読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

闘将伝 小説 立見尚文  中村彰彦 文春文庫

2012-06-27 22:57:24 | 読んだ
海将伝に続く「闘将伝」である。
というのは、私の読み方の順番であって、著者から見れば、闘将伝-海将伝になる。

物語の主人公である立見尚文は以前から興味のあった人物である。
『以前』というのは、司馬遼太郎の「坂の上の雲」を読んだときに立見尚文がよく描かれていたのを読んだときである。

海将伝でも思ったことであるが、明治初期の将軍や提督たちの出自の多くが武士であることから、人間の芯或いは核みたいなものにきっちりとしたものがあるように思える。
それは「やせ我慢」のようにも思える。
それともう一つは「合理性」である。
この二つがうまく融合している人が多い。

さて、この小説の主人公立見尚文は、桑名藩出身である。
幕末の桑名藩といえば「会桑」と呼ばれたように、佐幕派の中心である。
会津、桑名の藩主が兄弟であるということ。
会津は京都守護職、桑名は京都所司代として幕府を支え、討幕派と戦い続けなければならなくなったことから、思うに、主義主張としての佐幕派ではなく敵対心とか憎悪とかの感情的なものになって行ったのではないか。

そういう桑名藩のなかで、立見尚文は佐幕派として、鳥羽伏見の戦いから江戸、宇都宮、越後、会津、出羽と抗戦を続ける。

戦い破れて降伏するが、赦免され、桑名県に出仕その後司法省を経て陸軍に入る。
西南の役での活躍、更には日清戦争、日露戦争と将軍として活躍する。

この小説では、維新の時の立見に多くのページが割かれているが、ともかく、すがすがしい男である。

私としては、日清戦争や日露戦争の部分を読みたかった、という気持ちがあったが、期待を裏切るようなものではなかった。

「男」としてこうありたい、みたいな気持ちになった読後であった。

「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

薔薇 バラ やくらいガーデン

2012-06-24 21:50:52 | 観た、聴いた
宮城県の地元紙である「河北新報」や県内版のテレビで、大崎市の薬莱山のふもとにある「やくらいガーデン」のバラ園のバラが見ごろであると、紹介されていたので、23日(土曜)行ってみた。

やくらいに着くまでは、半袖でよかったが、ガーデンの駐車場で車から降りたら冷たい風、長袖の上着を羽織って、ガーデンへ。

報道の効果なのか、多くの人たちが訪れていた。
そして、ガーデンで結婚式があったとかで、11時30分の開園だった。
我々が到着したのがほぼ12時。ということで人が多かったのかもしれない。

ローズガーデンは広い区域のなかで2か所にある。
1か所目は、入り口を入ってすぐ。



薔薇もいろいろあるのだが、私はどちらかといえば黄色系が好きである。
赤いバラはちょっとあでやかすぎるという印象である。


また、白いバラは高貴というか声をかけるのもためらわれるような感じだ。

薄いピンクもいいねえ。


そして、つぼみ、はどうでしょうか


現在のバラ園を拡大するらしく、下の写真は、平成14年に完成するらしい。
そうなるとずいぶん見ごたえのあるバラ園になりそうだ。



二つ目のバラ園は、歩道ぞいでありました。



近くには温泉があり、手打ちそばがあり、さわやかな高原の風が吹いていて、次の花が咲いたらまた行こうと思う。


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

おんな酒場放浪記 BSTBS 土曜23時30分

2012-06-20 21:31:49 | 観た、聴いた
吉田類の酒場放浪記の「妹版」ということで、本年4月から始まった。

で、本家の酒場放浪記は、月曜夜9時ということで、近頃は生ではあまり見ないのだが、この「おんな酒場放浪記」はなぜか生でみている。
1回30分、2本ということで、見やすいからかもしれない。

放浪しているのは、「酒場おんな」とホームページに紹介されている3人。

倉本康子(モデル)、栗原友(料理家)、そして古賀絵里子(写真家)
いずれも、さっぱりとしたいい女である。

いまのところ吉田類の歩いた酒場を巡っているようなカンジである。

で、当然のことながら吉田類とは違った歓待を受けるのである。
その際に3人それぞれの対応であるが、この対応も媚びない。かといって冷たいわけでもなく、よくぞこの3人を選んだ、と思う。

倉本康子は、ビール党。
ビールを飲むとき、本気でうまそうなのがいい。
で、「さっぱり感」は3人の中でもトップ。

栗原友は、なんでもござれのようだが「焼酎」が好きとみた。
料理家らしく、料理に興味津々。

古賀絵里子は、日本酒党。
日本酒を飲んだ後、口の中で確認するさまがいい。

とうわけで、私は、古賀絵里子がお気に入り。
「天然」なところがいい。

酒場に入る前、釣り堀で針を天井にひっかけたところから、気に入った。


6月6日には「酒場放浪記スペシャル~海の男 吉田類とほろ酔い3人娘~」が放送され、いよいよ本格的に放浪をするようである。
楽しみ、楽しみ。

ちなみに全部録画しているのだ!

そして、ホームページはこちら「おんな酒場放浪記


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

酒肴人(しゅこうびと) <新作よみきり漫画> 少年画報社

2012-06-19 23:07:16 | 読んだ
コンビニで見かけたので買ってしまった。

表紙は、あの「吉田類」さんがグラスを掲げている写真。

表紙をめくると「ハイサワー ハイッピー ZERO」の広告が右に、左にはまたもや吉田類さんが・・・

次のページが「目次」

巻頭特集 新作三本立て
吉田類の思い出酒場 漫画:井上眞改
 南砂町 山城屋酒場
 神保町 兵六
 稲田堤 たぬきや

新作酒場ストーリー①
栗山裕史 「ケンさんの焼酎ボトル」
高井研一郎 「焼き鳥たけちゃん」

インタビュー特集
なぎら健壱 バチ当たりの 昼間酒~一杯だけですから~

東銀座
「三原カレーコーナー」 漫画:魚乃目三太


と続き、めくると

新作酒場ストーリー②

として7本の漫画。

というわけで、何が面白かったか?
というと

高井研一郎 「焼き鳥たけちゃん」

そして、

「コップ酒とニラ玉」 にしだかな

全部で13本の漫画があるのだが、どれもそれなりに面白い。
面白いが、シリーズとなるようなものは見当たらない。
まあ「読み切り」ということで描いているからだろうけど。

でも、この本、どうも第1巻らしいのである。

コンビニに行くときはちょいと気を付けてみようと思う。

あぁー「煮込み」くいてえ!


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雨ン中の、らくだ 立川志らく 新潮文庫 

2012-06-14 22:59:03 | 読んだ
著者の「立川志らく」はあの立川談志の弟子である。

本書は、志らくの自伝のようであり自伝の形を借りた談志伝であり、更に落語論でもある。

文庫本の帯
<正面>

不世出の鬼才 立川談志と その魂を受け継ぐ 愛弟子の25年

とあり、
裏側には

「志らくは俺と同じ価値観を持っています。弟子でありながら同志です」
立川志らく真打披露パーティでの立川談志の口上

とある。

私は、落語好きである。
好きであるが、そうめったに寄席に行ける環境にないし、CDやDVDで聞くわけでもない。
そこに落語があれば聞くという態度である。
つまりそれほど通ではない。でも、好き。

さて、志らくは談志に愛された弟子である。
この本を読んでいるとそう思う。
何故、愛されたのか、というと、談志と価値観を共有できたから、と志らくは言います。
そう言い切るところが、志らくのすごさだと思う。

さて、私は立川談志の落語はすごいと思うのであるが、それほど好きではない。
なんというか、立川談志の落語は「どうだすごいだろう!」というのがすごくあるからだ。

「そういうところがいいんだ」
という人たちも多い。

立川談志は、立川流の家元であり、更に教祖であるのではないか、というのが私の印象である。その教祖的なところがもう一つのめり込めないところだと思う。

でも、志らくは立川談志にのめり込んだ。
のめり込んでどうなったのか。
或いは、どうのめり込んでいったのか。
それは本書を読むとよくわかる。

師匠大好き、落語大好き。というのが志らくの言いたいことだと思う。

そんなに談志の落語ってすごいのか、ちょっとCDかDVDで確認をしたくなった。


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

BARレモンハート 27巻 古谷三敏 双葉社

2012-06-12 22:44:26 | 読んだ
ぜひ、行ってみたい店ナンバー1の「BARレモンハート」である。

27巻になった。

このマンガを読んで飲んだ酒というのはない。
ここに出てくる酒は、自分で買って飲むものではないような気がしているのである。
やっぱり、マスターの薀蓄を聞きながら飲むのが最もおいしいと思うのである。

さて、27巻はPART346から358までの13編が収められている。

物語は、マスター、松ちゃん、メガネさんのレギュラー陣に、ゲスト、というのが一般的なパターン。
そして、ゲストが飲む酒がその物語のメイン。

何故、その酒なのか?というところがこの物語のおもしろいところである。

今回私が飲んでみたいと思った酒は、
part351の「サウス・ジン
物語は、松っちゃんが検診で胃炎と診断され、まあ大したことはないのだが、「ピロリ菌」がいる、ということで薬を飲もうか酒を呑もうか、と悩む。
で、検診の時にピロリ菌にはマヌカハニーという蜂蜜が効くと教えられた。そうしたら、なんとマヌカ(ニュージーランドの薬草)が入ったジンがあるという、そうなったらそれを呑んでしまえばピロリ菌に効くのではないか、となり飲んだ酒が「サウス・ジン」
呑んでみたいねえ。

次はpart356に出てきた、カリフォルニアの青空を思わせる、目にも鮮やかな青いスパークリング・ワインの「ブラン・ド・ブルー」である。
直訳すると「青の白」ということだそうだが、飲んでみたいねえ。

このレモン・ハートの物語なのだが、私的にはメガネさんがメインででてくるものが面白い。
その酒がなんであろうと、物語的には面白い。

これからもずっと続いてほしいマンガであり、なおかつこういう店が近くにあればいいなあと思うのである。

ちなみに、ぜひ行ってみたい店ナンバー2は「深夜食堂」である。

「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

女騎手 蓮見恭子 角川文庫

2012-06-10 22:20:04 | 読んだ
初めて読む作家である。

本作品は、2010年の第30回横溝正史ミステリ大賞の「優秀賞」を受賞した。

文庫の帯には

勝負に潜む罠。
緊迫と昂奮、競馬ミステリー!


とある。

私は、新聞に載った今月の角川文庫のCMを見て「競馬を描いた推理小説」ということに興味を覚えて「読もう!」と思ったのである。


主人公は、女性騎手の『紺野夏海』である。
この『夏海』の語りで物語は進む。

物語の始まりは、9月25日土曜日の第4回阪神競馬5日目、第10レース「秋月特別」3歳以上、1600万円下、芝内2000メートル、から始まる。

主人公の夏海はこのレースで★印の馬ブラックダリアに乗り、勝つ。
しかし、このレースは、スタートの時点で対抗馬と穴馬が落馬という事故があった。

落馬した騎手:岸本陽介は夏海の幼馴染で、意識不明となる。
そして、その晩、陽介の父で調教師の岸本圭司が何者かに襲われ重傷を負う。

この落馬の原因が不可解であること。そして、襲った人物は誰なのか?
ということがこの物語の事件である。

物語が進むと、岸本父子は意識を取り戻す。
しかし、落馬の原因について陽介はわからない。そして、父の圭司は犯人について語らない。

落馬の原因と重傷を負わせた人物を推理するのが、夏海、なのである。

事件の謎を解いていくことも面白いのだが、競馬界の裏側というか、騎手や調教師や厩務員の生活、更に競走馬の仕上げ方など、競馬についての話が面白い。

競馬入門、という形の物語でもあると思う。というより、推理よりもこちらのほうが面白い。(言い過ぎか)

作者には、「無名騎手」という第2作があるという。これも紺野夏海が主人公だという。
読んでみようと思う。


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

湯布院・産土神(うぶすながみ)の殺人<作家六波羅一輝の推理> 鯨統一郎 中公文庫

2012-06-08 23:15:38 | 読んだ
鯨統一郎の小説の中では「まとも」の部類に入る『作家 六波羅一輝の推理』シリーズの第5弾である。

「まとも」というのは、鯨統一郎の他の推理小説では、直感や屁理屈や的外れな推理によって解決するものが多い。
しかし、この六波羅一輝シリーズは、ちゃんとした(という言い方もなんだが)推理によって事件は解決するのである。

これまでの事件は

白骨の語り部(遠野)
ニライカナイの語り部(沖縄)
京都・陰陽師の殺人(京都)
小樽・カムイの鎮魂歌(小樽)

である。
ちなみに「白骨の語り部」「京都・陰陽師の殺人」はテレビ化されている。 

今回は題名からわかるように「湯布院」が舞台である。
であるが、宇佐八幡宮や青の洞門、羅漢寺なども重要な舞台であり、大分県北部を六波羅一輝と編集者の北村みなみが歩く。

主人公の六波羅一輝は、作家であるが、評判の良かったデビュー作以降小説を書けないでいた。北村みなみは六波羅一輝のファンであるがその後の作品が出ないでいることから、編集者になってもう一度彼に小説を書かそうとする。

そして小説の構想を練るために取材旅行に二人で行く。
そこで出会った事件が小説になっていく。
というのが、このシリーズの「幹」である。

で、今回は宇佐八幡宮・出産がテーマである。
なのに、北村みなみは湯布院温泉を取材先と強引に決定したのであった。

さて、今回発生した事件は、大分の資産家・三石建設の財産をめぐる殺人である。
アッと驚くトリックはないものの、なかなかに面白い展開である。

また、このシリーズは「民俗学」についても多く語られている。
今回は、宇佐八幡宮、五百羅漢、産土神のことから、三石建設の名のもととなった三石伝説などが書き込まれている。

ところで、この物語のなかで思わず笑ってしまった場面がある。

一輝とみなみが「青の洞門」に行ったとき、一輝が青の洞門は菊池寛の「恩讐の彼方に」のモデルになったという話をすると、みなみが、菊池寛といえば「真珠夫人」、昼ドラで横山めぐみがでていた。というところだ。

テレビシリーズは「北村みなみ」の役を横山めぐみが演じている。テレビ化の時このセリフはどうなるんだろう?
このためだけで、テレビ化をしてほしい。

もう一つテレビ化で期待できるのは女子高校生のコスプレである。(どういうことかは物語を読んでください)


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

海将伝 小説島村速雄  中村彰彦 文春文庫

2012-06-07 00:13:40 | 読んだ
島村速雄については、なんとなく知っていた。

日本海海戦に関する小説や読物などを読むと、わき役として登場しているが、それほど目立ってはいないので、印象が薄い、のである。

で、この物語を読むと島村速雄は印象が薄くなることを望んでいたようだ。

物語は、島村速雄が「大尉」のときから始まる。軍艦「高尾」の当直将校、35歳。
その時の挿話があり、そして生い立ちが語られる。

島村速雄は、土佐の郷士出身、上京し海軍兵学寮に入る。

成績優秀、沈着冷静。

明治時代、或いは昭和初期のころまでは、年若くして「大人」の人がいる。
しかもこの「大人」は現代の大人よりずっとできている。
そういう日本の風土を、こういう歴史物を読むとわかる。

『ああ、こういう人になりたい』
と思うのは「真っ直ぐで損得を考えない人」である。

島村速雄もそういう人である。

彼は、36歳にして常備艦隊の参謀となり、艦隊戦術について本格的な研究を開始するのである。

そして、日清戦争で単縦陣戦法で、東洋一の艦隊といわれた清国の艦隊を撃滅する。

その後、軍令部や巡洋艦の艦長や教育部長などを経て、日露戦争前に連合艦隊参謀長となる。

そして、あの日本海海戦へとなる。

日本海海戦当時、島村は第2艦隊第2戦隊司令官となっており、裏方の仕事についていた。しかし、日本海海戦の勝利を得る戦術、準備、支度の多くは彼の仕事による。

明治時代の優秀な人たちは、スマートである。合理的な考え方と武士道がうまく融合していたのではないかと思われる。
だから、明治時代、日清、日露と勝利したのではないか。

明治時代の日本人が近代日本の初代だとすると、その後2代目で驕り、3代目で日本をつぶしてしまった。

そして太平洋戦争後の日本人は、更にどうかなってしまったのではないだろうか。

というわけで、次は「闘将伝-小説 立見尚文-」を読んでみよう。
「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岳<ガク> 最終回 石塚真一 ビックコミックオリジナル6.20号

2012-06-05 20:14:59 | 読んだ
「岳」最終回である。
前号で、主人公島崎三歩はエベレストで驚異の救助活動をしていた。
そして、山を見て感動をしていた。

さて、三歩は生きてエベレストを降りたのか?
という興味が一番である。

しかし、今号の最終回では、その辺は明らかではない。

多分、いつでも再開できるという含みを持たせているんだと思う。

だから、この最終回では島崎三歩がかかわった人たちが描かれている。

北アルプスでは椎名久美が、小田草介を従えて、マンガで初めてみた三歩のように、遭難した人を助けている。
そして、遭難した人に、三歩のあの名ゼリフ

「良く頑張った」

を発している。
(ここ感動する部分)

そして、アメリカワイオミング州グランドティートンには、あの穂高で父親を亡くした
横井ナオタが成長して、「岳」と書いたキャップをかぶり散歩と約束をした山に来ている。(ここ感動する部分)

それにしても島崎三歩はすごかった。

こんなやついるのか?!

と思いながらずっと読んでいた。

思えば五十肩で通院していた整骨院でこの物語に出会った。
その後、TUTAYAで単行本を借り、最後はビックコミックオリジナルで読んだ。

感動の最終回に出会えたことが、最後の感動であります。

「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

支那そば館の謎 -裏京都ミステリー- 北森鴻 光文社文庫

2012-06-04 07:04:34 | 読んだ
北森鴻の小説の中でまだ読んでいなかったシリーズである。


題名からわかるように、物語の場所は「京都」である。
その京都の「裏側」つまり観光名所ではないところ、そして裏社会のようなものが舞台である。

京都に本当にある「大悲閣千光寺」が主舞台。
渡月橋から上流1キロメートルのところにある。ホームページもあるので興味のある方はのぞいてみてください。

で、この物語の主人公は、この『京都でも指折りの貧乏寺、大悲閣千光寺の寺男』である有馬次郎。

怪盗と呼ばれた過去を持ち、その特技を生かして、事件に挑む。

相棒は、京都みやこ新聞文化部の記者の折原けい。有馬次郎を「アルマジロ」と呼ぶ威勢のいい女性である。
そして、大悲閣の住職も謎ときには欠かせないメンバーである。

物語は6編。

不動明王の憂鬱
異教徒の晩餐
鮎踊る夜に
不如意の人
支那そば館の謎
居酒屋 十兵衛

である。

今まで読んだ北森鴻の作品「蓮杖那智シリーズ」「旗師・冬狐堂シリーズ」「香菜里屋シリーズ」「佐月恭壱シリーズ」と比較すると、ちょっと「軽め」である。

で、その「軽さ」にちょっとなじめなかった。だから、読み終わるまで約1か月を要した。

また、有馬と折原の行きつけの店である「居酒屋 十兵衛」をはじめとして、料理に関する部分がでてくる。

彼らが食するものはちょっと高級感のあるものみたいなものが多く、私としては想像できない。だから、食べたくなるほどの気持ちもわかない。

というわけで、感情移入がうすくなってしまった。
でも、さすがに北森作品である。
面白いのは面白い。

ただ、現状の私としてはちょいとついていけなかったなあ、という感想である。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

坂道のアポロン 1~9巻 小玉ユキ 小学館 フラワーコミックスα

2012-06-02 22:49:38 | 読んだ
ビックコミックの巻末に、このマンガについて紹介されているので、読んでみたいなあ、と思っていたのである。

でも、いわゆる女性コミックなので、購入に二の足を踏んでいた。
そうしたら娘が「読む?」といって9巻全部を渡してくれたのである。

でもすぐには読むことができず、やっと今日一気に読んだのである。

物語は、1966年(昭和41年)地方の(多分長崎)高校に転入した西見薫(男)がとりあえず主人公。
彼は優等生で転校生。

その薫が高校で出会ったのが、乱暴者の川渕千太郎とその幼馴染の迎律子。

乱暴者で不良の川渕千太郎は、なぜかジャズのドラマーでもある。
幼いころからクラシックピアノを弾いていた薫をジャズの世界に強引に誘い、ジャズを基軸として、薫や千太郎そして律子の恋、薫と千太郎の複雑な家庭環境、千太郎と律子が兄と慕う桂木淳一のことなどが絡み合って物語は進む。

設定が、特殊な状況ではあるのだが、物語のスジは王道を行くもので、このパターンはどこかで見たことがあるとか、この成り行きは不自然だぞ、なんて思いつつも、引きずり込まれていく。

1巻から8巻までの帯には
『1960年代後半の地方の町で、若者達は出会い響き合い、成長する。彼等が放つ光と影を正面から描く青春物語』
とある。

で、私はこの帯をまじめに読んでいなかったので、この物語が1960年代後半の設定であるということを、4巻くらいまで気づかなかった。非常に鈍感な読者である。

60年代後半で地方で、薫が世話になっている叔父の家はものすごいブルジョアである。
また、登場する高校生もなんとなく現代的である。

と思いつつも、あっという間に読み終えてしまった。

いやあ青春っていいですねえ。

というのが感想。


「ブログ村」というところにこのブログを登録しています。読書日記を探しているかた、下のバナーをクリックするとリンクされていますので、どうぞご覧ください。またクリックしてもらうと私の人気度が上がるということにもなります。そのへんもご考慮いただき、ひとつよろしくお願いします。
にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする