万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

真逆の二つの皇室像-報道は正直に徹するべき

2014年10月31日 10時59分04秒 | 社会
宮内庁が抗議 愛子さまめぐる週刊誌報道に(朝日新聞) - goo ニュース
 近年、皇室報道においては、これまでにない奇妙な現象が起きるようになりました。それは、皇族について、全く正反対の姿が流布してしまっていることです。

 この現象は、特に東宮家に関する報道において顕著です。宮内庁、マスコミ、ネット…において、全く正反対の情報が流れており、国民は、その実像を掴むことができない状況にあります。宮内庁、並びに、テレビ各社は、東宮家を人品共に優れた模範的な一家として描き、手放しに礼賛する一方で、マスコミの一部やネットでは、全く逆の姿が実像として語られています。内親王についても、”将来、東大入学が期待できるほどの頭脳明晰、かつ、”心身ともに健康”なイメージと、何らかの障害や脆さを抱えている少女のイメージが併存しているのです。公開されている映像や実際の言動に関する情報から判断しますと、国民は、後者の方を信じがちとなるのですが、宮内庁が前者のスタンスなだけに、前者である可能性も否定はできません。そして、仮に、真の姿が後者でありながら前者を装っているとしますと、皇室が国民を騙すという、あってはならない事態となるのです。宮内庁は、週刊誌報道について事実無根と抗議したそうですが、そもそもの原因は、皇室や宮内庁側の情報隠蔽体質にあります。国民に情報を十分に提供しない一方で、意に沿わない報道がある度に抗議するのでは、北朝鮮風味の情報統制を疑われ、国民からの信頼を失う結果を招きかねません。

 皇室報道は、宮内庁であれ、マスコミであれ、正直に徹するべきです。そして、開かれた皇室を目指しながら閉ざされた皇室に至ってしまった理由についても、そろそろ包み隠さずに正直に考えてゆくべきではないかと思うのです。

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