「まちが健康でなければ、そこで暮らすひとは健康になれない」「法はひとを守るために存在する」「政治が科学的真理をゆがめてはならない」
私は、これら三つの命題を、信じています。
そのひとつ、「政治が科学的真理をゆがめてはならない」に関連することがらの記事が、以下にあります。
行政のかたも、学者の先生方も、一生懸命にまちづくりを考えて下さっていながら、まちづくりがあるべき方向に進まないことを多々見てきました。
なぜか。
記事にある防波堤問題についても、政治が(防波堤問題では、民意からかい離した政治が)、現場でがんばる行政のかたや御用学者でない学者のかたの提案であるところの科学的真理をゆがめてしまっているのではないかと、推察するところです。
政府の中央防災会議・専門調査会、その座長を務めた河田恵昭(かわたよしあき)・関西大教授のインタビュー記事。
********朝日新聞**********************************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342564.html
(てんでんこ)防潮堤:23 インタビュー
2016年5月5日05時00分
■「シミュレーションはごまかし。現場は一生懸命だが、だんだん腹が立ってきた」
東日本大震災のあと、防潮堤整備の大方針を決めたのは政府の中央防災会議・専門調査会だった。その座長を務めた河田恵昭(かわたよしあき)・関西大教授に改めて、思いを聞いた。
――調査会の提言は漠然とした文言だった。高い防潮堤ができる心配はなかったか
「具体的に書くと、選択の余地がなくなる。現場の議論を反映できるようにした。基本は逃げること。逃げても助からない場合はサポートする施設を造る。提言を本当に理解してくれたら、地域に合ったいろんなバリエーションの防潮堤ができたはずだ」
――具体的な基準は官僚と専門家が決めた
「土木工学者は、まちづくりと一体となった防潮堤という発想に乏しい。学会も縦割り。国土交通省から『ご下問』を受けて納得する答申を出すことをずっとやってきた」
――防潮堤の高さは、津波の痕跡などからシミュレーションをして決めている
「今回の津波のメカニズムも、明治三陸津波も解明されていない。痕跡の高さに合うように津波を推測しているだけ。ごまかしだ。研究者は正直に説明すべきだ。住民は数値が出たら、そうかと思う。それが怖い。シミュレーション頼みで高さを決めたらいかん」
――なぜ早い段階で異論を挟まなかったか
「プライドを持って一生懸命やっている現場に、口を挟めない。世間も被災地に同情しているときに、理性をふりかざして言えますか。でも、だんだん腹が立ってきた」
――教訓や反省すべきことは
「中央防災会議に計画をフィードバックして承認するしくみを提言に盛り込めばよかった。自治体も、防潮堤や高台造成にかかる費用の総額がわかった時点で、計画がベストなのか、という議論をすべきだった」
――見直しても、国の基準通りにやらないとお金がもらえないのでは
「そんなことない。国交省幹部に教え子が多いので、わかっている。知事が見識を持つべきだ。集中復興期間の5年で造らないと国費でできないと急いだが、住民に考えさせるプロセスを踏むべきだ。もめるほど良いものができる。知識レベルも上がる」(東野真和)
(No.23)
私は、これら三つの命題を、信じています。
そのひとつ、「政治が科学的真理をゆがめてはならない」に関連することがらの記事が、以下にあります。
行政のかたも、学者の先生方も、一生懸命にまちづくりを考えて下さっていながら、まちづくりがあるべき方向に進まないことを多々見てきました。
なぜか。
記事にある防波堤問題についても、政治が(防波堤問題では、民意からかい離した政治が)、現場でがんばる行政のかたや御用学者でない学者のかたの提案であるところの科学的真理をゆがめてしまっているのではないかと、推察するところです。
政府の中央防災会議・専門調査会、その座長を務めた河田恵昭(かわたよしあき)・関西大教授のインタビュー記事。
********朝日新聞**********************************
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12342564.html
(てんでんこ)防潮堤:23 インタビュー
2016年5月5日05時00分
■「シミュレーションはごまかし。現場は一生懸命だが、だんだん腹が立ってきた」
東日本大震災のあと、防潮堤整備の大方針を決めたのは政府の中央防災会議・専門調査会だった。その座長を務めた河田恵昭(かわたよしあき)・関西大教授に改めて、思いを聞いた。
――調査会の提言は漠然とした文言だった。高い防潮堤ができる心配はなかったか
「具体的に書くと、選択の余地がなくなる。現場の議論を反映できるようにした。基本は逃げること。逃げても助からない場合はサポートする施設を造る。提言を本当に理解してくれたら、地域に合ったいろんなバリエーションの防潮堤ができたはずだ」
――具体的な基準は官僚と専門家が決めた
「土木工学者は、まちづくりと一体となった防潮堤という発想に乏しい。学会も縦割り。国土交通省から『ご下問』を受けて納得する答申を出すことをずっとやってきた」
――防潮堤の高さは、津波の痕跡などからシミュレーションをして決めている
「今回の津波のメカニズムも、明治三陸津波も解明されていない。痕跡の高さに合うように津波を推測しているだけ。ごまかしだ。研究者は正直に説明すべきだ。住民は数値が出たら、そうかと思う。それが怖い。シミュレーション頼みで高さを決めたらいかん」
――なぜ早い段階で異論を挟まなかったか
「プライドを持って一生懸命やっている現場に、口を挟めない。世間も被災地に同情しているときに、理性をふりかざして言えますか。でも、だんだん腹が立ってきた」
――教訓や反省すべきことは
「中央防災会議に計画をフィードバックして承認するしくみを提言に盛り込めばよかった。自治体も、防潮堤や高台造成にかかる費用の総額がわかった時点で、計画がベストなのか、という議論をすべきだった」
――見直しても、国の基準通りにやらないとお金がもらえないのでは
「そんなことない。国交省幹部に教え子が多いので、わかっている。知事が見識を持つべきだ。集中復興期間の5年で造らないと国費でできないと急いだが、住民に考えさせるプロセスを踏むべきだ。もめるほど良いものができる。知識レベルも上がる」(東野真和)
(No.23)