約700年前、吉田兼好が書いた『徒然草』。
いつ死ぬかもしれぬ、無常の世の中。今よりも、もっと過酷だったと思います。
人の人生40で死ぬのが適当と書いているのだから(第7段)。
それであっても、道を究めようとし、働き、恋をして、子を愛して、月を愛でて、死と向き合う人の姿が、描かれています。
友人との読書会で課題本になりました。
当時のブログだよね。どれにイイねつけるかだよね。そして、まさに今の話に通じるよね。と盛り上がりました。
全243段あるうち、自分に響くものを3つ挙げるとしたらどれをあげるか。
私は、7段、142段、236段を挙げました。
おもしろかったのが、9人の読書会でしたが、皆が挙げたものがまったく重ならなかったということです。
皆様は、気に入った段は、どれでしょうか。
今度、お会いした時、教えてください。
話題にして、盛り上がりたいです。
吉田兼好さんの人間臭さが好きです。
*********第7段**********
あだし野の露消ゆる時なく、鳥部山の煙立ちさらでのみ住み果つる習ひならば、いかに、物の哀れもなからん。世は定めなきこそいみじけれ。
命あるものを見るに、人ばかり久しきはなし。かげろふの夕を待ち、夏の蝉の春秋を知らぬもあるぞかし。つくづくと一年を暮らす程だにも、こよなうのどけしや。飽かず、惜しと思はば、千年を過すとも、一夜の夢の心地こそせめ。住みはてぬ世に、醜きすがたを待ちえて、何かはせん。命長ければ辱多し。長くとも四十(よそぢ)に足らぬほどにて死なんこそ、目安かるべけれ。
そのほど過ぎぬれば、かたちを恥づる心もなく、人に出でまじらはん事を思ひ、夕の日に子孫を愛して、榮行く末を見んまでの命をあらまし、ひたすら世を貪る心のみ深く、物のあはれも知らずなり行くなん、浅ましき。
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