京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

沙羅双樹の花の色は白だった?

2010年07月06日 06時05分55秒 | 社寺


もう先月の晴れた日、妙心寺の東林院に沙羅(さら)を見に行きました。
ここでいう沙羅とは、夏椿のこと。
ここの夏椿が散った様が「無常」を象徴しているというのでしょうね。



祇園精舎の鐘の声
「諸行無常の響きあり
 沙羅双樹の花の色
 盛者必衰の理をあらわす」
『平家物語』のオープニングの文章。



祇園精舎(ぎおんしょうじゃ)は、正式名称「祇樹給孤独園 精舎(ぎじゅぎっこどくおん しょうじゃ)」現在のマヘート(マヘトあるいはマーヘートとも)の遺跡群の辺りらしい。別に行くこともないのでこれ以上調べません。



本来の仏陀が入寂の時、つまりお釈迦さんが亡くなる時に、寝床の四辺にあった沙羅双樹(さらそうじゅ)が白い花をひらき落花させて遺体を多い、樹は白く変色して枯れ果てたと伝えられています。



東林院でいう沙羅双樹は、夏椿(なつつばき)のことなんです。
いまの季節に白い花を咲かせる。
朝に咲き、夜には散ってしまう短命の白い花ということで、昔から「人生の儚(はかな)さ」を象徴している。
「人」に「夢」と書いて「儚(はかない)」とは、うまくできている。



平家一門の栄枯盛衰は、まさに「沙羅双樹の花の色」そのものだったのかも。
この場合の色は、いわゆる白ということではなく、「空」に対する「色(しき)」かもしれませんね。



「諸行無常(しょぎょうむじょう)とは、この世の現実存在はすべて、すがたも本質も常に流動変化するものであり、一瞬といえども存在は同一性を保持することができないことをいう。
いちばんわかりやすいことは、「人間はみな平等に死ぬ」というのも無常ということ。
なんか最近、人が亡くなったり、重い病気になったり、会社がうまくいかなくなったりというのを見聞きする。
これが諸行無常というんだろうな。



諸行無常なのは仕方ないこと。
だから「過去を想わず、未来を惑わされず、今日一日命を懸けて精一杯生きること」なんだろうな。



そういえば正面の大きな木にかけてある「沙羅の数珠」が気になる。
よくよく考えたら「沙羅」を「伽羅(きゃら)」と勘違いしていた。
伽羅で数珠をつくったらいいだろうな・・・と常に思っているからか。



そういえば昨日、「伽羅の線香」なら成仏できるか?
という話しを知人としていた。
あるんですよ。松栄堂でいうと「正覚」というやつね。
私なら、カレーの香りがいいな・・・。(笑)
そういえば最近カレーを食べてないし。

Twitter→@kyo_otoko
コメント (4)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 両足院の毘沙門さん | トップ | 笹の節句 »

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます (すー)
2010-07-06 08:16:42
諸行無常ですか?と改めて考えさせられました。
返信する
>すーさん、おはようございます。 (京男)
2010-07-06 08:56:41
ある一定の歳になると考えますね。
でも無常というのも悪いものじゃない。
それがあるから、誰でも輝ける瞬間があるように思います。「常」だけでは面白くない。「無常」をも楽しめないといけないかもしれませんね。まだ、楽しむまでには到らないですが。
返信する
沙羅双樹 (路渡カッパ)
2010-07-06 09:27:47
おはようごじゃいます。
沙羅の木と沙羅双樹は、ほんとは違うんですね。
先日、城南宮神苑で探したのですが、もう花は終わってたみたい・・・
カレーの香りのお香、お葬式に使えますかね?(^_^ゞ
返信する
>路渡カッパさん、こんばんは (京男)
2010-07-06 20:51:48
日本とインドでは全然違う。
そりゃそうですよね。
法金剛院の蓮の時、咲いていたように思います。
葬式の時なら死体にカレー粉をまぶしたらいいのかもよ。ニンニクやオリーブオイルとか塗るといいかも。焼いた時にいい香りがしそう。お焼香をカレー粉で・・・なんかいかが?

返信する

コメントを投稿

社寺」カテゴリの最新記事