万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

犯行自白に等しい北朝鮮の対米共同調査提案

2014年12月21日 15時44分04秒 | 国際政治
米国に共同調査提案=サイバー攻撃を否定―「立証の方法ある」と対話模索・北朝鮮(時事通信) - goo ニュース
 ソニー・ピクチャースエンタテインメントが制作した『The Interview』がテロ予告によって公開が見送られている件について、アメリカは、捜査の結果、北朝鮮の犯行と断定しました。威嚇業務妨害として北朝鮮に対して損害賠償を求めるとも報じられておりますが、当の北朝鮮は、アメリカに対して共同調査を提案しているそうです。

 北朝鮮は、自国がサイバー攻撃の犯人ではないことを”立証する方法がある”と嘯いておりますが、共同調査の提案は、むしろ、テロ予告は自らの犯行であることを認めたに等しいのではないでしょうか。北朝鮮を観察しますと、日本人拉致問題でも明らかなように、自らの国家犯罪に手を染めているにも拘らず、何故か、自ら自国内の調査を引き受けるという奇妙な行動をとります。犯行の当事者、つまり、加害者でありながら、あたかも被害者のように振る舞うのです。今回の共同調査の提案もこの手法に類似しており、被害者の立場に成り済ますことで、罪を逃れたいとする北朝鮮の思惑が読み取れます。おそらく、拉致事件の再調査と同様に、調査結果の報告をめぐってアメリカを翻弄し、何らかの利益を引き出そうとしているのではないかと推測されるのです。

 北朝鮮に対して常々甘い日本国政府は、北朝鮮のペースに巻き込まれてしまいましたが、アメリカが、共同調査提案に合意するとは思えません。「米国が、共同調査の提案まで拒否し、言い掛かりをつけて対応措置を主張するなら、ひどい災いを招く」と脅し文句まで付けており、北朝鮮は、テロ予告の上塗りまでしているのですから。

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コメント (2)
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