○教材研究から教材解釈へ
私たちはよく授業にあたり、教材を調べることや準備することを「教材研究」と言っている。しかし、「研究」となると、やや範囲が広くなり、その教材そのものに対する追求的な研究が疎かになってしまうことがある。国語にしても算数にしてもその他の教科にしても、「教材研究」というよりも「教材解釈」と言ったほうがよいであろう。つまり、教材を「解釈」することが最も重要であるからである。
教材解釈とは、文章や物事の意味を受けて側から理解することである。受け手側とは教師である。従って、指導書や赤本だけを頼りに授業をするのでなく、授業者である教師自信の解釈が大切である。
教材解釈は教師としての解釈があり、そして子ども側に立っての解釈がある。まず教師(ひとりの人間)としての解釈をする。次に授業をするにあたって、子どもはこの教材をどのように解釈するのか予想するのである。この際に大切なことは、子どもの力を見くびらないことである。子どもは教師が思っている以上に力があるからである。