万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

危うい公明党・創価学会の“歴史認識”

2017年11月26日 16時07分17秒 | 日本政治
韓国大統領の訪日招請=北朝鮮対応で結束確認―公明代表が会談
 先日、韓国を訪問した公明党の山口那津男代表は、安倍首相の親書を懐に文在寅大統領との会談に臨んだものの、懸案となっております“慰安婦問題”につきましては、一言も触れず終いであったそうです。この姿勢から伺えるのは、公明党・創価学会の危うい“歴史認識”です。

 中国や韓国が関わる歴史認識問題には、事実に対する解釈の違いではなく、事実関係そのものが争われるという特徴があります。南京事件や慰安婦問題などが議論されるに際には、客観的事実を重んじる日本国対、主観的国家イデオロギー、あるいは、国民情緒を優先する中国・韓国という構図で説明されてきました。一般の日本国民からしますと、捏造された歴史を押し付けてくる中国や韓国の態度は前近代的であり、日本国の名誉を棄損する虚言や虚証は犯罪的ですらあります。当然に、中国や韓国に対しては批判的となるのですが、公明党の言動を見ておりますと、日本国内にも、問題が無いわけではないようです。小党とはいえ、公明党という政権与党の政党が、あろうことか、中韓と歴史認識を共有しているのですから。

 ネット情報等に因りますと、創価学会の名誉会長であり、教祖とも言える池田大作氏は、朝鮮半島を出自としており、このため、同地に対する思い入れが強いとされています。真偽のほどは不明ながら、創価学会の活動傾向を見る限り、この説の信憑性は高く、公明党の中国・韓国・北朝鮮に対する度を越した低姿勢は、同教団トップの個人的な意向の反映として理解されます。また、今日、同教団が、国内にあっては移民系の人々の間で信者を増やし、対外的にも布教の国際展開を目指すと共に、国連等の国際組織や他の世界宗教団体等との繋がりを強化する方向にあるのも、教祖の個人的な背景としての“国際性”が強く作用しているのでしょう。そして、同氏が語ったとされる“中国は日本の父であり、韓国は日本の兄である”とする“歴史認識”は(聖教新聞に掲載されたらしい…)、氏の出自を以ってしか説明できないのです。

 古来、日本国には、‘中国を父として尊び、韓国を兄として敬う’という考え方は存在していません。否、日本国は、聖徳太子(厩戸皇子、多唎思比孤)が隋の煬帝に送った上奏文にも記される通り、中国を中心とした冊封体制に入ることなく、国家としての独立を保ってきたことを誇りとしてきました。『隋書倭国伝』にあっても、その後、日本国との国交は途絶えたと記されており、両国間では上下関係は成立しなかったのです。一方、朝鮮半島には、清朝に至るまで属国として冊封体制に組み入れられた歴史があり、それ故に、中国は“父”の地位と認識されてきたのでしょう。韓国を“兄”と見なす認識も、華夷秩序の外にある国を‘中華帝国の高い文明に浴さない野蛮な国’と見なす伝統的な固定概念に由来し、日本人の発想には全くないものです。

 一般の日本国民と創価学会の歴史に対する姿勢の違いは、公明党が政権与党であるという現実により、極めて深刻な状況をもたらしています。創価学会は、政党レベルのみならず、外務省や皇室・宮内庁等にも多数の学会員を配して影響力を及ぼしているため、韓国と”歴史認識”を共有する一部の朝鮮半島系宗教集団による‘朝貢’の如き媚韓政策が、“日本国の政策”として具体化されてしまうのです。これでは、日本国政府内に‘小韓国’が存在しているようなものであり、一般の日本国民にとりましては、内政干渉、間接侵略、あるいは、国権の簒奪にも等しいこととなりましょう。慰安婦問題を始め、多くの人々が日本国の名誉回復のために努力している中、内側から足を引っ張る与党公明党に対して、日本国民の多くは、背信者と見なしているのではないでしょうか。

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コメント (2)
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