野ゆき山ゆき海邊ゆき

日々の生活の中で出合う自然や民俗、歴史遺産を記録します。主な舞台は和歌山県中部。タイトルは佐藤春夫の「殉情詩集」より。

興国寺燈籠焼き(火祭り)

2012年08月16日 | 歴史
3年ぶりで由良の開山興国寺の燈籠焼きを見に行った。燈籠焼きについては、長きにわたって同じ段取りを繰り返しているので3年前の記事をご覧いただきたい。ただ前回は1枚しかアップしなかったので、今回は各ステージを示したい。
http://blog.goo.ne.jp/kny0516/e/a5009c6e79258aff17e3688190ab810d



              
21時より法要が始まる。唱える念仏は般若心経だろうか。明暗流の尺八が奏でる曲は念仏に等しいのだろう。

              
本堂を回る。


興国寺燈籠を先頭に無常堂に向かう。

              
燈籠には「南無阿弥陀仏」が切り込まれている。自力本願の禅宗と他力本願の象徴「南無阿弥陀仏」はどう折り合うのだろうか。


大松明が寺の境内入り口に4本用意されている。

              
無常堂に向かう燈籠の群れ。


子どもによる松明踊り。六歳念仏にあわせて踊る。シンクロがイマイチだった。


重さが160kgほどある大松明を持って釜場を3回回る。

              
運び込まれた大松明は「線香立て」、「拝みあわせ」、投げて転がす「俵返し」とちょっとしたショ-
を行う。


興国寺燈籠がまず火に投入される。

            
檀家の燈籠が次々に火に投ぜられる。


虚無僧が尺八を演奏しながら火の周りを回る。


南無阿弥陀仏の称号が夜の空に響いてゆき燈籠焼きは終わりを迎える。

今回非檀家ながら送り火を拝見させていただいた。とてもステキな行事だと思う。盆行事を観光として扱うにはちょっとためらいがあるが、大松明の線香立てなどは観客を意識した行為ではないだろうか。厳かな先祖送りの行事ゆえ多くの人に見ていただきたいものである。盆行事が廃れる今こそ広く知らしめる必要があるように思う。そのため無常堂でのマイクによる説明をもう少し洗練されたものにして欲しいものである。六歳念仏をもっと良い声で聞かせて欲しい。松明踊りや大松明についての説明はもう少し内容と声を明瞭にして欲しい。六歳念仏を流しているのか説明しているのかわからない。この行事が、今まで続いてきた年数750年は今後続いて欲しいものである。
コメント
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