「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

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原発問題と相通じる中央区も含む都心のまちづくりの問題点:地方のまちの犠牲の上になりたつ恩恵

2011-08-08 23:00:00 | 街づくり

 まちが健康でなければ、そこで暮らすひとは健康にならないと考えています。

 原発は、都心の快適さを追及する一方、原発のリスクを地方のまちに押し付けているという問題点を持っています。
 これは、本質的でたいへん大きな問題であると私は認識します。

 本日、まちづくりの勉強会で出された話題は、都心のまちづくりも実は、同様の問題点を秘めているということでした。

 中央区も含め都心では、超高層の大規模開発が盛んです。
 500戸、1000戸と一挙に住戸を供給します。
 開発した区は、住民が増える、すなわち住民税が増える恩恵を被ります。
 それは、一方で、それだけの住民が地方のまちからいなくなることをさし、地方のまちの衰退の原因を作っています。
 地方のまちの犠牲の上になりたつ恩恵。

 都心の議会の持つべき視点として、日本全体の発展を視野に入れるべきであると考えます。
 また、同時に世代を超えた、将来の子ども達への責任という視点も視野に入れるべきであると考えます。

 これだけの大規模開発が、時間がたつと、その住民が高齢化し、一気に高齢者問題、介護の問題が生じます。
 また、100年200年先には、超高層住宅の建て替えをどうするかという問題も生じます。

 現段階で、高層難民という地震等災害に対し弱点を露呈しました。各学校の防災拠点のキャパシティーを大きく上回る避難住民がその周辺の高層住宅群から生じることとなります。
 エレベーターが動かなくなり、このたびの東日本大震災でもエレベーター内閉じ込め事故が数件この中央区でも生じましたが、首都直下型の場合はけたが違って発生することになるでしょう。

 いままでは、都心回帰という社会の大きな流れの中で、中央区の人口増加が起こりました。

 これからがこそ区政の出番というべきときです。
 いままでの惰性でまちづくりを行うのではなく、基本構想(下記)を見直し、日本全体を見渡し、かつ、うけいれるだけの都市基盤整備と災害への備えをきちんとした上で、まちづくりをしていかねばなりません。
 そうでなければ、地方が衰退し、都心自体もまた、いまそしてこれからの繁栄はありえないでしょう。

*****現在の中央区基本構想、中央区ホームページより******

http://www1.g-reiki.net/reiki/Li05_Hon_Main_Frame.exe?UTDIR=C:\EFServ2\ss00045EB1\GUEST&TID=1&SYSID=9

○中央区基本構想
平成10年6月19日
議会議決
目次
第1章 基本構想の見直しについて
1 基本構想見直しの背景と目的
2 基本構想の役割と理念
第2章 中央区の将来像と基本目標
1 中央区の将来像
2 将来像を実現するための基本目標
第3章 施策のみちすじ
1 思いやりのある安心できるまちをめざして
2 うるおいのある安全で快適なまちをめざして
3 にぎわいとふれあいのある躍動するまちをめざして
第4章 基本構想実現のために
1 相互信頼にもとづく地域社会づくりの推進
2 基礎的自治体としての自立
3 柔軟で効率的な行財政運営
4 国や東京都、関係団体との連携

第1章 基本構想の見直しについて
1 基本構想見直しの背景と目的
 中央区は歴史と伝統を背景に、首都東京のみならず、日本のまさにかなめとして大きな発展をとげてきました。江戸時代には現在の発展の基礎となる商業のまちが形成され、明治期には外国人居留地や銀座の煉瓦街、日本銀行をはじめとする金融街など文明開化の中心的役割を担い、その後は関東大震災や大空襲などいくたびかの逆境にあいながらもそのたびに生まれ変わり、つねに日本の文化・商業・情報をリードするまちとして、その地位を揺るぎないものとしてきました。
 今日、日本を代表する繁華街をもつだけでなく、国際金融取引や情報発信の拠点、陸と海と空の三つの玄関口をもつ交流の拠点、おう盛な事業活動の集積地であるなど、都市として第一級の活動が繰りひろげられています。加えて、江戸っ子気質が残る下町情緒、多彩な文化・芸術の場や名橋「日本橋」、「浜離宮庭園」といった名所・旧跡、伝統を今に伝える老舗の数々、さらには魚河岸や繊維問屋街、多彩な地場産業など多くの顔をもち、小さくともきらりと光る魅力ある都心のまちといえます。
 しかし、中央区を取り巻く社会経済環境は、とくにバブル経済の時期を経て大きく変容し、これまでにない新たな対応も求められています。
 近年、明るいきざしもみせているとはいえ、長期にわたる定住人口の減少とそれがもたらすコミュニティへの影響に対応するため、「都心居住」のまちづくりを積極的に推進しなければなりません。また、少子高齢化を踏まえ、健やかな子どもを育み、だれもが住み慣れたまちで安心して生活することができる地域社会の形成が急務となっています。
 加えて、経済のボーダレス化や流通機構の変化に的確に対応した地域産業の振興、阪神淡路大震災の教訓を踏まえた災害に強いまちづくり、地球環境に配慮した循環型社会システムの構築、生涯学習社会の実現など多くの課題に全力で取り組む必要があります。
 また、地方分権への流れのなかで、都区制度改革はもちろん、地域の課題を区民とともに主体的に解決していく能力を自治体としてそなえていくことも必要です。
 このため、区はこれら時代の変化にあわせて基本構想を見直すことにより、だれもが一層安心していきいきと活動できる、活力のある地域の再生と発展をめざしていくことにしました。

2 基本構想の役割と理念
 この基本構想は、21世紀の中央区を展望しこれからの区民生活やまちの姿などその将来像を明らかにするとともに、実現に至る道筋を示していくものです。中央区にかかわる人々や団体が互いに連携し総力をあげて取り組んでいく、区と区民のまちづくりの憲章であり、中央区における総合的かつ計画的な行政運営の指針となるものです。
 基本構想を貫く理念は、平和こそが愛を育み豊かさと繁栄をもたらすいしずえであるとの認識から「平和」を基本に、区民一人ひとりの生活と権利を尊重し、自治と連帯にもとづく区民生活を確立することです。
 また、この基本構想は、「花の都中央区宣言」や「太陽のまち中央区宣言」など区政推進のための基本的考え方を踏まえ、人間性豊かな中央区をつくりあげようとするものです。

第2章 中央区の将来像と基本目標
1 中央区の将来像
生涯躍動へ 都心再生 ― 個性がいきる ひととまち
 すべての人々が生涯にわたっていきいきと活動し、不安のない生活を送ることのできる人間性豊かなまち、そしてつねに時代をリードしてきた歴史と伝統をいかしながら、新たな都心の魅力を創造し、活力ある中央区をつくります。
 次の基本的な方向で、区にかかわるすべての人々のそれぞれの主体的な努力と相互の協力・連携によって、中央区の将来像の実現をめざします。

(1) 100万人が住み・働き・楽しめるまち中央区
活力ある定住人口10万の都心中央区を形成します。あわせて多くの人々が働き集うまちの特性も踏まえ、安心でき安全で快適な生活はもとより、だれもが住む喜びや働きやすい環境、いつでも学び楽しめる多彩な魅力を享受できるまちをつくります。

(2) 都心コミュニティが息づくまち中央区
ともに支えあう思いやりのある地域社会をめざして、団体、企業や働く人々との融和のもと、都心コミュニティが息づくまちをつくります。

(3) 個性豊かなまち中央区
おう盛な商業・経済活動でにぎわうまち、産業と生活が融和した活気のあるまち、下町情緒を残す街並みなど、歴史に培われた地域の特性をいかしつつ、都市全体としてまとまりのある個性豊かなまちをつくります。

(4) 世界に誇れる風格あるまち中央区
江戸の昔から引き継がれてきた伝統やなりわいなど、誇り高き文化を継承するとともに、つねに時代の最先端をいく中央区にふさわしい新たな文化を創造し、落ち着きと安らぎのある風格あるまちをつくります。


2 将来像を実現するための基本目標
中央区の将来像を実現するために、3つの基本目標を定めます。
(1) 思いやりのある安心できるまち
子供から高齢者まで、すべての人が安らぎのある健やかな生活を送ることができる、思いやりにつつまれた安心できるまちをめざします。

(2) うるおいのある安全で快適なまち
環境にやさしい豊かな都心居住を享受できる、うるおいあふれる安全で快適なまちをめざします。

(3) にぎわいとふれあいのある躍動するまち
にぎわいと活力のある商工業と生涯をいきいきと学び楽しむ豊かなくらし、そして交流と文化の息づく躍動するまちをめざします。


第3章 施策のみちすじ
1 思いやりのある安心できるまちをめざして
(1) 生涯をいきいきと暮らすために
人生80年時代を迎え、一人ひとりが生涯を通じて心身ともに健康で活動的に生活できる社会を実現するため、若年期からの健康づくりや自立に向けての行動を積極的に支援していきます。
① 安定した生活のための支援
高齢者や障害をもつ人、その家族が多様なニーズに対応したサービスを選択しながら、住み慣れた地域で安心して自立した生活ができるよう、保健・医療・福祉の連携を図り、在宅サービスや施設の整備と住宅施策を連動させた総合的な対策を推進していきます。
また、自立が困難な人に対しても健康で文化的な生活ができるよう支援していきます。
② 健康づくりの推進
「自分の健康は自分で守り、つくる」という自覚のもと、区民一人ひとりが健康的な生活習慣を身につけるための支援を行い、こころの健康づくりを含めた疾病予防・早期治療などを充実していきます。とくに、区民が健康で元気な高齢期をすごすための「寝たきりゼロ作戦」を展開し、生涯躍動社会づくりを積極的に推進していきます。
③ 自立と社会参加への支援
高齢者や障害をもつ人をはじめ、区民が地域のなかで生きがいをもち、支えあいながら暮らし続けられるよう、就労や学習、ボランティア活動などの社会参加を促進します。

(2) 健やかな子どもを育むために
区民が地域のなかで安心して子どもを生み育てられるよう、多様な保育サービスの提供をはじめ、子育て家庭に対する支援を充実していきます。また、子どもにとって魅力のある環境を整備し、さまざまな交流・体験の機会をつくり、地域全体で子どもを健やかに育む社会を形成していきます。
① 多様な保育サービスの提供
女性の社会進出や就業形態の多様化が進むなか、地域の特性や区民のニーズを踏まえ、保育時間の延長など保育内容の充実や学童クラブの拡充を進めます。
② 子育て家庭に対する支援
子育て家庭の居住環境の向上を図り、子どもを生み育てやすい条件を整備していきます。また、仕事と育児の両立支援、家事・育児を男女が協力して行う意識づくり、地域で子育てを支援していくしくみをつくっていきます。さらに、ひとり親家庭の自立に向け、生活の援助や相談体制を充実していきます。
③ 児童・青少年の健全育成
青少年が個人として自立し、地域社会の一員としての自主性や創造性をそなえた人間形成を図れるよう、ボランティア活動など青少年のさまざまな活動を支援していきます。また、効果的な青少年の健全育成の実践をめざし、家庭、学校、地域、関係行政機関の連携・協力体制をととのえます。さらに、子どもがのびのびと遊ぶことのできる魅力ある地域環境づくりを進めます。

(3) 思いやりとふれあいのあるまちのために
地域にかかわるすべての人々が平等の立場で尊重しあい、助けあい、支えあい、交流していく、ともに生きる思いやりとふれあいのある地域社会を形成していきます。
① 福祉のこころの育成
高齢者や障害をもつ人との交流を深めるとともに、子どもの時から福祉について学ぶ機会を広げ、すべての人々の「福祉のこころ」を育くんでいきます。
② 男女平等の推進
区のあらゆる施策を男女共同参画の視点に立って展開し、家庭、学校、地域、職場における男女平等の普及・啓発に努めます。また、政策や方針決定への共同参画を促進するため、区の審議会や委員会などにおける女性委員の比率を高めていきます。
③ 地域におけるパートナーシップの確立
すべての人が住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるよう、ボランティア活動などを通じた人々の積極的な参加を促進するとともに、区民、団体、企業、行政がともに協力・連携する良好な関係づくりを推進します。

2 うるおいのある安全で快適なまちをめざして
(1) 住みやすい環境づくり
定住人口10万の中央区の形成を基本に、都心の魅力や特性をいかしつつ、住宅の供給促進や居住環境の向上など総合的な視点から住みやすい環境づくりを進めます。
① 住宅供給の促進・支援
民間と公共の役割分担のもとに、民間住宅については、まちづくり手法の積極的活用による良質な住宅の供給を促進し、公的住宅については福祉施策との連携も図りながら、多様なニーズに応える住宅の供給に努めます。
また、老朽住宅の更新については、防災上の観点からも建て替えを積極的に支援していきます。
② 水と緑につつまれた環境の整備
やすらぎやレクリェーションの場とともに、災害時にも重要な役割を果たすオープンスペースについては、公園・緑地の拡充整備や市街地再開発事業、河川・運河、広幅員道路などの整備のなかで創出します。
とくに、沿道の緑化とあわせ、隅田川をはじめとする豊かな水辺において、親水緑地空間の整備を促進し、水と緑のネットワークを形成します。
③ 住み続けられるための支援
地区の特性や居住者のライフスタイルに応じた、多様な住まい方を実現できるしくみをつくり、とくに高齢者や障害をもつ人にやさしい居住環境を整備していきます。
また、いつまでも住み続けられるために、日常の買い物などの生活利便性の向上、コミュニティの活性化、さらには適正な負担水準の税制の実現に努めます。
④ 福祉のまちづくりの推進
高齢者や障害をもつ人をはじめ、子ども連れの人などの日常生活上の精神的・物理的障壁のない先進都市をめざし、多くの人々が利用する建物や道路の整備改善を図るなど、事業者と連携・協力して福祉のまちづくりに努めます。
⑤ 生活衛生の確保
食品衛生および環境衛生の向上のための監視・指導や検査体制とともに、企業や家庭での適切な自己管理のための相談・指導を充実します。また、公衆浴場の経営安定を図るなど生活衛生全体の向上に努めます。
⑥ 環境美化の推進
まちをより美しく清潔にするため、区にかかわるすべての人々とともにまちの美化を積極的に推進します。
⑦ 消費生活の安定と向上
消費者の自主的活動を支援するため、学習機会の充実、消費生活情報の提供や消費者グループの育成を図ります。また、商品の安全性を確保するとともに消費生活上の被害の防止と救済を図るため相談体制を充実し、さらに、生鮮食品を扱う生活関連店舗の確保に努めます。

(2) 地球にやさしい環境づくり
高密度な都市活動が繰りひろげられている中央区の特性を踏まえつつ、温暖化防止や環境汚染防止など地球環境の保全の視点から、省資源・省エネルギーやリサイクル、あるいは公害防止などに積極的に取り組み、地球にやさしい環境づくりをめざします。
① 省資源・省エネルギーへの取組
環境にやさしい生活行動、企業活動を促進するため、省資源・省エネルギーの普及・啓発を図り、地球温暖化や大都市特有のヒートアイランド現象など環境への負荷をできるだけ軽減するよう努めます。
② 都市型・生活型公害の削減・抑制
排出ガスや騒音、振動調査による実態の把握に努めるとともに、低公害車の普及促進などを図り、自動車公害の防止に努めます。
また、工場や建設工事などによる騒音・振動やテレビ受信複合障害などの公害の抑制を図り、快適な生活環境を確保していきます。
③ 資源循環型社会づくりの推進
ごみ減量・リサイクルを推進するため、リサイクル施設の整備をはじめ、区民や事業者に対する普及・啓発活動の強化を図るとともに、資源の回収はもとより再生品の使用など総合的なリサイクルのしくみの確立に向けた取組を進めます。
④ 清掃事業への取組
平成12(2000)年度予定の都区制度改革以後、区が行う清掃事業においては、ごみの減量・リサイクルを進め、地域の実情にあった資源循環型のきめ細かい事業の展開に努めます。

(3) 都心にふさわしい都市の基盤づくり
都心中央区での多様な区民生活やおう盛な産業活動が展開される都市の基盤をつくるため、適正な土地利用のもとに道路・交通網、情報通信網の整備や災害に強いまちづくりを進めます。
① 道路・交通・通信網の整備
円滑な道路交通の確保のため、幹線道路の整備やネットワークを充実するとともに、駐車場の整備に努めます。あわせて生活優先道路については、通過交通を抑制し、交通安全の確保を進め、人にやさしい道路環境の実現に努めます。
また、月島・晴海地区への地下鉄、バス交通など多様な公共交通機関の導入を進めるほか、区内全域にわたるバス交通の一層の利便性の向上を図ります。
さらに、民間の電気通信事業者の協力のもとに、光ファイバーなどを活用した高度情報通信基盤の整備に努めます。
② 災害に強く安全なまちづくり
公共空間および公開空地などの防災用オープンスペースの確保や避難経路の緑化を進め、道路・橋りょう、ライフラインの耐震性の強化や建物の耐震・不燃化を推進し、災害に強いまちづくりを進めます。
加えて、区の初動態勢の強化など緊急時における危機管理能力の向上を図りつつ防災区民組織の育成・支援を進め、区民、事業所、団体、行政機関の協力のもとに、地域における災害弱者や帰宅困難者への対応も含めた中央区としての総合的な地域防災体制の強化を図ります。また、地域の連帯による犯罪防止に向けた施策を推進します。
③ 地域の特性をいかしたまちづくり
商業・業務系が中心を占める地域、商業・業務系と住居系が混在する地域、住居系が中心の地域などそれぞれの特性に応じ、地区計画の手法を活用するなど適切な土地利用を進めます。土地の高度利用が相当程度進んでいる地区においては、地下空間の計画的活用を図ります。加えて、民有地の公開空地の活用も図りオープンスペースの拡充に努めます。
また、「まちづくり協議会」の意向を踏まえた整備方針の策定など地域住民の合意形成によるまちづくりを進めるとともに、都市景観の形成にも十分配慮し、東京駅八重洲口一帯の再整備や名橋「日本橋」の景観の再生、晴海の国際交流拠点の整備など、地区ごとの特性を十分にいかしたまちづくりを進めます。

3 にぎわいとふれあいのある躍動するまちをめざして
(1) にぎわいと活力のある産業のまちづくり
中央区の生命線ともいえる「にぎわい」を維持・発展させ、活力あるまちづくりを進めるとともに、人々が希望をもって働くことができる環境をととのえます。
① 魅力ある商業のまちの形成
流通構造の変化や副都心の商業活動の高まりといった経営環境におかれている小売業や繊維・衣服、食品の卸売業などの都心商業が、伝統ある立地をいかしながら広域的な商業機能を発揮できるよう支援していきます。
また、区民生活に身近な商店街においては、在勤者などを視野に入れた事業を展開するなど個性的な店舗づくりを推進し、あわせて、商店街の特徴をいかした集客のしくみづくりなど活性化を図っていきます。
② 都市型工業の振興
印刷・製本・食品・金属といった地場産業の発展のため、事業活動の共同化・協業化を促進するなど、それぞれの産業の実情に適応した経営環境の改善に努めます。
とくに集積が著しい印刷業は、高度情報化による付加価値を高めるため、設備の充実や情報の収集・発信、人材育成のための研修の強化を図っていきます。
③ 創造的産業の育成
広告・デザイン・情報サービス業など創造的産業については、新たな地場産業として業界団体の組織化を図り、関連企業・業界間の連携・交流を促進し、その定着化を進めていきます。
④ 中小企業振興の推進
商工業を支える中小事業所の経営の安定を図るため、指導・相談や資金融資を充実するとともに情報化の対応、人材の確保・育成、異業種交流などによる経営基盤の強化や商工関係団体の活性化を支援していきます。
さらに、中小企業の振興とすべての産業の発展のため、拠点的な施設の整備に努めます。
⑤ 働く人々のための環境づくり
働く人々の勤労意欲の向上を図るため、自らの積極的な能力開発への支援を行うとともに、充実した余暇活動ができる環境づくりを進めます。さらに、働く人々の健康づくりの推進や福利厚生の充実に努めます。
⑥ 観光資源をいかしたにぎわいづくり
魅力あるまちの個性を積極的にPRし、中央区に多数ある貴重な観光・文化資源や地理的な有利性をいかした新たなまちのにぎわいを創出していきます。

(2) いきいきと学び豊かな個性を育むまちづくり
すべての教育の出発点である家庭における教育の支援や子ども一人ひとりの個性をいかした学校教育の充実を図るとともに、区民の生涯学習に対するニーズの多様化に的確に対応し、「教育の中央区」にふさわしい環境をととのえていきます。
① 家庭教育への支援
ひととしての基礎的な資質や能力を育成するうえで大切な家庭での教育を支援するため、親子が家庭においてともにふれあい学んでいく機会を充実し、あわせて地域全体で支援していく体制の整備を進めます。
② 個性を育む学校教育の推進
子ども一人ひとりの個性をのばし、豊かな人間性を培う「心の教育」を重視した教育内容の充実を図ります。さらに、区立学校の適正規模を確保しつつ施設の整備を行い、教育環境の向上を図ります。
また、学校は従来から地域におけるコミュニティの核としての役割を果たしており、地域との連携をより深め、「開かれた学校」を実現していきます。
③ 生涯を通じた学習活動の推進
区が行う講座・講習の充実とあわせて、幅広い情報の収集・提供や学習相談ができる体制を整備し、民間も含めた総合的・体系的な学習機会を提供していきます。
このため、生涯学習施設の機能の強化や既存の公共施設の有機的な連携により活動の場を確保し、いつでも、どこでも、だれでも学ぶことのできる生涯を通じた学習の基盤を整備していきます。
また、社会教育団体の育成・強化やとくに区内で活動している多くの人々の多種多様な能力の活用も含めた指導者の養成・確保に努めます。
④ 生涯スポーツの推進
健康でいきいきとした区民生活の実現に向け、スポーツ・レクリェーション施設の整備・充実、団体の育成や指導者の養成・確保、情報の収集・提供を行い、地域におけるスポーツ活動を促進していきます。
また、競技スポーツの振興とあわせて、楽しく体を動かしながら気軽に参加できる健康づくりの機会の拡充を図ります。

(3) 文化の香る交流のまちづくり
区民の生活に密着した地域における活動を、企業などの参加を図ることにより活発化し、都心にふさわしいコミュニティの形成と発展に努めます。
また、区民生活や産業活動に根ざした文化を大切にしつつ、多様な文化をもつ人々の交流を推進し、新しい文化を創造していきます。とくに、区民と海外諸都市の住民との交流などを通じ、世界平和に向けた取組を進めます。
① コミュニティの活性化
町会・自治会の活性化はもとより、地域の特性や活動の内容に対応した、新しい個性的なコミュニティを形成していきます。
そのため、地域の人々の融和を図りつつ、施設の整備や地域に根づいた個性的な活動の支援、情報提供のしくみづくりなどの施策を展開していきます。加えて、団体・企業などの地域活動への参加を推進し、地域における住民との連携を深めていきます。
② 文化の継承と発展
区民の文化活動の支援や活動が活発に行える環境を整備し、主体的な活動基盤の強化と新しい文化の創造を図ります。
また、区内の豊富な文化資源を活用することにより、人々が優れた文化や芸術に接する機会を拡充するとともに、歴史的文化遺産の保全や発掘に努めます。
あわせて、企業に対し文化・芸術に関する社会貢献活動を働きかけるなど、文化的な環境づくりに取り組みます。
③ 国際交流・地域間交流の推進
国内外の諸都市との交流を推進し、区民がさまざまな文化や生活に接する機会を充実します。また、区内在住の外国人や中央区を訪れる外国人にとって暮らしやすい環境づくりを進めます。
④ 平和に向けての取組
区民と海外諸都市の住民との交流を通じ、相互理解や友情を深め信頼関係を築くことにより、平和のいしずえをより強固なものとしていきます。
人々の平和に対する関心と理解を深めるため、啓発事業などを通じて平和を考える機会を充実していきます。

第4章 基本構想実現のために
基本構想の実現には、区の総力を結集することはもちろんのこと、区民をはじめ中央区を構成するあらゆる活動主体の参画が何よりも必要です。
この基本構想は、実現に至る多様な選択肢の確保にも十分留意しながら、次の基本姿勢で施策を総合的・計画的に実施していきます。
1 相互信頼にもとづく地域社会づくりの推進
区は、区民をはじめ中央区にかかわる人々や団体、企業などと相互信頼に培われた連携のもとに、公正で公平な地域社会づくりを進めます。
このため、区政情報の積極的提供や情報公開により行政の透明性を高めるとともに計画策定過程への参画機会の拡充や広聴機能の充実、個人情報の保護に努め、区民に信頼される開かれた区政を推進します。
さらに、ボランティアあるいはコミュニティ団体を通じて行う地域活動など、区民の自由で多様な取組を側面から支援していきます。
団体、企業やそこに働く人々に対しては、それぞれに最適な環境を提供すると同時に地域の一員としての自覚を促し、地域社会への貢献などを働きかけていきます。

2 基礎的自治体としての自立
住民に最も身近な基礎的自治体として、責任ある自治運営を担うためには、区民の理解と協力のもと、それにふさわしい財政自主権を含めた権限や能力をもつ必要があります。区は、地方主体の個性豊かな地域社会づくりに向け、都区制度改革を踏まえつつ、引き続き他区と連携しながら、国や東京都に一層の自治権拡充を求めていきます。このため、区職員は、これまで以上に資質の向上に努め、区民の期待に応えていきます。

3 柔軟で効率的な行財政運営
区は、多様化する行政需要や新しい課題に対応し、組織の改編や横断的な組織連携を図るとともに、高度情報化に対応した区政運営を進め、柔軟性のある執行体制を確立していきます。
また、行政の組織・機構の簡素合理化とともに、行政サービスや公共施設、受益と負担など、そのあり方についてつねに点検を行い、財源を効果的・効率的に運用していきます。

4 国や東京都、関係団体との連携
区は、多面的・総合的に取り組むべき大都市特有の課題などについて、区の主体性を確保しつつ、国や東京都をはじめ他の自治体、関係団体と相互調整し、役割を分担しながら連携して取り組んでいきます。

以上、

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