先ほど午後7時頃、午後12時半から始まった第5回専門家会議が終わりました。延々6時間半。
会議の内容は、明日の各紙もとりあげられると思いますが、ひとことでいうと、「豊洲東京ガス跡地では、安全を買えても、市場業者・消費者の安心は買えない。」ということだと、私は感じました。
第9回の地下水モニタリング調査結果と同じく、その値が増えた地点も減少した地点もありはしたものの、再調査結果においても、汚染が検出された結果が出されました。
前日の金曜日報道されたことで、すでに都民には伝わっている通りです。
一方で、「汚染がまったく検出されなかった第1回から第8回の検査もまた、信用できる」との結論でした。(この結論は、大きく専門家会議の判断に影響を与えることとなります。)
専門家会議からは、「地上と地下は違うのであるから、地下については、地下水管理をしていき、将来的な汚染の除去を待ち、地下ピットにおいては、換気によって汚染物質を除去するという考え方」が示されました。
「なぜ、再調査でも汚染が検出されたのか」の理由を聞いていましたが、専門家会議では、地下水を排出したことの影響とのことでした。しかしながら、深刻な汚染の残存であることの可能性ももう少し検討する必要があるのではないかという印象を私は受けました。
なぜならば、
○第1回から第8回までの検体検査において、検体採取から測定まで、“すみやかに”検査すべきところ、第9回以外は、日にちをおいてなされていること。
よって、第1回から第8回の検査は、本当に信用できるものであるかの疑義が残る。
○第1回から第8回においても、検体の異臭が確認されているのも係わらず、検査結果は、未検出であり、実態と結果が合致をしていないこと。
よって、第1回から第8回の検査は、本当に信用できるものであるかの疑義が残る。
○ 第1回から第8回において、検体において、“再採取”がなされている事実が何カ所か実際にあったことがわかっている。
このことは、都合の悪かったデータを、再度検査をし未検出という結果を得るように恣意的な操作をした疑念がのこること。
よって、第1回から第8回の検査は、本当に信用できるものであるかの疑義が残る。
○地下水が上昇していることより、きれいな土壌と入れ替えた地盤面に近い土壌に再汚染がなされた可能性があると考えられること。
会場とのやりとりでは、水産及び青果の仲卸を中心に市場関係者からは、専門家会議が提案しようとしている手法(地下水管理と地下ピットの換気)は、それでは、消費者に対する食の安心が担保されないということで、猛反発を受ける結果となりました。
「消費者と名乗る複数の質問者」からは、環境基準の定義からは、健康被害がなく安全であるという、前回同様の議論がなされましたが、その論については、すでに仲卸の皆様は、承知のうえの議論であり、前回同じく一蹴される結果となりました。
「消費者と名乗る複数の質問者」と無礼な表現を用いているのは、本来消費者の発想では、安心はなくても良いという発想からは、論を立てることは一般的にないと感じ、私もまた、そう感じているから違和感を前回も今回もその質問者に違和感を受けたためです。
私は、この専門家会議への疑問があります。
汚染が残っているという方の考え方もあるわけで、それを前提とした案も含めた、複数の案を提言することこそが“科学的な”検討手法ではないかと考えます。
医学ではあれば、複数の治療の選択肢を提示することが普通です。その中で、メリット・デメリットを考えて結論を導き出します。
今回、ひとつの既定路線の考え方しか出されなかったことに大きな疑問を抱きます。
私がとやかくいうまでもなく、市場関係者の納得はえられていないことが、はっきりとわかりました。
今日の会議を経て、豊洲移転はなくなったといえるのではないかとも考えるところです。
少なくとも、移転の可能性は遠のいたと思います。
以上
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