秘境という名の山村から(東祖谷)

にちにちこれこうにち 秘境奥祖谷(東祖谷山)

奥祖谷春点描 暮らしの初夏

2011年05月22日 | Weblog
確か、去年の押し詰まったある日の帰りに西山ー麦生土林道にある
廃家集落に一軒だけ住んでいるKさんを訪ねたが留守であった。

以前12月になれば、岡山の子供の家に避寒すると聞いていたので
下りたのであろう、このあたりは深雪であるから無理も無いことである。

しばらく走ると前々から気になっていたお家が道下にある、おやじさんが
独りで暮らしているらしいが、あまり外に出ていないので話したことがない
で、思い切って、訪ねてみると、74,5のオヤジさんが窓を開けて顔を出した。

しばらく話をしたのだが、この雪深いところでもずっと越冬もしているとのこと
冬は大変だけど、「ここは、奥祖谷でも星が一番綺麗に見えるからなあー、年から
年じゅう星を見つめ、見つめられて暮らしているよ、住めば都のことば道理じゃあ」
なるほどと思った、おやじさんは画星さんと云っていたことである。


そういえば、菜菜子さんが以前ご主人と暮らしていた、ひょうごいしの二連の赤屋根
の家がすぐ近くにあり、星が降り注ぐような場所と聞いたことを思い出した。

そんなこともあって、新緑の真っ只中に通り合わせたので、車を止めて道下を見ると
畑仕事をしているおやじさんを見つけた、下りてゆくとジャガイモの手入れをしていた。

手を休めて、話してくれたが、今年の冬はガイにしんどかったらしい、が元気に冬を
越せたと喜んでいたが、やはり、独り身は寂しいものなのであろう。
子供さんは町に二人いるらしいが、徳島に居た息子さんが7年前に交通事故に遭い
亡くなられた、いま、生きていれば51,2になるとのことであった
若くして亡くなった息子さんを思ってか、ふっとため息を漏らされた

奥祖谷の大方のお年寄りは、身の丈にあった暮らしを自然との対話を通して
精いっぱいに、肩肘張らずに一日一日と過ごされたわけで、滲み出る生活の
すべては、自然への美辞麗句などを並び立てる僕らの半端な考えや態度などを
木っ端微塵に打ち砕かれて跡形も無い想いを何時も感じている。

おやじさんは何事も無かったように、また、鍬を動かし始めたので暇した。









































































































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