーチャル」な感じがするので、それを物語としてまとめる、というのはいい発想ではあると思う、しかし「こなれていない」という感じなのである。

また、ラストが思っていたとおりというか予想がついたというのが、嬉しいようなザンネンなような感じであった。

とはいいながら、なかなかに面白い小説であった。
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光 サクサク 快適

2006-11-22 21:09:16 | 日々雑感
光、開通しました。

サクサクとインターネットが動きます。
ADSLでもあまりイライラさせられなかったのですが、やっぱり光は違う、と思わされる「イイカンジ」です。
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光 大失敗

2006-11-21 22:36:33 | 日々雑感
本日「光」の工事をしたのである。
早くなるぞー、と思っていたのである。

しかし、昨夜、プロバイダの手続きをまだしていないことを息子に指摘され「そんなもの、インターネットで、ススイと手続き完了だ」と、ススイとやったのである。

ところが、私が利用していたコースでは、インターネットによる手続きは不可であった。

本日、速達とFAXと電話で手続きについて処理をしたのだが、まだ、光にはつながらず、なおかつ、通常のインターネットもつながっていないのである。
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紅葉-台原森林公園ー

2006-11-20 21:25:57 | 日々雑感
昨日の続きである。
仙台文学館は台原森林公園内にある、として、少し散策をした、と紹介したが、その写真を載せようと思ったのである。

ところが、一眼レフのカメラで撮影したので、ブログには容量が大きすぎてそのままでは載せられないのである。
そこで、写真の容量を圧縮するソフトを・・・インストールして、コンバートに成功したのである。

というわけで、これからは一枚の写真みたいなものも掲載可能となったのである。

さて、台原森林公園のごくごくごく一部を紹介しました。
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海坂藩の食卓② むきそば

2006-11-19 22:51:03 | 観た、聴いた
むきそばです。

白いつぶつぶがそばの実です。
これをしょうゆ味のだし汁で煮て、きのこ(しめじ)とねぎと海苔が入っていました。
これは、さらさらと入って、いいカンジでした。
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海坂藩の食卓① 棒たらと大根の煮物

2006-11-19 22:50:07 | 観た、聴いた
棒たらと大根の煮物の写真であります。

棒たらは身欠きにしん風で、身が厚くて噛み応えがありました。
とはいうものの、やっぱりダシがよくて大根にその味がしみて、そちらのほうがおいしかったですねえ。
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仙台文学館

2006-11-19 22:48:05 | 観た、聴いた
仙台にいる娘に届けるものがあり「それだけではなんだから」ということで、これまで行こう行こうと思っていて行けなかった仙台文学館に行ってきた。

藤沢周平の世界、というのをやっているなあ、と思っていた。
調べてみると「仙台の作家たち」というのをやっているという。

仙台文学館は仙台駅から見て北の「台原森林公園」内にある。
国道4号線沿いながら静かな雰囲気である。
ちなみに館長は井上ひさしさんです。

ザンネンながら藤沢周平の世界はもう終了していましたが、常設展と読書サロン「仙台の作家たち」を見てまいりました。

それから館内のレストラン「杜の小径」で、藤沢周平の世界にちなんだ「海坂藩の食卓」というランチを食べてきました。(写真)
写真の下左からご飯・山形の「はえぬき」、真ん中の赤いのは「かぶの甘酢漬け」お椀に入っているのは「むきそば」そばの実を雑炊風に炊いたもの。右上が「棒たらと大根の煮物」、おひたし、そして左上は「飛島のイカの酢味噌和え」であります。ちなみに1000円です。

いずれも味が思ったほど濃くなくおいしくいただきました。
特に私「赤カブづけ」のような酢漬けは苦手なのですが、これはいけました。

食事のあと、台原森林公園を散策。
紅葉がきれいで、いい、散歩になりました。
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銀弾の森-禿鷹Ⅲ- 逢坂剛 文春文庫

2006-11-18 23:48:58 | 読んだ
別冊文芸春秋に2001年頃連載されていて、あまりにも面白いので、Ⅰ禿鷹の夜 Ⅱ無防備都市、と読んだのである。
そして今回、この銀弾の森を文庫で読んだのである。
昨夜は宿直で本日は日直であったので、ゆっくり読んでやろうと思っていたら、昨夜読み始めたら止められず、今朝3時半頃まで一気に読んだ。

一回読んでいるとはいえ、連載でよむのと一気に読むのではゼンゼン違う。
ともかく、途中で止めるのが惜しいので、時間もあるし、誰にも気兼ねをしないで読める環境であったので、久々に「一気」してしまった。

さて、物語は東京渋谷の神宮署生活安全特捜班の刑事:禿富鷹秋が、渋谷の裏社会で競り合っている、渋六興行と敷島組と南米マフィアのマスダをいいように突っついて事件を巻き起こすのである。

で、この悪徳刑事通称「ハゲタカ」(ちなみにハゲタカなんていったら命の保証はないので面と向かって言わないように、そして私がハゲタカと呼んでいるということをチクらないように願いたい)のすごいところは、何を目的に何を狙ってそのようなことをしているのか、ということがゼンゼンわからないところである。

私が思うに、ハゲタカは単にそのときの気分で行動しているのではないだろうか。あまり長い計画や計算はしていないと思うのである。
短期計画はあるだろうが、中長期の計画はないと思われる。

もっとも中長期の計画は必要がないのだ。なぜなら彼は一人で行動し一人で生きているからである。
時に「仲間」のような渋六興行の水間だって、仲間のようではあるが、じつは単に利用しているだけである。

しかし、ハゲタカを取り巻く人々は、ハゲタカが何を目的にしているのか、とか、これから何をしたいのか、ということを仕切りと想像し推理する。
しかし、ハゲタカは気まぐれで天邪鬼なのである。
だから、予想はみんな外れる。

それにしてもこのような人とはお近づきになりたくないものである。
なにしろヤクザのほうがかわいそうになってしまうほどなのである。

こんな人物を警察の内部にだって放っておけないと考える人もいるのである。そして彼の悪事を暴こうと、本庁の捜査一課管理官の朝妻警視が直に事情聴取をするのである。
しかし、ハゲタカは、逆に朝妻のある行動について話し出し、朝妻も追及できなくなってしまうのである。

こういう人物は、こっち側にいてみている分には面白いのであるが、絶対にお知り合いになってはいけないのである。お知り合いになったとたんに、抜き差しならない状態に陥ってしまうのである。ともかく全身悪意のかたまりなのである。

これでは全身善意のかたまりの人ならお近づきになったほうがいいのか、というとこれも気をつけたほうがいい。
人は矛盾しているからいいのである。

すでに第4巻も出ている。週刊文春に連載されていたような気がする。
これを文庫が出るまで待つか、単行本で読むか、問題である。
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