万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

イージス艦事件に見る照顧却下の教訓

2008年02月19日 18時30分41秒 | 日本政治
イージス艦と漁船衝突 レーダー探知の死角「魔の時間帯」目視困難(産経新聞) - goo ニュース

 高性能のレーダーを備え、遠方や上空の目的を正確に捉えることができるイージス艦が、足もとの漁船と接触する事故を起こしたとする報に触れ、思わず照顧却下という言葉を思い起こしました。

 照顧却下は、禅で用いられている言葉で、禅寺の玄関にかけられているのを目にすることがあります。もとより深い意味がありますので、世事の喩えに持ち出ちますと怒られそうなのですが、最高の技術を結集して製造された最新鋭のイージス艦であっても、身近な危険を回避することができず、犠牲者を出してしまったことに、この言葉が発する警告を読み取ることができるのです。

 とかく、現代人は、科学技術の力を信じ、それに寄りかかりがちですが、本当に気をつけなくてはならないことは、実は、身近なところにあるのかもしれません。イージス艦の活動にあっては、自国民を害することなく、今後は照顧却下の精神をもって、国防に努めていただくことを願うかぎりです。

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