万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

驚くべき李元韓国大統領の読みの甘さ

2015年03月04日 15時37分34秒 | 国際政治
背景に「慰安婦問題」と分析=韓国前大統領の竹島上陸―米機密文書(時事通信) - goo ニュース
 韓国の李明博大統領が在任中に竹島に上陸した件についてアメリカ政府の機密文書が公開され、その背後には、慰安婦問題で日本国に圧力をかけたい韓国側の思惑があったとの分析が示されているそうです。

 その一方で、最近出版された李元大統領の回顧録には、竹島上陸の動機について、”この時期に竹島に上陸することで、竹島が韓国の領土であることを国際社会に知らしめたかった”とする趣旨の説明が記されていると言います。回顧録の内容が常に正しい保証はどこにもないのですが、何れにしても驚かされるのは、李元大統領の読みの甘さです。何故ならば、動機が何れであったとしても、全くの逆効果であるからです。慰安婦問題にしましても、仮に、日本側の譲歩を求めるつもりであるならば、竹島に現職の大統領として初めて上陸すれば、日本側の態度は硬化し、国内世論の韓国に対する反発が強まることは必至です。民主党の野田政権の時期には、慰安婦問題に関する動きもあったとも報じられておりますが、竹島上陸後の流れを見ますと、結果として、”韓国に対して一歩も譲らず”の日本側の姿勢が強まったことは否めません。また、回顧録のとおり、純粋に、竹島が韓国領であるとアピールすることが狙いであったとしましても、大統領の上陸が、国際法における領有権を確定するはずもありません。逆に、不自然なパフォーマンスによってアピールすればするほど、怪しまれるのが世の常です。実際に、竹島問題についても、日本国政府の積極的な取り組みの前に、韓国は、防御側に転じています。

 外務省のホームページから、韓国に関する記述として民主主義や自由といった基本的価値観の共有が削除されたそうですが、韓国の大統領の行動には、理解に苦しむケースが少なくありません。常に自らを中心にして物事を考え、相手の反応を考慮しない韓国の思考パターンが、日本国のみならず、国際社会と摩擦を起こす原因の一つなのではないかと推測するのです。

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コメント (2)
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