京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

松風や~

2015年05月30日 05時11分19秒 | 社寺


「松風や 
 音羽の滝の 
 清水を 
 むすぶ心は 
 涼しかるらん 」

これは、清水寺の御詠歌(ごえいか)。
作者は松尾芭蕉、さすがに清水寺になるとメジャーな作家さんが作ったのね。



御詠歌とのファーストコンタクトは、母方のおじいちゃんのお通夜だった。
当時、葬式は自宅で行われていた。そうそう結婚式だって、嫁入り道具を町内の人にお披露目をしたり、花嫁さんが家から出て行く時代でした。
お通夜の時、見知らぬおばあさん(きっとおばさんだと思うけど、みんなおばあさんに見えた)が鈴、鉦鼓を鳴らし、短いフレーズの御詠歌をすごい長い時間唱えていた。初の正座だったので、脚は痺れ、いつまで続くのか果てしない旋律に泣きそうになっていましたね。



御詠歌ってなに?という世代もそろそろでてきているでしょう。
説明しておきます。
仏教の教えを五・七・五・七・七の和歌と成し、旋律=曲に乗せて唱えるもの。霊場巡礼の関係で発生してきたのかも。
念仏を唱えるより、一般の人にとっては五・七・五・七・七の方が親しみやすかったのでしょう。あの短調な鈴、鉦鼓の音と声には、被催眠効果絶大です。



この清水寺の御詠歌の意味は
「清浄の覚りに導く菩薩の説法に接し、慈悲の聖水で心を洗い清めることを通して、諸々の煩悩の心熱から解脱することが出来れは、心は寂滅の平安に達して清涼な心境を維持することが出来るであろう」と言う意味で解釈されています。



こういう意味を知り、音羽の滝の水を飲めば慈悲心がこんこんと湧いてくるだろうな。
そういえばガイドさんが
「滝に向かって左が学問成就の水、真ん中が恋愛成就の水、右が延命長寿の水。どれかひとつだけ選んで、一口だけお飲みください。いくつも選ぶと、どの願い事も叶わなくなってしまいます。また、二口、三口飲むと、ご利益が二分の一、三分の一となってしまうそうですからご注意ください。ただ四口以上飲むと熱中症対策になります。その場合は、食塩を入れてください」
なんていうたはりました。(熱中症の件は京男創作)
これは、お寺がいうたはるんあじゃいですよ。
水源は一つだから観音さんの「所願成就」だけです。
どんな願いも叶います。
「学問成就」でも「恋愛成就」でも「延命長寿」でも、要素てきに含んでいる筈。観音さんは、広い心だと思います。
でも並んだまで飲むのは、いややなぁ・・・。


↑「このどろがめ!」ぼやき漫才なんてほとんどの人はわからないだろうなぁ・・・。

和菓子
中村 肇
河出書房新社

↑これから暫くの間、京男の和菓子本のお知らせをさせてもらいます。説明は1月27日の記事をご覧ください。(色のかわっている部分をクリックすると表示されます)

Twitter→@kyo_otoko
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4 コメント

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おはようございます (すー)
2015-05-30 06:54:03
私も中学の修学旅行で並んで飲みました。(^_^)ニコニコ
も50年にもなるのか・・・その時と同じ景色ですね。
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>すーさん、おはようございます (京男)
2015-05-30 08:48:09
その頃は、まだ京都も人が少なかったかもね。外人なんかも殆どいなかっただろうな。
すーさん、効果があってよかったですね。いい奥様と家族に恵まれたじゃないですか。観音さんに感謝ですね。
返信する
ご詠歌 (路渡カッパ)
2015-05-30 11:39:11
仏事に唄い出す人、居ますねぃ。
みんなで合唱てなことも・・・
清水寺のご詠歌、作者は松尾芭蕉だったのですか、知らなかった。
御朱印帳には作者まで書いてなかったもので・・・
返信する
>路渡カッパさん、こんにちは (京男)
2015-05-30 17:41:55
お経はいまだについていけません。
意味は結構理解しているのですがけど。
松尾さんとはびっくりでしょ。
そうか朱印を集めておられましたよね。
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