読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

火群のごとく あさのあつこ オール読物連載4月号完結

2010-04-29 21:38:49 | 読んだ
「あさのあつこ」といえば『バッテリー』の著者である、ということは知っていた。『バッテリー』は児童文学なのだろうと思っていたのと、野球小説は特に甘そうなものは敬遠しているので読んでいない。

で、この「火群のごとく」はオール読物の10月号から連載が開始された。
そのときの惹句が
『希望、挫折、不安・・・・少年剣士たちの青春』
とあったので、中学か高校の剣道部の物語、と思っていた。

本年4月号で『完結』となっていたので、読んでみることにした。

そうしたら、なんと時代小説であった。
ウィキペディアで調べてみたら『あさのあつこ』さんは、
『藤沢周平に魅せられて「弥勒の月」「夜叉桜」などの時代小説も書いている。』
とあった。

「なるほど」
と思った。
この物語は、藤沢周平の描く「海坂藩」ものに似ている。

主人公は「新里林弥」。少年である。つまり元服前である。
林弥は、剣道の才に恵まれている。道場へ通い、気のあう仲間2人、上村源吾と山坂和次郎がいる。

林弥は次男であるが、兄の結之丞が何者かに殺され、新里家を継ぐことになっている、
結之丞の剣の腕は高く、林弥は兄から教えられいた。
その兄が亡くなる前、江戸勤めをしていた頃に家老の庶子である、樫井透馬に剣を教えていた。

その透馬が江戸から国許(小舞藩)にやってきた。
目的は師である結之丞の死の真相を探るためである。

物語は、この縦軸、つまり結之丞の死の真相を突き止めることと、少年剣士たちの剣の上達と恋を横軸に進んでいく。

この物語はウィキペディアに書いてあるとおり、藤沢周平の影響を大きく受けている。
というか、藤沢周平ふうに書かれている。
それは、なんというか嫌味ではない。

さわやかな青春の物語である。
少年たちの考え方は現代風であるので、時代小説という舞台をかりた現代小説といえる。

小説新潮においても「あさのあつこ」の連載が始まっている。
興味深く読んでみようと思う。

だから読書はやめられない。

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酒のほそ道 スペシャル春の酒肴 ラズウェル細木  ニチブンコミックス

2010-04-26 22:57:55 | 読んだ
やっと桜の花が咲いた。
いよいよ春だ!

と、思ったら、明日は雨、そして気温も低いらしい。
どうしたんだ、今年の天気。

ということで、近頃は「忙しい」ということでブログの更新を怠っていたりする。
本を読んでいないということはないのだが、小説新潮やオール読物の連載ものを読んでいるので、なかなか感想をかけないでいるのである。

そんななか、寝る前にこの「酒のほそ道」を読み返している。

このマンガ、先ずは短いところが良い。
主人公の岩間宗達君が「酒」と「肴」のことしか頭にないようで、徹底しているのが良い。
出てくる酒も肴もとてもうまそうである。

この主人公の宗達君は、兎も角なんでもおいしそうに呑み食べてくれる。
そして呑み食べているときが「幸せ」という顔をしてくれる。

私の「一緒に飲みたくない人」は次のような人である。
・何を呑んでも食べても感動をしない人
・何を呑んでも食べても感動ばかりしている人
・やたら「薀蓄」らしきことを述べるが、いわゆる「知ったかぶり」の人

では、どういう人と呑み食べたいか?
適当に好き嫌いがあって、適当に好奇心のある人である。
そして何より、あまりこだわりのない人である。

「なに?これ食べられないの?こんなにおいしいものを」
とか
「ちょっと、冒険してこれ食べてみようか?」
とか
「さあ呑め!」
なんて会話を交わしながら、呑んで食べるのがいいじゃない。

酒と食の道を究める、といったような、或いは酒はこれでなければ、ビールはこれだ、焼酎は芋でなければならないというような「ならない人」はいやだ。

子母澤寛の「勝海舟」という小説の中で、勝海舟が薩摩の益満休之助に
「今まで食べたもので一番まずかったのはなんだい?」
と聞いたら
「裃(かみしも)をつけていただいた料理」
と答え
「では、一番おいしかったのは?」
と聞いたら
「嬶(かかあ)と二人っきりで食べたお茶漬け」
という部分があり、心に強く残っているのである。

つまり食べるというのは、こういうことだと思うのだ。

私も『お美味んぼ』や『バー・レモンハート』など読み、飲食に関する話は大好きで、そこに出てくるとびっきりのご馳走や高い酒は素晴らしいなあと思うのだけれど、やっぱり『嬶と二人っきりで食べた茶漬け』にはかなわないと思っている。

本書の岩間宗達君も、気の置けない友人たちと一緒に食べたり呑んだりするとき、そして彼女と思わしき「かすみちゃん」と一緒のときが一番いい顔をしているではないか。

ところで、本書は「酒と肴の歳時記」とあるように、物語の最後に「俳句」が登場する。
吉田類の酒場放浪記と同じである。

で、私なのであるが、どうも「俳句」がよくわからないのである。
情景が目に浮かぶ、なんてことはないのである。

どうもクドクドしい説明がないとだめな人、になってしまったようである。
だから、本書を読んでも俳句には全然興味がないため全然読んでいないのである。

というようなことから私、岩間宗達君と酒を呑んでもつまらないのではないかと思っている。
でも、少しはなれたところから彼を見るのは大丈夫。
なので、このマンガにであったら買ってしまうと思う。
だから、読書はやめられない。

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東京ラブストーリー(上・下) 柴門ふみ 文春文庫

2010-04-20 22:49:02 | 読んだ
文春文庫で、柴門ふみの「青春三部作」(「同・級・生」「東京ラブストーリー」「あすなろ白書」)が3・4・5月と連続で出版される。

今まで、彼女のエッセイを読んで共感したりしていたので、本職のほうの漫画を読んでみようと思ったのである。

で、先月は「同・級・生」を読んで、なんというか「違和感」を覚えたのである。

そして、今月はあの有名な「東京ラブストーリー」である。

私はこの有名なテレビドラマを観ていない。
世間が『カンチ』とか『リカ』とかいって騒いでいた頃「何の話や?」と思っていたものでした。

そう、とりあえず『カンチ』とか『リカ」は知っていたのです。

上・下2巻を読むのは少し苦痛でありました。
「同・級・生」と同じに『違和感』があったのであります。

この物語には中心人物が4人いる。
この4人がそろいもそろって『嫌なやつ』というか『知り合いたくない奴』というか『面倒くさい奴」なのである。

なんなのだろう?この『違和感』は。

心はよく言えば「ピュア」というか「プラトニック」なのに、何かを壊すかのようにセックスをする、というのはいかがなものか。
はたまた、そういう人を好きになって、そのようなことをやめさせることができない、というのはいかがなものか。

と思ってしまうのである。

確かに物語としてはおもしろい。
しかし、どの登場人物にも感情移入ができない。ともすれば不快感を抱いてしまう。
もっといえば、常に舌打ちをしながら読んでいる、という状況なのである。

感情移入ができない物語は自分にとって「×」なんだろう、と思っていたのであるが、どうしてどうして読んでしまう。
どうも不思議な現象である。
もちろん、来月は「あすなろ白書」を読むつもりである。

だから読書はやめられない。

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塩釜そして鳴子

2010-04-18 17:02:50 | 日々雑感
昨日は、季節はずれの雪模様。
そのなかを、新車の交通安全祈願のため「塩釜神社」へ行ってきた。

本当は「毛越寺」と「中尊寺」に行く予定だったのだが、この天候で北方面は危険ではないか、という判断で塩釜神社にしたのである。
仏教から神道へ変更したことについては気持ち的に引っ掛かりがないのである。
今度天気がよいときは平泉にいってこよう。

そして、塩釜も雪だった。


で、無事「交通安全祈願」終了。
本来なら、塩釜神社は桜満開の時期、しかし、今年は寒く「まだ」の状態。
それでも花は咲く、の写真
        

祈願が終了した我が愛車であります。
                   
プリウスです。契約をしてから4ヶ月で納車となりました。

塩釜の帰りには、松島で「寿司」と「アラ汁」を食べてきました。
その写真は残念ながらありません。

そして、今日は「鳴子」にちょっとした用事があったので行ってきました。
用事を済ませ、日帰り温泉にゆったりと入り、昼食は「おにぎり」を食べてきました。

土曜・日曜のみ回転をしている「むすびや」という、鳴子の米「ゆきむすび」を使用し、具材にも地場産品を用いたおにぎりを販売しているところです。
丁度、昼メニューの「小昼定食」があったので食べてきました。



おにぎり二つ(これは各種のメニューから2つ選ぶ:ちなみに私が選んだのは、のり梅干と麹みそ。
それから味噌汁、煮物(きんぴらごぼう)そして漬物。(いずれもごくあっさりの味付け)
値段は600円。
おいしくいただきました。

お膳も味噌汁椀も箸も鳴子産。
おすすめの店です。

場所は鳴子温泉街の入り口、国道47号線ぞいであります。
            

昨日は海の幸、本日は山(里)の幸を食べたのであるが、海のほうは
「どうだっ!」
ってカンジがするのに対して、山のほうは
「こんなものでどうでしょうか」
というカンジで、おもしろいなあ、と思ったのでした。

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マニュアルを読む

2010-04-16 22:29:15 | 読んだ
本日「新車」が納入された。
トヨタのプリウスである。

12月に契約をして5月に納車、というのが最初のスケジュールだったのだが、1ヶ月弱短縮されたのである。
理由は、例のリコール騒ぎによるキャンセルではなく、単に増産体制に入っているから、とのことである。

で、本日は真面目に真剣に丹念に繰り返し、操作マニュアルを読み込んだのであった。
なにしろ、今まで乗っていた車は平成13年に買ったもので10年目に突入したものである。この間の技術的進歩は激しいというか甚だしいものがある。

動く原理は同じであるとはいえ、その動かし方はこれまでとはちょっと違う。
この「ちょっと」が問題である。

さて「取扱書」である。
全部で476ページにも及ぶものである。

そして、親切丁寧この上なし、というものである。

「酒を飲んで運転をしない」「携帯電話をかけながら運転はしない」という、取扱説明書の範疇を超えているような部分もある。

のだけれども、これ読んですぐ理解することは難しい。
流して読んだりすると、すぐにわからない単語が出てくる。
いわく
「スマートエントリー&スタートシステム」
「イモビライザーシステム」
「ヒルスタートアシストコントロール」

兎も角イロイロと機能がある。
機能が増えれば操作も増える。
操作が増えれば間違いも多くなる。
というわけで、取扱書のページは増える。

しかし、日常的に使う機能は限られている。

今は「責任」ということが強く多く求められている。
もとめるだけで自分の責任ということは棚上げする。
従って、アリバイというか事前に責任をとるまたは回避するために、取扱書は微にいり細にいり項目を増やさなければならない。

多くの人たちは責任をとことん追及しないだろうが、誰か追及する奴がいる、そのための一つの対応策として取扱書があるのならば、取扱書は本来の目的である快適に使ってもらうための説明書というものだけでなく、企業の危機管理の手段という性格も帯びていることになる。

なんとも凄まじい世の中になったものである。

それにしても、この取扱書を今後何度開くことになるのだろうか?

追伸
 取扱書にはDVDがついていて、いまや映像と音で説明をすることができるようになった。いやはや、なんだか一気に年老いた気分である。

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「連載小説」について

2010-04-14 23:32:48 | 読んだ
定期購読紙のうち、
連載小説をどれくらい読んでいるのか?
読んでいないが読んでみたいとおもっている連載小説はなにか?
ということを思い整理をしてみた。

先ずは「週刊朝日」
週刊朝日に掲載される小説は「まあまあ」である。
従って、これらが終了し単行本になっても或いは文庫本になってもあまり購入はしない。
というのが今までだったが、現在連載されているのは面白い。

今、週刊朝日の記事は全体的に統一性がなく、それぞればらばらの方向に行っているような気がして、つまらない、というのが感想であるが、連載されている小説が面白いがため依然として購読をしている。

「ブルーゴールド」<真保裕一>水と商社と怨念と因縁の物語。
ハードボイルド的ではあるが、実は熱い奴等が主人公

「ライン」<篠田節子>
最先端農業技術とそこで働く都会で戦いに敗れてきた女。
これからどう展開していくのか非情に楽しみ。

続いては、連載小説の宝庫「小説新潮」4月号を」基準に

「ソロモンの偽証」<宮部みゆき>
連載第88回、ということは今8年目。
中学生が死んだ。それは自殺なのか他殺なのか。それをめぐって同級生たちが判事、検事、弁護士に別れ、犯人と名指しされた同級生をめぐって校内で裁判を行う。という物語。
大人のような中学生に驚かされる。

「灰色の虹」<貫井徳郎>ある事件をめぐって、逮捕し自供させた刑事、それを信じて裁判で有罪を求めた検事、それを認めた判事、そして弁護に失敗した弁護士が相次いで殺される。
容疑者はその事件の犯人とされた人物。
殺された人たちが悪い、と思わされる物語の展開。

「星空航行」<飯嶋和一>
徳川家康の長男で、将来を嘱望されながらも甲斐の武田勝頼と通じていたとして自害をさせられた徳川信康。その近習であった沢瀬甚五郎を通して、徳川家の最初にして最大の事件を描く。これまであまり描かれなかった事件、興味深く読んでいる。

「子子家庭」シリーズ<赤川次郎>両親が行方不明になっているが、健気に生きる中学生の律子とその弟和哉。二人をめぐって奇妙な事件が起きる。

「タワーリング」<福田和子>
4月号で最終回。ビルジャックをめぐる物語。

「しゃばけ」シリーズ<畠中恵>2月号から新シリーズ始まる。お馴染みの物語。

「慶次郎縁側日記」<北原亞以子>
近頃、ようやく面白さに目覚め読み始めている。長く続いている物語。

このほかに、まだ読んでいないが読もうとしているものは次のとおり
「ガラシャ」<宮木あや子>
「冬芽の人」<大沢在昌>
「たまゆら」<あさのあつこ>
「鋼のアリス」<池井戸潤>
「白い徴(しるし)」<西加奈子>
「虚空の冠」<楡周平>
いやあやっぱり連載小説の小説新潮、ずいぶんある。

このほかに、連載ではないが連作小説もずいぶんある。

さて「オール読物」は連載が少ない。
少ない中にあって一番の楽しみとしている「御宿かわせみ」シリーズがこのごろ休載でつまらない日々である。

「楚漢名臣列伝」<宮城谷昌光>
小説といいがたいところもあるが、項羽の「楚」と劉邦の「漢」の御馴染みの名臣たちの物語。4月号31話で完結。

今から読もうとしているものは
4月号で完結した「火群のごとく」<あさのあつこ>くらいである。
北村薫の「いとま申して」はちょっと読んだが・・・

月刊誌の連載小説は前回までを詳しくおぼえていないので、記憶をたどりながら読まなければならず、近頃はちょっと苦痛である。
だから「短期集中連載」なんていうのは、完結してから一気に読もうとしているのである。

また週刊誌の連載小説は何とかついていける。それでも細かい部分までは気にしていられないので、まあいいか、という気分で読んでいる。

それにしても、連載小説、というのはなんだか心がザワメクもので、読んでいないと心にトゲがささっているような気分になる。
だから、読書はやめられない。

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井上ひさし氏逝去

2010-04-11 20:38:08 | 読んだ
井上ひさし氏が亡くなった。

彼の作品が好きでよく読んでいた時期があった。

「青葉繁れる」とか「モッキンポット師」シリーズ(といっても2冊だが)「月なきみそらの天坊一座」といった、ユーモアを前面にしているがその奥には深い哀しみがあるというような小説が好きだった。

その後、エッセイ集や「吉里吉里人」などを読み、ファン度を高めていった。

或いは、テレビでたまに放送される井上ひさし作の演劇を見て「面白い」という言葉以上の「面白さ」を感じていた。

今回逝去を報じる記事で「ひょっこりひょうたん島の井上ひさしさん」という紹介が良く出ているが、私としては「ひょっこりひょうたん島」よりもその後の「ネコジャラ市の11人」のほうが、なお井上ひさしらしかったのではないかと思っている。
もっとも、どちらも共作となっているので、どこまで彼が関わったのかはわからないのだが・・・

ネコジャラ市の放送がされていたときは中学生であって、その後彼の小説やエッセイを読んで、そう思っている。
ひょっこりひょうたん島よりも「突き抜けている」感が強いと思ったのだが・・・

まあでも「ひょっこり」のなかで歌われた、海賊が宝物を探すときに歌う「暗号」のような歌とか魔女リカのうたとかはよかったなあ。

いやあ思い出すと思い出せるものですなあ。

で、井上ひさしの小説「一週間」が小説新潮で連載されるということで、私、小説新潮を購読することに決めたのであります。
ところが、遅筆堂の異名のとおり、ときどき休む、そして突如として休載され、何年か経て突如再開されたりして・・・
それで、この物語が完結してもずっと購読をしているのである。

近頃は、なかなか彼の作品を目にすることも少なくなっていた。

『亡くなった』という報道を知って、もう一度読んでみようかな、と思っている。
暖かいカンジのする物語を読みたい。

まずはご冥福を祈り『合掌』

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総務部総務課 山口六平太 62巻 人生乗ったり降りたり 小学館

2010-04-06 22:11:48 | 読んだ
ビックコミック連載の「山口六平太」の単行本第62巻である。

この物語(マンガ)を読むと、いつもいつも思うのであるが、六平太ってカッコいいんだよなあ、こういうヤツがいればなあ、って。

今回も9つの物語で活躍します。

しかし・・・
実際に、こういうヤツがいたら大変だろうと思うようになったのである。

課員だけでなく、全社員それも先輩後輩に関わらず慕われ信頼され、また会社のある地元の人たちとも親しく、兎も角出会う人関わる人の全てを惹きつける。
それに加えて、社長の信頼が厚く、大株主からも何かといえば頼りにされ、社長秘書の美人を恋人に持っているのである。

本巻のなかでも、大株主にある構想をささやき、それが社長に伝わり、株主総会を動かすという『なんともはや』という展開の1話がある。

これは『構想をささやき』というのは読者の視線からの表現であるが、もしかしたら『たらしこむ』とか『たぶらかす』とか、そういう感慨を持っている人だっているかもしれない。

そうなのだ。
現実的にこういうヤツがいたら、もしかしたら『うっとおしい』と思うかもしれない。
更には嫉妬してしまうかもしれない。

山口六平太って怖ろしいヤツなのかもしれない。
関わらないほうがいいのかもしれない。

そんなことを思ってしまったのである。
山口六平太、おそるべし。

と思っても、ビックコミックが発売されれば買うし、単行本が出れば読んでしまう。六平太は魅力たっぷりなのである。

だから読書はやめられない。

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タワーリング 福田和代 小説新潮連載 4月号完結

2010-04-04 18:34:44 | 読んだ
3月末から4月のはじめは、いろいろなことがあるので、ゆっくりと本も読んでいられない。いやな時期である。

そういうなかで、小説新潮に「集中連載」されていた『タワーリング』が4月号で完結をした。
で、完結をしたので読んだのである。
集中連載であるから短期間、1月号からであった。

物語は「ビルジャック」が柱となっている。

「六本木ヒルズ」を思わせるような巨大ビル「ウィンドシア」があっという間にジャックされる。

犯人は「ボス」「慧(あきら)」「哲」「ロッキー」「旦那」
そして彼らの狙いは「ウィンドシア」を作り管理をしている「マーズ」という会社の社長「川村」を誘拐することである。

川村はウィンドシアの最上階である50階に住んでいる。
更にウィンドシアは徹底的な安全管理がなされている。
それを犯人たちはうまくかいくぐって、更には徹底的に管理されているということを裏手にとって、まったく上手にジャックしてしまうのである。

ジャックをされた側の「マーズ」では、副社長の中沢以下幹部が対応を練る。
そのなかで船津という社員が社長救出に向け策をたて実行するが・・・

この物語はビルをジャックするということの、建物というハードをジャックするという、なんというかマニアックな部分が強調されるのか?
だったらなんとなく読みたくはないなあ、と最初は思ったのであった。

しかし、本来なら非情で世を拗ねているように描かれる犯人たちに筆者は優しく接している。優しく、というよりは思いをこめてというべきか・・・

また、巨大ビルを作り管理をしている会社の社長である川村も、最初は「いやな奴」というように思えていたが、彼にも著者は思いをこめているのである。

つまり、被害者にも犯人にも優しいのである。

その謎は、4月号の「謎解き」でわかる。

ビルジャックという新しいテーマというか柱があり、現代の最先端技術がそこに描かれているのだが、登場する人物たちの「情」はいかにも古い。

その「古い」ところが『なんだかなあ』的に感じられ、ちょいと「うそ臭さ」が激しいのではないのか、なんて思われるのである。
しかし、最先端技術と古い型の人情を対比させている、ということならば、まあ許せる、と思ってしまったのは、やっぱり人の情を描くが物語として面白いことになるからなのだと思う。

というわけで、あまり期待をしないで読んだのであるが、先ずは満足の物語であった。

小説新潮は連載が多いのであるが、まだ読んでいないものもある。
そろそろ読んでおこうかと思っている。
だから読書はやめられない。

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