万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

ウクライナ問題が炙り出す”政治移民”の脅威

2014年04月18日 11時06分40秒 | 国際政治
ロシア男性の入国制限=東部「テロ対策」―ウクライナ(時事通信) - goo ニュース
 日本国内では、内閣府が年間20万人移民政策案を打ち出すなど、移民のリスクをゼロとする発想が政府内にも見られます。その一方で、ウクライナでは、東部での親ロ派の武力闘争に音を上げて、遂にロシア男性の入国を制限する措置に踏み切ると報じられています。

 移民推進派の人々は、少子高齢化による人口減は、外部からの移民で補えばよいとする単純な発想なのでしょうが、ウクライナで起きている事態は、この発想が如何に甘いかを、如実に表しています。ウクライナ東部は、ロシア系住民が多数居住しており、ウクライナ系とロシア系との混住地帯です。このため、ロシア系住民は、心情的にも当然にロシア寄りであり、かつ、大国ロシアからの支援があるとすれば、簡単にロシアに靡いてしまいます。この状況は、内閣府の提案通り、日本人が少数派となるほどに大量の移民を受け入れるとすれば、現在のウクライナの状況が、将来において日本国を舞台に再現されることを意味しています。国籍の有無に拘わらず、民族的な絆が優先されるわけですから、数において拮抗する日本系住民と中国・朝鮮半島系住民との間で紛争が発生し、後者が軍事大国の中国や韓国・北朝鮮に支援を求めるとしますと、国家分裂の危機に陥りかねません。この展開を予測しながら移民拡大政策を推進しているとしますと、内閣府は、”売国奴”の集まりである疑いが濃厚となります。兎角に移民と言えば、職を求めて入国してくる”経済移民”が頭に浮かびがちですが、時には”経済移民”を偽装しつつ、送り出し国の”先兵”として入国してい来る”政治移民”も存在しています。特に人口大国であり、アジアの覇権国を目指す中国は、ロシア以上に移民を他国支配の道具として利用する動機があるのです。

 ウクライナの暫定政権は、リベラルな勢力を中心として発足したとされていますが、移民に寛容なリベラルな政権でさえ、国家の安全保障上、出入国管理を厳格化せざるを得なくなりました。移民=安全論は、もはや破綻していると思うのです。

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2 コメント

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Unknown (ねむ太)
2014-04-18 19:58:51
こんばんは。ウクライナ問題の解決法としてはロシア連邦に組み込むか、東西に分割するしかないようです。
ウクライナのクーデターを支援したのはCIAである事がわかっておりますし、現在の対立もCIAを始めとする諜報機関とロシアの諜報機関の争いであり、このままですと内乱状態に発展する事が予想されます。
移民政策など、地理的条件や歴史・文化の土壌が違ったところで民族気質は育まれていますので、移民、同化政策で一朝一夕にどうなるものでもなく、歴史や文化による相違が対立を生み深刻な民族の対立に発展する事は明白です。
欧州で問題になっているのがイスラム系の移民問題で、
イスラム系の民族は政治に食い込み、コーランの法体系にせよと要求しています。
コーランのようにマホメットの時代の法律に先進国は変えられるのでしょうか。
同じ時間軸の中でも先進国は時間の流れが早く、情勢に対応できる柔軟さが要求されます。
砂漠の民であるイスラム民族は基本がコーランにあるため欧米の民主主義はかえって混乱をもたらすだけなのです。
我が国も移民政策を推進しようとする動きがありますが
特に強く主張しているのは元法務省で入管を担当していた坂中という官僚です。
詭弁を弄してまで移民政策を言い募るのか、財界の賃上げをしたくないという思惑があります。
人件費を安く押さえ株主に多額の配当をもたらす事でCEOや経営者としての億単位の収入を守りたいとの私利私欲に基づくものです。
また、国民の側にも夢見る夢子ちゃんが多すぎます。
幼い日々の憧憬を持ち続けるなとは言いませんが、厳しい現実も知らなければなりません。
現実に目を向ける事こそ大人になるということです。
いつまでも誰かに守られ、幼い日々の憧憬だけを抱いて暮らして行けるほど現実は甘くない事に気がつくべきなのです。
昔は漫画やアニメなどは児童の見るものとされ、児童漫画と呼ばれた時代もありました。
成長するに連れマンガやアニメから文学・小説などに娯楽が変わり現実と向き合う事が当然だったのですが、現在はアニメの放送時間も午後10時過ぎや深夜に変わり子供達のものではなくなりました。
また家庭用ゲーム機もDVD再生やネットの閲覧も可能になり、子供と大人の線引がなくなり、いつまでも子供の精神のままで成長が止まったような錯覚さえ覚えます。
少なくとも、現実に向き合い真剣に考える時間と趣味や娯楽を区別するべきなのですが、親の世代が高度経済成長で豊かになり、バブルで甘やかされ我儘放題に育った世代ですので、子供に対しても厳しく接することも無く、大人としての心構えも教えられず、子供に対して躾け、厳しい叱責が出来ない事を誤魔化すために児童虐待防止法成立させたり、何かあるとすぐに暴力だと騒ぎ立てる始末ですね。
一つの例をあげますとフランス革命が「ベルサイユのばら」として漫画・アニメ・舞台でも好評をはくし市民革命で民主主義の原点のように錯覚していますが、現実には古くからの伝統を守りながら暮らそうとする人々に対するジェノサイドであった事も知らなくてはなりませんし、ジャコバン派の独裁であったことも理解しなくてはなりません
フランス革命は市民革命に名を借りた共産革命と変わらなかった現実を知り民主主義とは何なのかを考える事が出来るのが大人なのです。
影の部分から目を背け表層の綺麗な部分だけを見るのでは子供と変わりありません。
もう一つは、土木建築やサービス業など求人はあるものの、人間が集まらない。
現場や業務内容を知らない者が発注価格や単価を決定している所に問題があります。
そのような人間であればグローバル至上主義者や新自由主義者などに簡単に騙されてしまうのです。
幼い日々の憧憬を胸に抱きながらも、現実と向きあい現実を見つめる事が出来てこそ、新しい地平を見つけ旅が始められるのかも知れません。
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ねむ太さま (kuranishi masako)
2014-04-18 20:58:27
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 在日韓国・朝鮮人の帰化に加えて、中国人の帰化数も急速に伸びているところを見ますと、法務省の裁量の幅は、相当に広いのではないかと疑っております。しかも、二重国籍である可能性もあります。我が国の法律では、二重国籍を認めておりませんので、出身国の国籍を失っていない場合には、法務省は、日本国籍の付与を取り消すべきです。国会では、福島瑞穂氏が二重国籍を認めるように訴えいるそうですが、現実には、相当数の二重国籍者が既に存在していることが実態のようです。何れにしましても、出身国に忠誠を誓い、反日思想に固執している人々に対して、永住資格や日本国籍を付与することは危険すぎます。なお、過去を美化しすぎますと、過去の失敗を繰り返すことになります。漫画等に描かれたストーリーは、フィクションではあっても歴史ではありませんので、フィクションの世界から一歩足を踏み出し、ありのままの歴史から教訓を学び取ることこそ、歴史を学ぶ意義であると思うのです。
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