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宮坂 昌之先生より、「日本で新型コロナウイルス感染症の第二波がなぜ起きたのか」British Medical Journal(英国医学雑誌)8月18日号Editorial 

2020-08-22 15:47:43 | 各論:新型インフルエンザに備える

 英国医学雑誌による日本の第二波の分析です。

 重要な内容があり、冬のもしかしてくるかもしれない大きな波に備えるためにも、掲載します。


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8月18日号のBritish Medical Journal(英国医学雑誌)のEditorialに「日本で新型コロナウイルス感染症の第二波がなぜ起きたのか」という記事があり、イギリスと日本のチームが共同で興味深い指摘をしています。私にとっては、いずれも納得のいくものです。既に、この記事は他のところでも紹介されていますが、少し実際の中身と違うところがありますので、改めて、私なりに紹介を試みます。まず、第二波を許した理由として、次の5点が挙げられています。(1)PCR検査体制に不備があり、一般の医療機関からの検査依頼を十分に受けられず、このために正しく診断できない例が増え、結果として社会での集団感染や院内感染が起きた。(2)保健所に業務が集中して飽和状態になったこと。この原因の一つとして紙ベースの古い報告体制が指摘されている。(3)パンデミックの初期では、政府からの行動変容に対するキャンペーンが十分でなかった。三密回避の指摘は良かったが、対人距離の保持、手洗いの励行、不要不急の外出の回避などについては、単に個人レベルでの遵守励行にとどまっていた、(4)専門家会議の独立性が十分でなく、メンバーの専門性が偏っていたこともあり、政府に対して十分なアドバイスが出来なかった。特に、専門家会議の意見が政策実行側によって修正されたことがあったことは問題である、(5)政府の説明責任と透明性が不十分であり、首相が明確なビジョンとメッセージを出さなかったこと。そして、editorialの最後には、日本政府がこれらについて早く対策を立て改善を図るともに、遺伝子データやビッグデータの解析など最新科学の振興に一層の力を注がないと、再び感染の波が来るかもしれない、と指摘している。

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