読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

乗合船<慶次郎縁側日記> 北原亞以子 小説新潮8月号

2011-07-30 11:54:31 | 読んだ
オール読物8月号で「新・御宿かわせみ」(平岩弓枝)が掲載され喜んでいたら、小説新潮8月号では「慶次郎縁側日記」が『復活!』と表紙にある。

「再開!」とか「復活!」という言葉は、近頃本当に嬉しい言葉である。

というわけで「乗合船」である。

物語は突如として、慶次郎の婿である晃之助が襲われるところから始まる。
kは、不覚にも賊に太腿を匕首で刺された。賊は『二十年前の恨み』で襲ったという。間一髪のところで、辰吉に救われたが、傷は深手で医師の庄野玄庵の治療を受けそのまま病間での治療(現代でいうと入院)することとなる。

その入院先で、医師が診るとどこも悪くないのに病間での治療を強く要請する女・お京と相部屋になる。

慶次郎は、kが襲われた『二十年前の恨み』とは自分への恨みであろうと考え、心当たりを、達吉や吉次をつかって探すこととする。

という、つまりはkを襲った者と、kと相部屋になったお京との、直接的ではないが人生における共通点がこの物語で描かれている大きな流れであり、それが題名となっている「乗合船」である。

お京がなぜ医師から見ればどこも悪くないのに体中全部が痛いと訴えるのか?
何故、20年間も慶次郎を恨み、更には婿であるkまで襲わなければいけなかったのか?

この理由がつまりは「乗合船」なのである。
といったって、この物語を読まなければちんぷんかんぷんでしょうね。

また、慶次郎は「仏」と呼ばれていたのに、何故恨まれるのか、もしかしたら自分は「鬼」なのではないか、と自問するところがある。

自分が仏なのか鬼なのかは、所詮「他人」が決めることである。

と思っているのは私であるが、慶次郎は二十年前の男から
「旦那は鬼だね」
といわれ、苦笑する。

玄庵の弟子で養子にしようと思っていた春宅が長崎へ留学するのを見送った慶次郎は「乗合船」に一緒に乗る人のことを思い浮かべる。

というのがラストである。

いつもながら、心の中が『ほんわか』とする物語である。

次回は10月号に掲載とのこと。じっくりと待つことにしよう。

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イギリスから来た娘(前編)<新・御宿かわせみ> 平岩弓枝 オール読物8月号

2011-07-28 07:27:31 | 読んだ
オール読物8月号の表紙には、「待望の再開!」とある。
本当に、長い間休んでいたが『新・御宿かわせみ』が始まった。(始まった、という言い方も変ではあるが・・・)

新・御宿かわせみは、御宿かわせみの主人公であった「るい」や神林東吾、畝源三郎の子供世代が活躍する物語であり、時代は「明治」となっている。

江戸期を描いた「御宿かわせみ」に登場していた人物で「新」にも登場するのは「るい」とかわせみの奉公人のお吉や嘉助である。

さて、今回は・・・・
主人公の神林麻太郎(神林東吾の実子ではあるが、るいの子供ではなく、神林東吾の兄・通之進の養子)が、往診から帰ってきたところから始まる。

往診から帰ってきた麻太郎を待っていたのは『大きな顔に目鼻がちまちまと中央に寄っている。唇が厚く、結んでいる形は常にへの字と決まっていた』親子である。
彼らは病気で麻太郎を尋ねてきたわけではないようである。
この二人が、無遠慮に麻太郎に居留地に居る大金持ちの若い女について問いただす。

と、そこに、麻太郎がイギリス留学中に親しくなったダグラス・セントクレアの妹・ジュリアが訪ねてくる。

それを見た父子は出て行く。
父子は「福島屋」という大金持ちの船問屋で、麻太郎の師であるバーンズ先生に言わせると『いつの世にもどこの国にも、むしってもむしってもはびこる雑草』のような奴等である。

物語は、このイギリスから来た娘・ジュリアをめぐって進むみたいで、実は福島屋の息子はジュリアと結婚したいらしく、今度は母と二人で麻太郎を尋ねて、ジュリアとの仲を聞いたりしている。

事件はこれから起きるらしく、盛り上がったところで今月は終了している。

時代小説のいいところは「昔の日本」を思わせる表現である。

麻太郎が源太郎の家を訪れたときに『障子が簾戸に変わっていた』とある。
「簾戸」と書いて「すど」と読む。簾(すだれ)の障子である。
それだけで、源太郎の家が思い浮かぶではないか。

又、るいは麻太郎のために「絣の単衣」(かすりのひとえ)を縫い上げている。
いいなあ、と思うではないか。

こういう、細かなところから「時代」を表現できるのは、例えばもう我々世代では無理なんだろうと思うと、なお一層のこと「新・御宿かわせみ」は続いてもらいたいと思うのである。

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無双の花 葉室麟 オール読物(2011年2月号~6月号)

2011-07-26 20:08:34 | 読んだ
オール読物に連載された「歴史小説」である。

ちなみに葉室麟は初めてである。

物語の主人公は、戦国武将の「立花宗茂」である。

立花宗茂といえば、九州の大名で居城は柳川。
柳川といえば、新婚旅行に行った場所で、「御花」は旧柳川藩主・立花家の別邸。すばらしかった。堀めぐりも当然しました。

というくらいの知識である。

で、今回この物語を読んで「えっ!そうだったの?」というところが多くあり、改めてもっと前からこの武将を知っておくべきだった、と思ったのである。

立花宗茂は複雑な生い立ちであることは、なんとなく知っていた。
九州の名門、大友家の重臣・高橋紹運の嫡子として生まれるが、同じく大友家の重臣・戸次鑑連(べっきあきつら)に望まれて、その娘で、立花家当主であった千代(ぎんちよ)と結婚し養子となるのだが、この戸次鑑連(べっきあきつら)は立花道雪であるので、養子となって立花を名乗るのである。ああ、ややこしい。

そして、大友氏滅亡後に大名として独立するのである。このあたり、竜造寺と鍋島との関係に似ているので混同してしまう。

さて、この物語を読んで、立花宗茂は「名将」であることがあらためて教えられた。
勿論、主人公とするわけであるから、いいところを多く描いてあるのだろうが、それにしてもいい漢(おとこ)である。

大友家の家臣から、豊臣秀吉に「東国にては本多忠勝、西国にては立花宗茂、ともに無双の者である」と認められ、筑後・柳川十三万石の大名、小田原攻め、朝鮮への侵攻では、更にその名を高めた。
しかし、関が原の戦いでは西軍に就き、負け戦の後は牢人となる。
その後、徳川のもとで五千石の旗本、そして奥州・棚倉で一万石の大名、加増され三万石、大阪・冬の陣、夏の陣では徳川秀忠に直属し戦い、そして家康の死後4年目に、柳川十一万石の大名に返り咲く。
更には、島原の乱にも出陣し「武神再来」と諸大名が囁いた。

すごい経歴である。
戦だけでなく民政にも力を発揮し、柳川に返り咲いたとき、領民からも歓迎され、旧臣たちも復帰する。

「立花の義とは、裏切らぬこと」
を貫いた、貫いたがゆえに徳川からも信頼され多くの大名からも尊敬された。

この物語では、妻・千代、八千子との細やかな愛情についても語られている。

そして、妻達と心で誓った「無双の花」を柳川に咲かせることが出来た。
近頃珍しく、歴史もので感動したのであった。

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献身 サッカー女子ワールドカップ

2011-07-18 21:31:19 | 観た、聴いた
私は、野球派でサッカーはあまり興味がない。
しかし、ワールドカップの決勝に日本が出場するとなれば、朝早く起きて(夜は早く寝て)見るのは当然の努めである。

多くの人たちがそうだったと思うが、過度の期待は持たず「記念に」ということで観戦をした。

だから、前半0-0で終了したときはホッとした。
決勝戦で大差がついたら『やっぱりなあ』とか『なんだかなあ』という気分に日本の社会がなってしまうのが嫌だったから。

だから、後半で1点を取られた後にアメリカが引き気味だったときは、0-1で終了したら非常に素晴らしい「善戦」だったと「アッパレ」がでると思っていたのである。

しかし『なでしこ』は待ってましてとばかりに反撃をした。

1-1のあとの延長戦。
1点をキレイに取られた。
よしよし、よくやった!と思った。

しかし「なでしこ」は頑張った。
私、延長戦の後半からは涙がでてしょうがなかった。

「なでしこ」は勝とうとしていた。
献身的なプレーをしていた。
誰のためではなく、自分が行わなければならないプレーを行うために。

野球をやっていて感じるものがあるのだが「神様」は居る。
しかし、神様に会うためには、努力と献身が必要だ。

PKの最初にアメリカが外したのを見て「神様が来た!」と思った。「良かったなあ」と思ったのである。

「献身」という言葉は、あまり好きではなかったのだが、この試合を観て感動し「献身」というのは素晴らしいものを生むんだなあ、と思ったのである。

「なでしこ」たちに感謝である。


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心臓に毛が生えている理由 米原万里 角川文庫

2011-07-16 10:12:45 | 読んだ
ああ、本当に惜しい人を失ったなあ!
と、つくづく思うのである。

米原さんが生きていたら、この大震災についてどのような感想を持っただろうか?
そして、為政者達を小気味よくそして理路整然と叱咤し、被災者達をどのように慰めただろうか?

そんなことを想像してしまうのだ。

米原さんは、ロシア語通訳として、ロシア人も日本人も等しく客観的に観察した。
この「客観的」というのが、大きな特徴である。

日本人であって日本人ではない。
もしくは日本人にはなりきれない。
そういうところがあったと思う。

そして、そういう自分の立場を余裕を持って楽しんでいたんだろう。

だから、日本人にとってグサっと来るような発言や文章があっても、その「グサッ」がどこかやさしい。

そして、シモネタ好きで駄洒落が好きで、それがいやみではない程度に披露される。
でも、その裏には痛烈な批判が隠れていたりする。

痛快!
というのが米原さんの文章を読んだときの大きな感想である。

ちょいとこの震災で落ち込み気味のときに開いて、

そうだよなあ!と感心し、
そうそうと、心から頷き、
へっへ、と薄く笑い、
どうしてでしょうね、と一緒に不思議がった。

こういう感覚で、意表をついたコースに真っ向ストレートで勝負されたのではかなわない。

もう二度と現れないような「感覚」だと思う。

本当に惜しい人を亡くした、と思うのである。

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地層捜査 佐々木譲 オール読物 2010.10~2011.4月

2011-07-14 22:09:11 | 読んだ
オール読物に連載されていたもので、ようやっと読んだのであった。

いつもいつも言うことであるが、月刊誌の連載でなおかつ推理物は一気に読まないといけません。
というのは、前月号までのスジや登場人物たちを忘れてしまっているからで、この人物は今月出てきたのだろうか?以前にも登場したのだろうか?なんて考え始めると、もしかしたらこの人物は重要な人物ではなかったろうか?なんていう思いに取り憑かれ、以前の号を引っ張り出して読み始め、結局は通りすがりの人物だったりすることがある。

というわけで、連載小説は出来るかぎりまとめて読むことにしている。
しかし「短期集中連載」ならば何とか対応できるのだが「いつまで続くかわかりません」系統は大変である。

さて「地層捜査」である。
著者の作品は『うたう警官』の道警シリーズや、『暴雪圏』の川久保巡査シリーズ、そして「警官の血」シリーズと読んできているので、大いなる期待を持ってそして早く最終和にならないかと思って待ち、そして読んだのである。

主人公の水戸部裕(みとべゆたか)警部補は、警視庁刑事部捜査1課に所属するが、不祥事により謹慎中である。

で、その不祥事があまり詳しく説明されていないところを見ると、もしかしたら「水戸部シリーズ」とうのがあるのかもしれない、という疑問を抱きつつ、読み進める。

その不祥事による謹慎をとくために、水戸部は「特命操作対策室」という捜査1課にある係に配属させられる。

そして与えられた仕事は15年前に発生し、まだ解決していない『四谷荒木町老女殺人事件』の捜査である。
相棒は、定年退職し相談員という形で再雇用されている加納である。

というわけで「相棒」のような特命係ではなく、非常に地味な係である。

何しろ、何故再捜査となったかといえば、その事件の黒幕と噂されている議会議員が勲章をもらえないのは黒幕という噂があるからで、従って噂を打ち消し勲章がもらえるようになるよう解決してほしい、という圧力があったからなのである。

世の中というのはこういうものである。
降って湧いたような仕事の起因なんてそういうものである。
そういう時というのは起因を知らされないほうがいい。モチベーションがおちるから。

ということで、水戸部と加納は、地元警察署の協力の下、再捜査を開始する。

しかし、なんといっても15年前の事件である。当事者達の多くは物故している。
それでも、彼らは地道に捜査を開始する。

彼らの仮説がほとんど証明されていくことは「ちょっとなあ」という感じがするが、面白い物語である。

絡み合った糸が15年を経たがゆえにほどいていける、ということもある。
ということが、なんだかうまく行って、老女殺人事件だけではなく、もう一つの事件も解決する、というのは「なんだかなあ」という感想を持ったりするが、まあまあそれほど目くじらを立てるものではない。

何しろ、そんなところでまだ複雑にしたら、連載小説では前後のつながりがわからなくなってしまう。

水戸部シリーズというのも今後発生するのか?
そちらの興味というか望みのほうが、読むうちに膨れてきてしまった。
望む!シリーズ化。

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小石川診療余話 安住洋子 小説新潮

2011-07-12 20:42:06 | 読んだ
小説新潮に連載された時代小説である。

春の雨 2010. 8月号
桜の嵐 2010.10月号
夕虹  2010.12月号
照葉  2011.02月号
春告鳥 2011.04月剛

の5編である。

著者の安住洋子は注目している作家の一人である。
ではあるが、あまり読んでいなかった。

そこで、小説新潮に連載されているこの作品を一気に読んでこのさい「けり」をつけようではないか、と、乱暴な思いに駆られたのである。(何の「けり」だったんだろう?)

この物語の主人公は「高橋淳之祐(じゅんのすけ)」である。
小石川養生所に住み込みで働きながら、医学間へ通っている。
父母はなく、養子に行った高橋家で育てられ、養生所に住み込むようになって3ヶ月。
実の父母は亡くなった。
父の死は、藩の不祥事の責任を取っての切腹。
そのあたりが彼の性格に少なからず翳を落としている。

小石川養生所での彼の仕事はきつい。
そして養生所には問題が山積している。
そのなかでも看護人が世間から外れたような男達の集まりであること、は大きな問題である。
また、患者も町医者にかかれない貧しい人たちや身寄りのない老人など、弱い立場の人たちであることや、もう手遅れになった人たちが多いことから、いわゆる「治癒率」が低いことも問題となっている。(つまり治癒率が低ければ不要な施設と言う考えもある)

というような設定の中で、淳之祐の実父の切腹の謎、つまりは淳之祐のアイデンティティの礎、そして養生所の雑用をおこなっている「お瑛」との仲が縦糸で描かれ、横糸には養生所で看護を受ける人たちや養生所にいる人々たちの生活が事件として描かれる。

この事件は、エイヤっと片付きはしない。
主人公が快刀乱麻に解決できるものは、現実離れのした事件である。
しかし、この物語の主人公は文武両道でかつどちらも人並み以上、ということはない。
従って、この物語で描かれるのはわりと現実的な事件が発生し、胸がすくような解決ということにはならない。

淳之祐を取り巻く人々は、悪い奴もいるが人情に厚いいい奴だっている。

そういう人々に囲まれて、養生所で成長していく淳之祐は、好ましい青年であり応援をしたくなる性格である。

とりあえず終了したのであるが、続編を期待する。
そして、安住洋子、目に触れたら積極的に読んでみよう。

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偽装う(よそおう)-探偵ガリレオ- 東野圭吾 オール読物7月号

2011-07-07 23:08:13 | 読んだ
探偵ガリレオシリーズの最新作である。

ガリレオこと湯川学と警視庁の草薙は、大学時代のバトミントン部の仲間で地元で町長をしている谷内祐介の結婚式に出かける。

式は地元の山の中のホテルで行われる。

ホテルへ向かう途中の山道で、車がパンクし、更に雨が降ってくる。
通りがかった赤いアウディに乗る女性が傘を貸してくれた。

ホテルでの披露宴が終了したところで、ホテルと町をつなぐ道路が雨のため土砂崩れで通行止めとなり、更に近くの別荘で殺人事件が発生する。

披露宴に出席していた地元の警察署長に頼まれた草薙は殺人事件現場の検証に立ち会う。

殺されたのは、有名な作詞家とその妻。
現状からは殺人事件の兆候がうかがえた。

その現場写真を見たガリレオは推理する。

赤いアウディに乗る女性・桂木多英は、殺された作詞家の娘である。

絡み合った事件を、写真と多英に対する質問だけで解決するガリレオ。

ガリレオシリーズでは、ちょっと凡作気味かな。と思える。

同級生の町長さんが絡んでくるのかと思っていたのだが・・・

まあ、それでもガリレオシリーズである。
それなりのクオリティは確保している。


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平蔵の首 逢坂剛 オール読物2010.10月号

2011-07-04 22:30:05 | 読んだ
雑誌を整理していたら、オール読物の2010年(平成22年)10月号の特集で「長谷川平蔵、ふたたび!」というのがあって、そのなかで逢坂剛が長谷川平蔵を描いている。
それが「平蔵の首」である。

どうせ、この月だけだろう、と思っていたら、なんと連作のようで、次には平成23年の1月号で「お役者菊松」そして4月号で「繭玉おりん」と3作になっている。

あわてて、3作続けて読んだのである。

主人公は長谷川平蔵(つまり鬼平)であるが、謎の人物である。
また、与力、同心、密偵も登場するが、勿論、池波正太郎の「鬼平犯科帳」に登場する人たちはおらず、逢坂流である。

「平蔵の首」では、押し込んだ先に火盗改めが待っていて、しかも長谷川平蔵が待っていた。

押し込んだ盗賊たちは、いわゆる盗みの3か条「盗まれて難儀する者へは手を出さぬこと、人を殺めぬこと、女を手込めにせぬこと」(池波正太郎が作ったといわれる)を守るものと、人を殺すことをなんとも思わないものとが混在する。

頭の大銅鑼の十九八(とくはち)は、腕の立つ浪人崩れの又七郎が人を殺したり傷つけたりすることを止められなくなっていることもある。

そういうときに、押し込み先で「長谷川平蔵」に出会った。

頭と又七郎は「冥土の土産」に平蔵の顔を拝もうと反撃をする。逃げろといわれた子分達は逃げようとするが、逃げられず、平蔵との戦いを見ることとなった。

そして、平蔵を「あわや」というところまで追い詰めるが・・・

新しい長谷川平蔵シリーズで、期待している。

ちなみに、このとき捕らえられた「歌吉」が密偵となるのだが、平蔵の顔を見てはいない。


追伸

非常に腹が立っている。
「松本龍復興相」の発言と態度である。
被災者というより東北を見下している態度である。
「東北軽視」というのは昔からよくあることだが、これほど露骨に行われたのは珍しい。

九州出身だからという理屈はありえない。九州の人は東北に来てひどいことを言っても九州出身だから許せ、というのか?

まったくひどい世の中になったものである。

こういう人が、なんかの頭になると、こういうブログまでチェックさせて、取り締まるんだろうなあ。

たぶんこれで、この人は被災地に行けないだろう。

それにしても、近頃、こんなに腹立たしいことはない。


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