秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

三嶺 天狗の庭

2005年07月18日 | Weblog
四国の山の中でも三嶺は自然が手付かずに
残って美しい山の一つであるが、道路、林道
事情が良くなって登山者がオーバーユースに
なって問題も出てきた。

大正14年の夏 北川淳一郎率いる松山高等学校
山岳部が剣山ー天狗塚を縦走した頃のことが
北川淳一郎の「山の話」に記述があるので引用したい。

当時 松山から汽船で菊間、菊間から国鉄で伊予三島
バスで阿波池田で泊まり。
貞光まで汽車、すぐ徒歩にかかり一宇村でテント泊
桑平から夫婦池、テント設営。

三嶺から天狗の庭の記述
「だが、私は全体の山容から云ってもその位置が剣から天狗塚
までの中央に聳えていることから云っても、これ「三嶺」が
剣山脈の盟主であることを認めざるを得ない。
頂上の岩つつじの茂生している間に三角点がある。ここから
三嶺の全容を見渡す事ができる。大きな岩が不規則に群って
いるところを初め、一切のもの、一切の佇まいが、私たちをして
高山の頂上に立っている崇高感を抱かしめる。

荒削りで、豪放だが、しかも細心で周到な叡智を以って
つくり上げられた景、それはまことに造化の無限の智と
無限の力の芸術品である。

なお 東の尾根が非常に急峻で幅が狭いのに対して
西の尾根は遥かに天狗塚まで延びている長尾根で
とてもなだらかで幅が広く緩やかだ。

私はこの殆ど前人未踏の処女峰の真価が一般に
認識されることを望んでやまない」

「三嶺から天狗塚までの間、約一里半、その中 三嶺から
次の1816m小ピークまでは素晴らしく美しい。
私は ここを「天狗の庭」と命名せずにはいられなくなる。」
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