北朝鮮高官と米国務長官 NYで会談 非核化議論か
最近、日経新聞朝刊が連載しているインタヴュー記事「米朝攻防―焦点を聞く」にあって、4番目の識者として本日登場したのは、現在、韓国・国民大学の教授の職にあるロシア人、アンドレイ・ランコフ氏です。‘北朝鮮研究の世界的権威’として紹介されておりますが、同氏の見解は、おそらく北朝鮮問題に関するロシアの立場を代表しているものと推測されます。
ランコフ氏は、金日成大学への留学経験もありますので、今日の北朝鮮にも残るソ連邦の体質や政治文化を知り尽くした人物でもあります。‘目的のためには手段を選ばす’は、共産主義国家の特徴ですので、こうした政治文化にどっぷりと浸かりますと、詐術的な手法に対する倫理的な抵抗感も失われがちです。それを証明するかのように、同氏は、米朝合意の可能性について‘悪魔の囁き’としか思えないような案を披露しているのです。
アメリカが要求する‘完全、検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)’の実現性を問う質問に対して、ランコフ氏は、北朝鮮は完全核放棄には応じないと否定的な見解を示しつつ、表向きにおいては米朝合意が成立する可能性について語っています。その案とは、「抑止力を確保するに十分ないくつかの核兵器やミサイルを山岳地帯に隠したうえで、残りを保有数として申告。それらの引き渡しをもって名目上の完全非核化の実現を宣言するシナリオ」です。この提案、端的に言えば、アメリカが北朝鮮の自己申告を信じるふりをして北朝鮮の秘密裏の核保有を認め、両国が協力して国際社会を騙すということになります。同氏は、核兵器やミサイルの引き渡しシーンが映像として全世界に発信されれば、中間選挙で有利な得点を稼ぎたいトランプ大統領も外交的な実績を得たことになり、満足するであろうとも語っています。つまり、“北朝鮮偽装核放棄ストーリー”の米朝共同制作の提案なのです。
しかしながら、この案、既に表沙汰になった以上、全世界を容易く騙し込めるとは思えません。トランプ大統領にとりましても、北朝鮮の核温存を密約によって認めたとなれば、議会や民主党のみならず、米国民からの激しい批判を受けることとなりましょう。トランプ政権を支えているのは保守層を中心とした固定的な支持層ですので、アメリカ国民を演出で騙せなかった場合、自らの政治基盤さえ失いかねず、あまりに危険な政治的な‘賭け’となります。
加えて、仮に、トランプ大統領が、‘歴史的な和解’の功を焦るばかりに北朝鮮との協力を優先させるとしますと、日米関係には深刻な亀裂が生じます。日本国は、秘かに温存された北朝鮮の核の脅威に晒される続けることになるからです。アメリカ政府は、日本国政府に対して北朝鮮の核は‘完全に放棄された’と説明するでしょうが、嘘や騙しを常としてきた北朝鮮の自己申告を信じよ、と要求されても、拉致問題も含む同国の過去の振る舞いをみれば、到底無理なお話です(核の温存の望む韓国にとっては望ましシナリオかもしれない…)。日本国の対米不信は深まる一方となり、この事態は、あらゆる策を弄して日米離反を画策してきた中国を利する結果となりましょう。
何れにしましても、ランコフ氏の勧めるアメリカの不誠実と北朝鮮との‘共犯’に期待した妥協案は、国際社会の一般常識、並びに、規範から著しく逸脱しています。そして、こうした詐欺案を平気で提案してくる神経は一般の人々には理解し難く、共産主義の伝統を引く中国、ロシア、北朝鮮等に共通するサタニックとも言える倫理観の欠如と倒錯こそ、これらの諸国を決して信じてはならない理由なのではないかと思うのです。
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最近、日経新聞朝刊が連載しているインタヴュー記事「米朝攻防―焦点を聞く」にあって、4番目の識者として本日登場したのは、現在、韓国・国民大学の教授の職にあるロシア人、アンドレイ・ランコフ氏です。‘北朝鮮研究の世界的権威’として紹介されておりますが、同氏の見解は、おそらく北朝鮮問題に関するロシアの立場を代表しているものと推測されます。
ランコフ氏は、金日成大学への留学経験もありますので、今日の北朝鮮にも残るソ連邦の体質や政治文化を知り尽くした人物でもあります。‘目的のためには手段を選ばす’は、共産主義国家の特徴ですので、こうした政治文化にどっぷりと浸かりますと、詐術的な手法に対する倫理的な抵抗感も失われがちです。それを証明するかのように、同氏は、米朝合意の可能性について‘悪魔の囁き’としか思えないような案を披露しているのです。
アメリカが要求する‘完全、検証可能かつ不可逆的な核廃棄(CVID)’の実現性を問う質問に対して、ランコフ氏は、北朝鮮は完全核放棄には応じないと否定的な見解を示しつつ、表向きにおいては米朝合意が成立する可能性について語っています。その案とは、「抑止力を確保するに十分ないくつかの核兵器やミサイルを山岳地帯に隠したうえで、残りを保有数として申告。それらの引き渡しをもって名目上の完全非核化の実現を宣言するシナリオ」です。この提案、端的に言えば、アメリカが北朝鮮の自己申告を信じるふりをして北朝鮮の秘密裏の核保有を認め、両国が協力して国際社会を騙すということになります。同氏は、核兵器やミサイルの引き渡しシーンが映像として全世界に発信されれば、中間選挙で有利な得点を稼ぎたいトランプ大統領も外交的な実績を得たことになり、満足するであろうとも語っています。つまり、“北朝鮮偽装核放棄ストーリー”の米朝共同制作の提案なのです。
しかしながら、この案、既に表沙汰になった以上、全世界を容易く騙し込めるとは思えません。トランプ大統領にとりましても、北朝鮮の核温存を密約によって認めたとなれば、議会や民主党のみならず、米国民からの激しい批判を受けることとなりましょう。トランプ政権を支えているのは保守層を中心とした固定的な支持層ですので、アメリカ国民を演出で騙せなかった場合、自らの政治基盤さえ失いかねず、あまりに危険な政治的な‘賭け’となります。
加えて、仮に、トランプ大統領が、‘歴史的な和解’の功を焦るばかりに北朝鮮との協力を優先させるとしますと、日米関係には深刻な亀裂が生じます。日本国は、秘かに温存された北朝鮮の核の脅威に晒される続けることになるからです。アメリカ政府は、日本国政府に対して北朝鮮の核は‘完全に放棄された’と説明するでしょうが、嘘や騙しを常としてきた北朝鮮の自己申告を信じよ、と要求されても、拉致問題も含む同国の過去の振る舞いをみれば、到底無理なお話です(核の温存の望む韓国にとっては望ましシナリオかもしれない…)。日本国の対米不信は深まる一方となり、この事態は、あらゆる策を弄して日米離反を画策してきた中国を利する結果となりましょう。
何れにしましても、ランコフ氏の勧めるアメリカの不誠実と北朝鮮との‘共犯’に期待した妥協案は、国際社会の一般常識、並びに、規範から著しく逸脱しています。そして、こうした詐欺案を平気で提案してくる神経は一般の人々には理解し難く、共産主義の伝統を引く中国、ロシア、北朝鮮等に共通するサタニックとも言える倫理観の欠如と倒錯こそ、これらの諸国を決して信じてはならない理由なのではないかと思うのです。
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怪しい施設の検査と廃棄の活動を邪魔しない。(一年で徹底的に行う)
または、北朝鮮国民への支援と査察と廃棄の活動は同時平行までしか認められない。
難しい事ばかりですが、北朝鮮の国民にいろんな人々が支援したりするのは邪魔しない。
しかし、大量破壊兵器は北朝鮮政府に破棄させるが、破棄し、さらに再配備しなければ放置したいのも本音。
より短期間で、大量破壊兵器が無くなれば、御の字にしたいのですも
放棄しない妥協はあり得ない。
放棄するなら、北朝鮮内部のことは北朝鮮自身のこととしたい。
北朝鮮国民への経済支援につきましては、まずは、同国の経済状況を確認する必要があるように思えます。何がどれだけ必要なのかを正確に把握しませんと、国際機関には親北派も多く、支援名目の不正な横流しが発生する恐れがあります。もっとも、即、経済制裁解除ではなく、人道支援のみをアメリカや国際機関による徹底した管理の下で許すのであれば、その可能性は否定できないかもしれません。
なお、米韓から武力統一のための行動をとることはあり得ませんので、事実上、北朝鮮の自制のみが問題となるように思えます(北朝鮮にとりましては、相互武力統一抑制はあまり意味がない・・・)。また、北朝鮮の将来については、その国民が決めることですので、体制保障も無意味なのかもしれません。要は、北朝鮮が、国民のみを対象とした支援を許すか、否かに、関わらず、アメリカの要求通りにCIVDによる非核化を認めるか、否かに、かかっているように思えます。