昨日、日本国内での米価高騰を機に、韓国が日本向けにお米を輸出するとする報道がありました。ネット記事では、‘20万トン’という数字がタイトルにあり、政府備蓄米の放出量に匹敵するために驚いたのですが、内容を読みますと、おそらく22トンの誤表記のようです(3月に2トン、5月に20トンで計20トン)。もっとも、別ルートや今後の輸出予定を合わせますと、将来的には20万トンに達するとする意味かも知れず、真偽のほどは定かではありません。しかしながら、この韓国米輸入の報道から、幾つかの疑いが生じてきます。
第一の疑いは、韓国政府による米輸出推進政策です。今般の韓国米の輸入は、韓国メディアによる韓国農協への取材で判明したというものです。韓国での農協の組織がどのようなものであるのかは不明ですが、日本国における政府、あるいは、政治家と農協との関係のように、韓国農協も同国政府との癒着も疑われます。言い換えますと、韓国政府が、国策として背後から日本国に対する米輸出を後押ししているとも推測されるのです。このことは、今後とも、韓国政府からの日本国政府に対する米市場のさらなる開放要求が強まることを示唆しています。
第二の疑いは、日本国内における輸入米の実態です。目下、米価暴騰を背景として、高率の関税を上乗せしても輸入米が価格競争力を持つため、アメリカ米、タイ米、ベトナム米など、国内における輸入米の流通・販売量は拡大しています。韓国のみならず、中国からの輸入米も増えているとのことですが、日本国民の多くは、その実態を知らされていません。今般の日本国への韓国からの米輸出は、韓国メディアが報じたことで日本国内でも知られることとなった情報です。もしかしますと、上記の20万トンとは、誤表記ではなく輸入米の総計である可能性もありましょう。何故ならば、消費者の多くは、店頭にあって備蓄米よりも輸入米を多く目にしているからです。一体、輸入米がどの程度国内に流入しているのか、殆ど実態が掴めておらず、しかも、相当量のお米が既に輸入されながら価格が下がらないとしますと、一体、その原因はどこにあるのか、謎は深まるばかりなのです。
第三に懸念すべきは、日本国と韓国との間には‘歴史問題’が存在している点です。仮に、韓国からの日本国へのコメ輸出が増加し、この結果、前者の国内での需給バランスが崩れて米価の値上がりを招いた場合、韓国国民の対日感情は悪化することでしょう(平成の米騒動では、‘タイ米’を大量に輸入したために同国でのコメ価格が上昇し、一般国民に対日不満が生じた・・・)。逆に、米価高騰で苦しむ中、韓国による高値の販売価格での輸出は(10キロ9000円・・・)、他国の不幸で利益を得ているとして(安価で販売しているアメリカ米の方が良心的ではある・・・)、日本国民の韓国に対する好感度は低下することでしょう。あるいは、米価を下げたくない日本国の農協が、韓国農協に高額販売を要請していた、とする疑いもないわけではありません。
そして、第四の疑念は、日本米の逆輸入です。アメリカにあってトランプ政権が中国に対してのみ高率の関税を課したため、韓国等を介した米市場への迂回輸出が増えているとの報道があります。仮に、今般の米価高騰の原因として指摘されてきたように、さらなる米価高騰や転売を目的として‘買い占め’が横行していた場合、一端、買い込んだ日本の国産米を韓国その他の外国に輸送して、改めて海外産のお米として逆輸入している疑いもあります(中国米が‘韓国米’として輸入される可能性も・・・)。この方法ですと、日本国の消費者に知られることなく、お米の品質が低下する気温上昇の季節を前にして‘保有米’を処分できるからです。
自公政権と言えば、中国並びに韓国との繋がりが強く、かつ、今や‘グローバリストの出先機関’と化しています。韓国米の輸入報道は、今日、日本国民が置かれている危機的な状況を自ずと知らせているのではないかと思うのです。