万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

プーチン・メドベージェフ体制は終身制?

2011年09月25日 15時21分40秒 | 国際政治
プーチン氏が大統領候補に=「双頭体制」継続へ―ロシア(時事通信) - goo ニュース
 ロシアの次期大統領選挙では、大方のところ、メドヴェージェフ大統領とプーチン首相との一騎打ちになると予測されていました。ところが、昨日、メドヴェージェフ大統領が早々に出馬を断念し、候補者は、プーチン首相に絞られたとするニュースが飛び込んできたのです。

 このニュース、どうやら事実のようですが、両者のこの妥協、ロシア憲法の盲点を突いたプーチン・メドヴェージェフ体制の長期化政策に他なりません。ロシア憲法第81条3項には、「同一の人物が、二期を超えて続けてロシア連邦大統領職に就くことはできない」と記されています。この規定は、特定の大統領による権力の長期独占を防ぐために設けられているのですが、同一の人物が、連続でなければ、三期でも四期でも大統領職に就くことができるとも解釈できます(二人で交代すれば、何期でも就任可…)。つまり、憲法上の大統領任期の制限は、条文から”続けて”を削除しなければ、その効果は半減するのです。

 プーチン首相の年齢は58歳であり、メドベージェフ大統領は46歳という若さです。仮に、この”持ち回り方式”を今後とも続けるとしますと、この先、20年、あるいは、30年以上にわたってプーチン・メドベージェフ体制が続く可能性があるのです。いわば、終身制も可能となり、両者が最新の医療を駆使して100歳の長寿を保つとしますと、ソ連邦の寿命に迫るかもしれません。ロシア国民は、この事態を、一体、どのように考えているのでしょうか。

 よろしければ、クリックをお願い申し上げます。


にほんブログ村 政治ブログへ
にほんブログ村

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 原発の”危険神話”の誕生も問題 | トップ | 正反対なルイ16世とカダフ... »
最新の画像もっと見る

国際政治」カテゴリの最新記事