総本家駿河屋「赤鬼」
節分の時には「鬼」がつきもの。
「鬼」ってなんだろう?
昔の人は、鬼を人間の悪い心と考えていたらしい。
それを形に現わしたのは、平安時代なんです。
頭に角と巻き毛の頭髪を具え、口に牙を有し、指に鋭い爪が生え、虎の毛皮の褌を腰に纏い、表面に突起のある金棒を持った大男やね。小さかったら怖くないものね。
これは、丑(うし)の方と寅の方の間の方角(艮/うしとら)を鬼門と呼ぶことによるもので、牛の角と体、虎の牙と爪を持ち、虎の皮を身に付けているとされた。この姿は平安時代に確立したものである。
丑寅の方角を鬼門とする時、その対にあたる方角、猿(申)・雉(酉)・犬(戌)に守護の役を与え、鬼退治に向かう桃太郎もある種の意味を持つと推測できる。
桃太郎の桃の木というのは、鬼がきらうものらしい。
だから最後に桃弓で葦矢を射て追い払うのね。
私は、童話の『泣いた赤鬼』が好き。
こんな内容です。
山の中に、一人の赤鬼が住んだはりました。赤鬼は、人間たちとも仲良くしたいと考えはって、自分の家の前に、「心のやさしい鬼のうちです。どなたでもおいでください。おいしいお菓子がございます。お茶も沸かしてございます」と書いた、立て札を立てました。
そやけど、人間は疑って、誰一人遊びにきやはらへん。赤鬼は悲しみ、信用してもらえへんことをくやしがり、おしまいには腹を立てて、立て札を引き抜かはった。そこへ、おつれの青鬼が訪ねて来やはった。青鬼は、わけを聞かはって、赤鬼のために次のようなことを考えたげはったん。
きんとん、粒あん
「ぼく(青鬼)が人間の村へ出かけて大暴れをする。そこへあんた(赤鬼)が出てきて、ぼくをこらしめる。そしたら、人間たちにも、あんたがやさしい鬼だということがわからはる」と言うのでした。
「そやけど、それではあんたにすまんやないの」としぶる赤鬼。青鬼は、無理やり引っ張って、村へ出かけて行かはったん。
計画はほんまに成功して、村の人たちは、安心して赤鬼のところへ遊びにくるようになったん。毎日、毎日、村から山へ、三人、五人と連れ立って、あつかましゅう出かけて来やはった。ほんで、赤鬼には人間の友だちができたんやね。赤鬼は、とても喜ばはった。そやけど、日がたつにつれて、気になってくることがあったん。それは、あの日から訪ねて来んようになった、青鬼ハンのことなん。
ある日、赤鬼は、青鬼ハンのお家を訪ねてみやはった。青鬼のお家は、戸が閉まっていたん。フト気がつくと、戸のわきに、貼り紙がしてあったん。そして、それに、何んか、ヘタコな字で手紙が書いたった。
「赤鬼ハン、人間たちと仲良よう、楽しゅう暮らしや。もし、ワルのぼくが、このまま、あんたさんと付き合っとったら、あんたさんもワルの鬼だと思われるかもしれまへんやろ、ほんで、ぼく、旅に出ますワ、ずう~っとあんたさんのことを忘れへんしな。ホナサイナラ、体に気いつけや。ずっとずっとあんたさんの友だちやしね、おかあはんによろしゅういうといてな。青鬼」
赤鬼ハンは、だまって、それを読みました。二度も三度も読まはったん。戸に手をかけて顔を押し付け、しくしくと、なみだを流して泣かはったそうどす。 (完)
※おまけ
その後、青鬼は大阪に行って借金の取り立てとか、ボディガードとかしてはったん、それからフトしたご縁で焼肉チェーンを経営、それがえろう当たって、いまでは「金儲けの鬼」と呼ばれているらしい。赤鬼さんは、無料喫茶をしていたのはいいやけど、とうとう破産しやはって、ホームレスにならはったん。でまた青鬼さんと再会するんですが、そのくだりはまたの機会のお楽しみ。めでたしめでたし。
どこまでが絵本でどこからが創作なのか????
でも、何となく納得してしまった。
さすが、京男さん・・・・
京都語って意識すると結構むつかしい。もっと研究しないといけないですね。
楽しんでいただいてよかった。
なんか疲れて弱ってるからか、私までジーンときてしまいました(笑)
やのに・・最後は何でしょう(笑)でもまぁ現実っぽくていいんじゃないですかね。。
それだけでは、芸がないからおまけをつけてしました。
黄鬼とか桃鬼、黒鬼、銀鬼、白鬼、金鬼とか閻魔さんとか色んな登場人物が出て来る物語を書きたいな。(笑)
疲れて弱っているんですか。そういう時はプッチンプリンのビックサイズがお勧めですよ。