京男雑記帳

洛中で生まれ育った京男が地元視点で見た日常風景や話を雑記的に掲載

法金剛院の蓮の葉

2007年07月27日 06時02分30秒 | 社寺


この日は、あいにくの雨模様。
雨の止み間に法金剛院にいきました。
三室戸寺の蓮は撮ったけど、あの日はカンカン照りが続いて葉っぱがもうひとつ元気がなかった。そこで後日、法金剛院に行ってみようということになりました。
雨の止み間なので、葉っぱはきれいかな。蓮はだめかも。



このお寺は、律宗のお寺、山号は「五位山」。
創建は、大治5年(1130)。
『西行花伝』(辻邦生著)の中で、北面の武士佐藤義清であった西行が、この法金剛院の枝垂れの下に佇む絶世の美女、待賢門院さんに会うシーンが印象的。
この法金剛院は、待賢門院さんが荒れていた天安寺を再興しやはったのがはじまり。
待賢門院さんは、藤原氏の出身で、鳥羽天皇中宮であり、崇徳天皇、後白河天皇のお母さんなんです。





蓮の葉っていいですね。
蓮の花とか葉はとても仏教的。
「たとえば蓮の葉の上の水滴、或いは蓮華の上の水が汚されないように、それと同じく聖者は見えたり、学んだり、思索したどんなことについても汚されることがない」



「修行完成者は諸々の偏見を離れて世間を遍歴するのであるから、それらを固執して論争してはならない。たとえば睡蓮や棘のある蓮が水にも泥にも汚されないように、その聖者は平安を説く者であって貪ることなく、欲望にも汚されることがない」



と、水が蓮の葉につかいないように、貧欲に染着しないことを説いていますね。
仏教と蓮は縁がとても深いね。





蓮の葉(はすのは)は、戦国時代に比叡山の破戒僧によって作られた造語(隠語)で、遊女を指すらしい。「はすっぱ」という言葉はもう死語かな。テレビに出て来る女性タレントに共通している言葉かも。だから『女性の品格』なんて本がベストセラーになるのかな。
本来は、女性に対して表現する言葉ですが、男性でもいいかも。「はすっぱ野郎」とか。
「蓮の花」は、高級遊女。
「蓮の蕾」は、はじめて客を相手にする遊女らしい。

「蓮葉」というのは軽薄や軽率という意味でも使われています。これは、「蓮葉商ひ」や「蓮の葉商ひ」からも来ているそうです。
「蓮葉商ひ」とは、盆の供物を盛るための蓮の葉を売る商売のことで、蓮の葉はその間しか用いられないため、短期にしか役に立たない粗製のものを売るという意味でも使われるようになった。
それが転じて、「軽はずみ」「浮ついた」などの意味で「蓮葉」が用いられるようになったとされる。いまの国際競争という美名や目先の金儲けのあまり、欠陥品を作り自主回収をしているメーカーは「蓮葉商ひ」ということになるのかな。

日本語は難しい。そして面白い。


法金剛院地図
↓一瞬すごい雨でした。でも蓮の葉は完全防水ね。
動画はこちらへ
コメント (4)
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