【中国全人代】「リコノミクス」終焉へ 構造改革先送り、習近平氏に一極集中 党大会控え公共投資ふたたび台頭
今年の中国全人代は、習近平国家主席への権限集中が顕著となり、李克強首相との権力争いにも決着が付いた感が否めません。李首相が主導してきた”リコノミクス”が終焉を迎え、”シーコノミクス”の時代に移ったとも評されています。
”シーコノミクス”の具体的な内容は不明瞭ですが、報道に拠りますと、携帯料金の一部無償化案に対して拍手が鳴り止まない一幕があったそうです。国民生活の向上を目指すとする今大会の方針に沿った政策の一環なのでしょうが、敢えて情報通信分野に的を絞った無償化政策を打ち出し、全人代がこぞって賛意を表明したことには、”シーコノミクス”の政策方針が透けて見えます。
情報通信分野と言えば、13億の巨大市場を背景に、近年では、米IT企業とも協力関係にあると共に、グローバル経済を象徴する分野でもあります。この分野において、一部とはいえ無償化を実施する意図には、習政権に対して不満を燻らせている国民に対する”懐柔”に留まらず、全世界に向けたメッセージが込められているように思えます。それは、”シーコノミクス”の目指すところは、国家による情報通信分野の掌握であり、共産党による経済・社会両面における統制の強化です。言い換えますと、政府系ゾンビ企業の退治に積極的な取り組んできた”リコノミクス”が退場し、今後の中国経済は、”シーコノミクス”の下で統制型に逆戻りする可能性が高いのです。情報通信分野では、政府が既に”価格決定権”を握っているのですから。
さらに懸念すべきは、統制経済が国内に留まっていた改革開放路線以前とは異なり、今般の”シーコノミクス”は、”グローバリズム”を中国の国策と結びつけていることです。今後とも、国家のあらゆる資源を動員することで、一帯一路構想の下で中国中心の経済圏構築に邁進することでしょう。となりますと、対中批判を繰り返してきたアメリカのトランプ政権との衝突は、近い将来、政経両面において不可避となるかもしれません。中国は、80年代にあっては、政治分野における”偽装民主化”によって、中国国民、並びに、アメリカをはじめ国際社会を騙し、天安門事件まで引き起こしています。軍事大国化に必要な技術やノウハウを手中に収めた今日、中国は、遂に、経済分野における”偽装自由化”をも店仕舞いし、共産党、否、スターリン主義に類する個人独裁体制という真の姿を見せ始めているように思えるのです。
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今年の中国全人代は、習近平国家主席への権限集中が顕著となり、李克強首相との権力争いにも決着が付いた感が否めません。李首相が主導してきた”リコノミクス”が終焉を迎え、”シーコノミクス”の時代に移ったとも評されています。
”シーコノミクス”の具体的な内容は不明瞭ですが、報道に拠りますと、携帯料金の一部無償化案に対して拍手が鳴り止まない一幕があったそうです。国民生活の向上を目指すとする今大会の方針に沿った政策の一環なのでしょうが、敢えて情報通信分野に的を絞った無償化政策を打ち出し、全人代がこぞって賛意を表明したことには、”シーコノミクス”の政策方針が透けて見えます。
情報通信分野と言えば、13億の巨大市場を背景に、近年では、米IT企業とも協力関係にあると共に、グローバル経済を象徴する分野でもあります。この分野において、一部とはいえ無償化を実施する意図には、習政権に対して不満を燻らせている国民に対する”懐柔”に留まらず、全世界に向けたメッセージが込められているように思えます。それは、”シーコノミクス”の目指すところは、国家による情報通信分野の掌握であり、共産党による経済・社会両面における統制の強化です。言い換えますと、政府系ゾンビ企業の退治に積極的な取り組んできた”リコノミクス”が退場し、今後の中国経済は、”シーコノミクス”の下で統制型に逆戻りする可能性が高いのです。情報通信分野では、政府が既に”価格決定権”を握っているのですから。
さらに懸念すべきは、統制経済が国内に留まっていた改革開放路線以前とは異なり、今般の”シーコノミクス”は、”グローバリズム”を中国の国策と結びつけていることです。今後とも、国家のあらゆる資源を動員することで、一帯一路構想の下で中国中心の経済圏構築に邁進することでしょう。となりますと、対中批判を繰り返してきたアメリカのトランプ政権との衝突は、近い将来、政経両面において不可避となるかもしれません。中国は、80年代にあっては、政治分野における”偽装民主化”によって、中国国民、並びに、アメリカをはじめ国際社会を騙し、天安門事件まで引き起こしています。軍事大国化に必要な技術やノウハウを手中に収めた今日、中国は、遂に、経済分野における”偽装自由化”をも店仕舞いし、共産党、否、スターリン主義に類する個人独裁体制という真の姿を見せ始めているように思えるのです。
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