万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ワクチン人口削減説の根拠とは?-デジタル全体主義との関連性

2021年05月10日 12時52分27秒 | 国際政治

 日本国内では、高齢者を対象としたワクチン接種が始まり、予約の殺到により地方自治体の回線が不通となったとの報道が相次いでいます。横浜市では、対象が34万人のところ一分間に凡そ200万回のアクセスがあったため、予約請負業者による’ロボット’の使用が指摘されており、高齢者の方々が、先を競うように接種を求めているのか、本当のところははっきりとしません。年齢が高いほど接種希望率が高まる傾向にあるものの、世論調査などによれば、接種希望者は半数を下回るからです。

 

 日本国にあってワクチン接種忌避者が多数を占める理由としては、まずは遺伝子ワクチン(核酸ワクチン)に対する根強い不信感があります。遺伝子工学に基づく最先端技術を初めて実用化にもかかわらず、緊急性が優先され、正規の治験段階をスキップしています。短期的な副反応のみならず、様々な中長期的なリスクも指摘されていますので、不信感の払拭は絶望的です。ワクチン接種派の人々は、ワクチン忌避派に対して、「懸念するリスクに対する’科学的な報告を調べよ(ファイザー社やイスラエル等の報告書?)’」と要求していますが、医科学的な情報を集めれば集める程にリスク指摘に根拠があることが分かり、逆に不安が募るばかりです。

 

 かくして、ワクチンに対する不信感は消えそうにないのですが、安全性に対する懸念に加え、水面下で囁かれているのが人口削減説です。人口削減説とは、同ワクチンは、体内にあって致死的な有害性をもたらすよう設計されており、その目的は、人類の人口削減にあるというものです。ネット上では、ビル・ゲイツ氏が同計画について堂々と述べている動画が拡散されており、メディア等では陰謀論として扱われながらも、頭から否定できない側面があります。同氏は、製薬会社への巨額投資を含めてワクチン事業を積極的に展開しており(慈善事業ではなく、’偽善事業’では…)、日本国政府からも、コロナ禍に先立って叙勲されています(この時期での同氏の叙勲はあまりにも不自然…)。ワクチンをめぐっては、不可思議な動きが世界大で観察されましたので、人口削減説もまた、ワクチン忌避の要因の一つなのです。

 

 もっとも、人口削減説が事実であるとすれば、何らかの動機があるはずです。本日は、この動機を推理してみたいと思います。あくまでも推理ですので、事実を述べているわけでも、フェイクニューズを発信しているわけでもありません。間違っているかもしれませんので、予め、お詫びを申し上げておきたいと思います。本ブログでの推理は、グローバリスト集団である超国家組織体が人類の完全デジタル管理のための適性人口数を計算したところ、現在の人口では過剰であることが判明したからではないか、というものです。

 

食料生産力からしますと、遺伝子組み換え技術を含めたバイオテクノロジーの発展により、地球は、100億人程度の人口は維持することができましょう。食料面からしますと、人口削減説は説得力に乏しいのですが、エネルギーや資源、そして、その主たる利用目的としてのデジタル化を考えますと、同システムが100億人の人口に対応できるとは思えません。個々人の生体管理まで完璧に実現するデジタル化には、膨大な電力を要するからです。

 

100億人に対して脳波から指先の末端に至る身体の動きまで、ありとあらゆる生体情報をデータとして収集し、加えて個々人の経済・社会活動からプライベートに至るまでの言動の情報を全て解析し、個人識別と結びつけて徹底管理するとなりますと、大量のAI、あるいは、スーパーコンピューターを動員するしかありません。そして、全世界を画一的なスマートシティ化するのが理想であれば、人口100億人では多すぎるのです。超国家権力体にとりましては、AIやロボット技術が完成すれば、その他の人類の労働はこれらで代替できます。自らが’進化した人類’として君臨する一方で(火星が支配層の居住地に?)、その他の人類は、家畜の状態に貶めてデジタルで徹底管理すればよいと考えているのかもしれないのです。いわば、『1984年』の世界をバージョン・アップしたデジタル全体主義こそ、彼らの理想郷なのでしょう。

 

 先日、ビル・ゲイツ氏は、ビットコインのマイニングに要する電力は無駄であると発言していましたが、その背景には、人類のデジタル管理体制の実現を優先したい同氏、あるいは、超国家権力体の思惑が隠されていたのかもしれません。この推理が杞憂であることを長い筒、世界レベルで観察される不合理で不自然な動き、あるいは、得体の知れない狂気は、隠された意図、あるいは、計画があると想定しなければ、説明が付かないのではないかと思うのです。


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EUが予感させるRCEPの’中国の一人勝ち’

2021年05月07日 13時00分53秒 | 国際政治

戦後長らく、自由貿易主義は、誰も疑ってはならない一種の’ドグマ’として人類に君臨してきたように思えます。1980年代以降、自由貿易主義はグローバリズムの名の下でさらに豪奢に衣を纏い、全世界を覆いつくそうとしてきたのですが、理想と現実との間のギャップは、今日、世界各地にあって解決困難な問題を引き起こしています。今や、グローバリズムは大きな曲がり角を迎えているとも言えるのですが、日本国を含むアジア・太平洋諸国は、RCEPという新たな自由貿易圏の形成に踏み出そうとしています。果たして、RCEPには、どのような未来が待ち受けているのでしょうか。

 

 RCEPの未来を占う上で大いに参考となるのは、ヨーロッパ諸国が結成したEUです。現在のEUに至る過程を観察しますと、そこには、政治的目的と経済的目的との混在を見出すことができます。起源と言えるECSC(欧州石炭鉄鋼共同体)の設立には、政治的には戦後の独仏和解の象徴であると共に、経済的には、ドイツの経済力の封じ込めをも意味していました(ドイツは、世界有数の石炭や鉄鋼石の産地であった…)。初期にあっては、対独政策という政治的意味合いが強かったのですが、EECそしてECへと発展するにつれ、目的の重心は経済へと傾いてゆきます。グローバリズムが本格化する80年代以降にあっては、EUは、激しさを増すグローバル競争時代に勝ち残り得る規模を備えるために、主たる目的は欧州市場の統合に向けられ、冷戦崩壊後には、旧社会・共産主義国をも包摂する巨大な単一市場が誕生するのです。

 

 それでは、EUでは、全ての加盟国に対して同等のチャンスを与えられ、互恵的な経済関係が成立しているのでしょうか。規模の追求が設立目的であったのですから、EU市場を見ますと、当然に、規模に優る加盟国、並びに、企業が生き残るということになります。EU加盟国間の規模を比較しますと、人口、並びに、経済力の両面においてドイツがトップの座にあります。もっとも、元よりヨーロッパとは、勢力均衡論を生み出した地域なだけあって、歴史的にはドイツ、フランス、イギリス、スペインなどの同程度の大国が並列すると共に、中小規模の諸国がひしめき合う地域なのですが、それでも、規模に優るドイツは、欧州市場において有利なポジションを獲得し、今では、’ドイツ一人勝ち’とも評されています。’規模の経済’はドイツに微笑み、欧州市場にあってシェアを伸ばしたドイツ系大企業の多くはグローバル企業に成長したのです。

 

その一方で、ヨーロッパの中小国は、リーマンショック後にギリシャをはじめとした南欧諸国がソブリン危機に陥ったように、低迷を続けています。中小諸国の中から、将来、急激な経済成長を遂げてドイツの地位を脅かすような国が現れるとは、誰も考えてはいないことでしょう。現状を見る限り、ドイツ一強体制は、むしろ固定化されてしまった観があります。企業レベルを見ても、グローバル市場で生き残ったのは、フィンランドのノキアやスウェーデンのイケアのようにごく一部の企業です。ノキアに至っては、フランス企業に対して積極的に買収攻勢をかけており、’ノキアのフランス化’、すなわち、乗っ取り作戦で事業基盤を拡大させているのです。

 

規模の経済が強力に作用したEUの事例は、RCEPの将来を予感させています。自由貿易圏、あるいは、広域経済圏にあって’規模がモノを言うとしますと、’RCEPにおいて予測されるのは、’中国の一人勝ち’です。しかも、RCEPにおける加盟国間の規模の格差は、EUに見られるドイツと他の加盟国との差とは比較にならないほど著しく、中国は、他の諸国を圧勝し得る立場にあります。企業規模においても、中国企業の多くは政府系を含め、グローバル企業ランキングのトップ10に名を連ねていますので、他の諸国の企業は、日本企業を含め、到底、太刀打ちできそうもないのです。なお、グローバル時代のドイツ企業の躍進は、生産拠点の多くを中国に移したことにおいて実現していますので、EU加盟に伴うドイツ企業の進出を梃に自国の経済発展を期待していた中東欧の中小諸国は、肩透かしを食らってしまったことにもなったのです。

 

それでは、日本企業は、’ノキア戦略’を真似て’中国化’すべきなのでしょうか。仮に、この戦略を取ったとしましても、中国政府が海外企業による自国市場の’乗っ取り’を易々とを許すはずもありません。様々な難癖をつけて妨害してくることでしょうし、逆に、潤沢な資金を有する中国企業が、日本企業を買い漁ることでしょう。つまり、最もあり得そうな展開は、日本企業が中国にあって’中国化’するのではなく、日本企業が日本国にあって’中国化’するのです。

 

自由貿易圏、並びに、広域経済圏にあっては、‘規模’こそが競争力の最大の源泉となります(先発国の高い技術力も、後発国が資金力の規模において優れば追い抜かれてしまう…)。日本国は、十分な議論に付すこともなくRCEPの批准手続きを完了させてしまいましたが、まずは、規模を基準として自国、並びに、自国企業の将来的な競争力を判断すべきではあったように思えます。RCEPには、先日の記事で指摘しましたように不平等条約という問題もあり、また、価値観を共有せず、覇権主義的な軍事大国にして人権弾圧国家という中国の国柄を考慮しましても(EUは、ソ連邦崩壊後であっても決してロシアを招き入れようとはしない…)、日本国は、RCEPからの早期脱退を目指すべきではないかと思うのです。


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’ワクチン漬け’の現実味

2021年05月06日 12時03分29秒 | 日本政治

 今日、日本国は、内外からのワクチン接種圧力に晒されています。他の諸国と比較して、日本国は、感染率、重症化率、並びに死亡率とも桁違いに低いレベルにありますので(感染率は僅か0.4%…)、緊急性には乏しいにもかかわらず、日本国政府は、’一億総接種’に向けて邁進しているように見えます。本日も、河野太郎行政改革担当相が、1日1万人接種は自衛隊の検討次第と述べたと報じられています。

 

 政府としては、短期間の間に、集団免疫の達成に必要とされる人口の5割から6割程度の接種を済ませたいのでしょう。それでは、何故、政府が’短期決戦’を選択したのかと申しますと、オリンピック開催への前提条件とする説が有力ではあるものの、おそらく、ワクチンの抗体の持続期間が短いと予測されているからなのでしょう。

 

自然感染した人々の抗体の残存期間を調査したところ、何れの人も6か月後頃からは抗体数は激減していくそうです(早期の減少例も…)。ファイザー製であれ、モデルナ製であれ、mRNAワクチンは、中国が公表した新型コロナウイルスの遺伝子情報を基にスパイク蛋白質の部分のみの配列を再現した人工mRNAを用いたとされますので(因みに、新型コロナウイルス不在説は、ワクチン開発が中国発の遺伝子情報のみに基づくことを根拠としている…)、理論上は、抗体の持続期間は自然感染による抗体と一致するはずです。となりますと、当然に、即時的な副反応や未知のリスクを負ってワクチンを接種したとしても、その効果は、凡そ半年しか持続しないと予測されます。もっとも、先日、ファイザー社は、同社製ワクチンの6か月後における感染に対する有効性は91.3%あると発表していますが、自然感染を上回る持続性があるとすれば、その理由の方が不思議です(細胞免疫の一般的な強化であれば、BCGといった他のワクチンでも構わないのでは…)。何れにしましても、生涯にわたってワクチンの効果が続くわけではありませんので、集団免疫を達成するためには、短期間の間に人口の6割程度の接種を完了しなければならなくなるのです。

 

しかしながら、仮に、効果の持続性を自然感染のケースに合わせて半年としますと、この期間の間に人口の凡そ半分に当たる6000万人の接種でさえそれを終えるのは困難となりましょう。一日一万人が接種を受けたとしても、凡そ6000日、即ち、16年もかかってしまう計算となります(ファイザー製やモデルナ製は二度接種が必要なので、この二倍に…)。半年、即ち、180日程度でこの人数の接種を終えようとするならば、一日約33万人への投与を要します。この数字は、絶対に不可能とは言えないまでも、日本国では、ワクチン忌避者や様子見の人々の割合が高い点を考慮しましても非現実的です。

 

ファイザー社も、二回セットの接種でコロナ禍に幕が下りるとは考えていないようです。仮に、ワクチン接種でコロナ禍が収束すると見なしているならば、同社は、ワクチンの増産体制を維持する必要もなければ、新たな治療薬の開発に乗り出すはずもありません。そして、インド株をはじめ、世界各地で変異株が出現している今日、モデルナ社は、早くも今年の秋までには追加的なブースターショットとしてのワクチンを提供する方針を発表しています。つまり、既にワクチンを接種した人にも、秋頃には3度目のワクチンが待っているのです。ファイザー社も、同社を追う動きを見せていますが、変異株とワクチン接種との’いたちごっこ’は続き、人類は、定期的な基礎ワクチン接種に加え、変異用ワクチンをも不定期に打たねばならなくなります。即ち、’ワクチン漬け’にされそうなのです。

 

ワクチンそのものにも未知のリスクが懸念されていますが、度重なるワクチンの接種が人体に与えるマイナス影響も未知の世界の領域です。ワクチンリスクも増幅され、免疫暴走や自己免疫疾患、さらには、癌といった様々な疾病をもたらすかもしれませんし、脂質ナノ粒子の利用は、肝機能障害のみならず、mRNAによる異常蛋白の生成により脳機能障害等をも引き起こすかもしれません。ファイザー社のワクチンでは、二度目の接種時に際しての副反応の方が酷いとの報告がありますが、3度目4度目となりますと、副反応はさらに激化してゆくのでしょうか。あるいは、変異体であれ、本物のウイルスに感染した場合、抗体依存性免疫増強が起きるなど、予期せぬ免疫反応に直面するかもしれません。そして、ワクチンによる度重なる攪乱作用により、人体の免疫システム自体を壊してしまう可能性も否定はできないのです。

 

ワクチン接種に自衛隊の活用を検討しているとしますと、日本国政府は、’一億総接種’を一回きりのプロジェクトと想定しているのでしょう。また、’一回2度の接種をすればもう大丈夫’と信じている国民も少なくありません。しかしながら、ワクチン・メーカーの見解に従えば、ワクチンの接種は、年間を通して行われる永続的な事業とならざるを得ません。人々は、半年、あるいは、一年に一度、ワクチンの接種を受け、変異株が出現する度に、新たなブースターショットも打たなければならないのですから。この事業、果たして、現実的であり、かつ、持続可能なのでしょうか。今後とも、自衛隊が同業務を担うならば、相当数の衛生科の隊員をワクチン接種に割かなければならなくなります。

 

人体に対するリスクが高く、かつ、非現実的であるならば、最初から行わない方が賢明というものかもしれません。日本国の感染率はわずか0.4%なのですから、ワクチン効果を減滅させるとされるインド株をはじめとした変異株の出現を考慮しても、あらゆるコロナウイルスに普遍的に効果を発揮する治療薬の開発・承認・普及にこそ努めるべきではないかと思うのです。


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RCEPは不平等条約では?

2021年05月05日 12時42分25秒 | 国際政治

非公開、即ち、秘密裡での交渉を経て、国会での然したる議論もなく、国民から隠れるかのように批准手続きが進んでしまったRCEP協定。メディアでは、年内にも発効の見通しと報じられていますが、米中対立の最中にあっての対中接近を危惧する声が聞かれます。そして、その内容を見ましても、中国にアドバンテージを与える不平等条約を疑うのです。

 

 政府をはじめメディアも、中国並びに韓国に対して無関税品目の大幅拡大を勝ち取ったかのように報じています。数字だけを見れば、中国の市場開放率は8%から86%へと飛躍的に上昇し、韓国にあっても19%から92%に大幅に拡大されています。日本国政府としては、国民に’勝利’を印象付けようとしているようなのですが、このイメージ戦略、かの大本営発表に近い危うさが漂っております。何故ならば、協定の内容をみますと、疑問に満ちているからです。

 

 先ずもって怪しいのは、関税率の日中比較が示されていない点です。例えば、自動車部品分野にあって、日本国政府は、中国から87%の品目における関税撤廃を勝ち取ったとアピールしています。対象となるのは、電気自動車用の重要部品では、モーター、リチウムイオン蓄電池の電極・素材等であり、ガソリン車用の重要部品では、エンジン部品、カムシャフト、エンジン用ポンプ等などなそうです。同関税撤廃に対しては、日本国の自動車部品業界からは早歓迎の声が上がっており(もっとも、即時撤廃はエンジンポンプの一部のみ…)、対中輸出の拡大が期待されているのですが、それでは、日本国政府は、これらの対象品目にあってどれ程の関税をかけているのでしょうか。

 

 日本国は、おそらく工業製品についてはWTOベースでの関税率を無差別に中国に対しても適用していることでしょうから、無税、あるいは、極めて低率の関税をかけていると考えられます。実際に、日本国は、輸入電池についてはリチウム電池でも無税です(因みに、2013年のデータですが、中国のリチウム電池に対する輸入関税率は12%…)。RCEPにあって、中国は、現在6%の関税率にある電気自動車用リチウムイオン蓄電池の電極・素材の一部について、16年をかけての関税撤廃に合意しましたが、このことは、むしろ、16年という期間であれ、中国に対して特恵的な関税率を認めたことになりかねません。そして、16年もの年月があれば、中国企業は、各種自動車部品についても内製化を達成し、日本国に対しても輸出攻勢をかけてくることでしょう。あるいは、この頃には、日本国内では、既に自動車の生産拠点は消えているのかもしれません…。

 

 一事が万事であり、自動車部品の他にも、家庭用冷蔵庫、エアコン、洗濯機、オーブン・電子レンジなどの家電製品を見ますと、むしろ、中国がこれまで10~15%の関税をかけてきたことに驚かされます。これらの製品も、全部、あるいは、部分的に11年目に関税が撤廃されるそうですが、日本のメーカーが次々と中国企業に買収され、安価な中国製家電が日本市場でシェアを広げてきた現状を見ますと、ここでも、中国は、11年間のアドバンテージを獲得したことになりましょう。

 

 RCEPは、アジアにあって中国をメンバーとする広域的な自由貿易圏とするイメージが植え付けられてきましたが、その実態は、中国が有利となる不平等条約であるのかもしれません。しかも、中国は、RCEPを利用して、極めて巧妙に電気自動車などの先端分野にあって自国の産業を保護・育成しようとしているようにも思えるのです。合意された関税撤廃が実現する16年後には、不利な競争条件に置かれた日本国の産業は衰退する一方で、有利なポジションを得た中国は、中華経済圏の足場固めを済ませているかもしれません。このように考えますと、日本国は、対中関係の見直しを急ぐオーストラリアと共に、RCEPからの離脱も検討すべきではないかと思うのです。


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ワクチン・パスポートは接種者をも不自由にする

2021年05月04日 12時36分10秒 | その他

 新型コロナウイルス・ワクチンに対する人々の根強い不信感は、1年足らずという極めて短い開発期間や新技術に対する不安感のみに起因しているわけではありません。医科学的な理由と並んで双璧を成すのが、ワクチン・パスポートシステムの導入です。後者は政治的な理由であり、コロナ禍への対応を口実としたデジタル技術による徹底した国民監視システムの導入が問題視されているのです。

 

 ワクチン・パスポートとは、政府が、ワクチンの接種状況を一元的に管理するために、全国レベルのシステムを構築するというものです。この制度では、ワクチンの住民接種の実施主体である地方自治体がワクチン接種者のデータを入力し、その情報は、政府のデータベースで管理されます。誰が、何処で、何回目の接種を行い、副反応が生じたか否かなど、全ての接種情報がデータとして記録されるのです。マイナンバーとも紐づけるとされますと、ワクチン情報は、国民の重要な個人情報の一部となりしょう。そして、グローバルレベルで同制度が導入されますと、出入国管理に際しての基礎データとなります。

 

ワクチン・パスポート、あるいは、証明書を保持してさえいれば、国内であれ、国外であれ、人々は、一先ずは、自らが行きたい場所を訪れることができます。どこにでも行けるようになるのですから、ワクチン接種者の人々は、この制度を歓迎することでしょう。あるいは、ワクチンを接種した最大のメリットは、コロナの感染や重症化の防止よりも、移動が自由になることに求めるかもしれません。政府も、人々をワクチン接種に向かわせる誘引として、ワクチン・パスポートを大いに宣伝することでしょう。しかしながら、同制度、本当にワクチン接種者を自由にするのでしょうか。

 

国内においても、様々な官民施設の使用に際して接種証明の提示が義務付けられるとしますと、ワクチン・パスポートや証明書は、かつての’通行手形’のような働きをすることとなります。かつて日本国の江戸時代では、藩などが発行した通行手形を持たない者は関所や口留番所を越えることはできませんでした。そして、各藩も、通行手形を以って人の移動をチェックしていたのです。今日でも、ワクチン・パスポートシステムが導入されれば、同様の移動チェックが行われることとなりましょう。例えば、入店時にはワクチン・パスポートでデジタルチェックを受けなければなりませんし、公共交通機関を利用するに際しても、改札口や乗車口では、厳しいワクチン・パスポートのチェックが待っています。そして、これら個々人の移動記録は、全て政府のデータベースに送られるのです。

 

このような未来を予測しますと、ワクチン・パスポートは、ワクチンを接種した人々をかつての自由な状況に戻すことにはならないように思えます。内外での移動の度にパスポート、あるいは、証明書の提出が求められるのですから、個人の移動記録が政府によって完全に掌握される徹底管理下に置かれることとなりましょう。ワクチン・パスポートシステムによって、個々の、誰が、いつ、誰と、何処へ行ったのか、という情報が全て収集されてしまうのです。

 

今日、ワクチン・パスポートへの批判は、およそ’ワクチン差別’の問題に集まっています。ワクチンを接種していない人々は、デジタル化された経済、並びに、社会システムから排除されてしまう恐れがあるからです。しかしながら、上述したように、ワクチン・パスポートシステムには個人の移動情報の収集システムを必然的に伴う点を考慮しますと、同制度は、ワクチンの接種者にとりましても、非接種者にとりましても、望ましいものとは思えなくなります。ワクチン・パスポートには、変異株の出現やワクチン効果の消滅、そして、個人による効果の違いなど、感染防止システムとしての有効性についても疑問があるのですから、同システムの導入がもたらす国民監視体制については、多くの人々が警戒して然るべきではないかと思うのです。


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コロナ感染よりワクチンが怖い理由

2021年05月03日 12時03分44秒 | 国際政治

 新型コロナウイルスワクチンに対して、国民の多くは根強い不信感を抱いています。政府やメディアをはじめワクチン推進派の人々は、ワクチンを忌避する人々を’情弱な人’、’フェイクニュースに騙されやすい人’、’非科学的な人’、’自分だけリスクを避けたがる身勝手な人’など、様々なレッテルを貼って批判しています。ワクチン接種推進の政治的目的は、集団免疫の獲得によるコロナ禍の終息なのですから(あるいは、人口削減、ワクチン利権、人類の家畜化?…)、政府にしてみますと、できる限り多くの国民にワクチンを接種させたいのでしょう。

 

それでは、ワクチン忌避派は、ワクチン推進派が嘲笑するほど愚かで自己中心的な人々なのでしょうか(私もその一人!)。しかしながら、そうではないように思えます。少なくとも、医科学的な見地からしましても、ワクチンの中長期的なマイナス影響は誰も知りようがなく、同ワクチン、とりわけ、遺伝子ワクチン(核酸ワクチン)が治験段階にあることは否定のしようもありません。そしてもう一つ、即時的、あるいは、短期的なマイナス影響についても、重大な懸念があるように思えます。

 

アナフィラキシーなどの副反応については、従来のワクチンにも見られるのですが、遺伝子ワクチンには、それ固有の即時的なリスクがあります。アストラゼネカ社やJ&J社のワクチンで判明した血栓症の問題が良く知られていますが、もう一つ、脳に対する作用が指摘されています。それは、mRNAワクチンを接種すると、mRNAが脳関門を通り抜けて脳内に侵入し、認知症や狂牛病に類似した脳疾患を引き起こす、というものです。この説も、ワクチン推進派の人々にとりましては、善良な人々を惑わす’とんでも説’なのでしょう。

 

しかしながら、少しばかり調べてみますと、同リスク指摘はあながち否定はできないように思えます。何故ならば、mRNAワクチンには、ポリエチレングリコールと呼ばれる脂質ナノ粒子が使用されているからです。mRNAは自然状態ですと極めて脆弱なため、高度なナノ技術を用いた脂質ナノ粒子にくるんで体内に届ける必要があります。ところが、このナノカプセル、血液脳関門通過テクノロジーとしても開発されてきているというのです(認知症等の治療薬の脳内への運搬手段としも研究が進んでいる…)。脳関門は、通常、細菌、ウイルス、ペプチド分子などを遮断して脳を保護しています。ファイザー社の説明では、ナノカプセルに包まれた人工のmRNAは、特定の受容体を介するでもなく細胞の表面に付着すると細胞内に溶け込むように侵入しますので、これと同様な現象は、脳の神経細胞にあってもあり得ることとなりましょう。つまり、新型コロナウイルスのスパイク蛋白の塩基配列を再現したmRNAが脳細胞に入り込み、細胞内で翻訳されて異質な蛋白質を産生してしまうと推測されるのです。

 

さらに悲観的とならざるを得ないのは、脳では、免疫システムが殆ど働かず(もっとも、2015年に脳と免疫システムを結ぶ導管が発見されている…)、かつ、有毒物の排除システムも脆弱なことです。このため、アミロイドベータが蓄積してアルツハイマー型認知症になったり、異常プリオンの発生によって狂牛病を発症するのですが、仮に、ワクチンによって体内に大量に投与されたⅿRNAが脳内で新型コロナウイルスの蛋白質を作り出した場合、それは、脳内に永続的に留まることになりましょう。そして、中和抗体の短期消滅により、同ワクチンを半年や一年といった頻度で打ち続けるとしますと、アミロイドベータならぬ、ワクチン由来の異常蛋白質が脳内に蓄積され、若年層を含め、何らかの脳障害を引き起こす可能性も否定はできなくなります。

 

以上の推測から、脳へのダメージだけを取り上げても、ワクチン接種が新型コロナウイルスへの感染よりもリスクが高くなる可能性が示唆されます。ウイルスの場合には、スパイク部分がACE2受容体に結合することで細胞内に侵入しますので、ACE2受容体が多く発現している肺、心臓、腎臓などに感染するのですが、ワクチンの場合には、脳を含む全細胞にmRNAを乗せたナノカプセルが侵入する可能性があるからです。言い換えますと、ワクチン接種とコロナ感染のリスクを比較した場合、必ずしも、後者のリスクが前者を上回るとは言い切れなくなりましょう。

 

本記事の推測が正しいのかどうか、知識も乏しく、専門家でもない筆者では判断ができません。間違っているかもしれないのですが、限れた知識や情報を合理的に考え合わせますと、どうしてもこの結論に至ってしまうのです。皆様方は、どのようにお考えでしょうか。


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