草花好きのひとりごと

植物の栽培記録や鉄道・路線バスなどの趣味について記しています。

2014年開花の実生花(こぼれ種実生x'御殿桜'・2012年交配播種)

2014-04-18 | さくらそう実生の花
一昨年採種した種子をジベレリン処理して蒔いて育苗した中で、昨年は開花しなかった株に咲いた花です。

昨年開花した30株ほどと今年この株よりも早く咲いた3株の兄弟株と比べて花弁の幅が広く、一輪目が咲き始めたときに、これはこれまでに咲いた花と違うかも?と思ったのですが、2本の花茎に3、4輪ずつ開花した画像撮影時点で、全ての花が弁と弁の間に隙間が無い重ね弁になっているように見えます。

裏の色は桃色ですが、曇ったようなというか暗い色調と言ったら良いのか、開花後3日間ほど朝に見ていて鮮やかさに欠ける色かなと思っていたのですが、昨日は夕方薄暗くなってから見たところ全く印象が異なり、なかなか美しく見えました。
表は少しだけ裏の色がにじみ出て見えます。

花径は現時点で最も大きなもので42mm、小さいもので40mm弱なので、小さな花ではありませんが特に大輪というわけでもありません。
しかし私のところで今までに咲いた実生の中で最も欠点が少ないと思える花なので、残して様子を見ることにしました。(2012-4C)

個人の好みの問題に過ぎないのかもしれませんが、濃い紅の'夕陽紅'の花色は夕暮れ時の方が朝や昼よりもずっと綺麗に見えると私は思います。
明るさや光の色の違いの影響を受けて人の目に見える色は変わってくるので、品種によっては花がより美しく見える時間帯あるいは天候というものが存在すると考えているのですが、この実生花の裏側の色もそうなのかもしれません。

下の画像が交配親です。

2010年発芽2012年開花のこぼれ種実生。


'御殿桜'

こぼれ種実生の花の、裏は薄紫色で表はほぼ白の花色は良かったのですが、花弁の先の方の幅が広い割に元の幅が狭く隙間があいているのが気になったので、弁幅が広くて花型が整っている'御殿桜'と交配してみたのですが、思惑通り花弁の幅が広く隙間が見えない花が咲いてくれて嬉しいです。(花色は違うものになりましたが・・・)


この画像の2株も同じ交配で昨年未開花だったものですが、右のものは今年4芽から花茎が上がったので、性質としては開花しやすいものなのかもしれません。

右の花は花弁の幅が広くて重ね弁になってくれるのは良いのですが、咲き始めて花弁が一度後ろに反り返るようにまで開いてから少し戻って平らに開くような咲き方で、私には反り返った状態が綺麗だとは思えず、この咲き方は好きではないのと、花径がやや小さめなので、大きく豪華な感じでもなく、小さく可愛らしい感じでもなく、何か中途半端な印象を受けるので、咲き終わったら処分するつもりです。

左の花は花弁の隙間が目立ちますが、明るい桃色で、この色は朝や昼間見ても綺麗に感じます。
これは昨年開花した株にも似たような花がありましたし、正面から見ると花弁の形が今一つ整っていないように見えるので、こちらも処分予定の株です。

実生を始めたときは、どの花も良く見えてしまって苗を処分できなくなってしまうのではないかと危惧していたのですが、実際に実生花が咲いてみると、良いところよりも先に欠点や短所が目に付き、全く抵抗なく処分できています。
それで、自分が思っていた以上に薄情な人間だったのだろうかと落ち込みかけましたが(汗)
園芸植物の育種に適性があったのだと良い方に捉えることにします(笑)

既存の品種(=他の人が作り出したもの)は、なるべく良いところだけを見て悪いところは見ない。
逆に自分で交配した実生の花は、悪いところを見つけるように観察する。
という感じで、どうやら無意識のうちに花の見方を変えることができているようです。
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