万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

中国の微笑はAPECまで

2014年12月04日 15時51分15秒 | アジア
【外信コラム】軍営の煙はのろし? “沈黙”中国軍の不気味さ(産経新聞) - goo ニュース
 香港の民主派デモに対して、遂に強硬手段を採り始めた中国。習主席の微笑はAPECまでの期限付きであるとする説は、日に日に信憑性を増しております。

 香港に対する中国政府の弾圧姿勢に対して国際世論の批判が高まる中、中国は、返還の際の条件として香港の民主主義と自治を認めた1984年の英中共同声明の無効をイギリス側に伝えたと報じられております。無効の表明によって、中国は、自国が国際的な約束を守らない無法国家であると宣言したことになりますが、国際社会のアウトローとなった中国は、以後、何れの国からも警戒される存在となることでしょう。中国との間に如何なる条約や協定を結んだとしても、反故にされる可能性があるからです。先日も、APECを前にして、日中両国間で危機回避のために、両国の防衛当局間による海上メカニズム連絡の構築が合意されたとも伝わりますが、その行く先は不透明となりました。そして、将来のみならず、日本国をはじめ各国が中国と締結した如何なる既存の合意も風前の灯となります。APEC前の柔和な態度は、”皇帝への朝貢”を演出するための偽りの姿であり、今や中国は、自らの手で被った仮面を引きはがしております。

 中国本土では、香港の人民解放軍の駐屯地において火の手が上がったことから、香港の民主派デモに対する武力弾圧のための”狼煙”ではないかとの噂が広がっているそうです。仮に香港において第二の天安門事件が起きるとしますと、習政権の思惑どりに共産党一党独裁体制は盤石となるのでしょうか。第二の天安門事件は、中国の国民に対して、別の道への扉を開くかもしれないと思うのです。

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コメント (6)
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