花熟里(けじゅくり)の静かな日々

脳出血の後遺症で左半身麻痺。日々目する美しい自然、ちょっと気になること、健康管理などを書いてみます。

チリーの銅鉱山落盤事故で33名の救出を見て。

2010年10月15日 17時16分15秒 | ちょっと気になること
鉱山の落盤事故で地下約700mに閉じ込められた33人が69日ぶりに全員無事生還し

たニュースは全世界の人々に生きる勇気を与えてくれたものと思います。33名の方がカ

プセル「フェニックス」から出てくるたびに涙が出てきました。

地下700mの狭い空間で69日間を過ごすというのは想像を絶します。 マスコミでは

33名が生還できた理由を挙げています。


 1)人物的によきリーダーに恵まれたこと

 2)このリーダーが秩序を保つためにとった手段が危機管理の手法に沿ったものだった

   こと。

   ア)事故直後、仲間を一か所に集めて手分けして落盤の状況を調べ、自分たちが閉

     じ込められていることを確認した。

   イ)限りある食料を配給性とした。

   ウ)33名を 「仕事班」 「睡眠班」 「休憩班」 の3班に分け班長が統率す

     るようにした。 さらに、細かく担当を決め責任を持たせていた。

   エ)各人は、それぞれ個々の得意とする分野で役割を果たした。
  
    「健康管理(救急医療の知識のある人」 「信仰(牧師の人)」 「もろもろ相

     談(最年長者の人」 「雰囲気盛り上げ(明るく好かれる性格)」 「規律

    (元軍人の人)」

   オ)全体の決定は多数決とした。
 

 3)事故から17日目という早い時期に地上との交信が出来、生還への希望ができたこ

   と。


極限状況の中で精神的な混乱を招かなかった理由の大きなものに、冷静で忍耐強く組織的

であるというチリー人の国民性や、チリー人の家族の絆の強さが指摘されていますが、さ

らに、宗教の存在があるように感じています。 チリーの国民はほとんどが、敬虔なカト

リックだと思います。33名の中に牧師の方がおり地下に聖書を送ってもらい、神への祈

りをささげることを指導したことも報じられています。 神への信仰が精神的な支えにな

ったのではないでしょうか。 

私はインドネシア駐在時.敬虔なイスラム教徒の中で6年間を過ごしてきており、宗教が

生活の中に溶け込んでいることを目の当たりにしていますので、チリーの落盤事故遭遇者

も宗教が精神面での大きな支えになっているものと思っています。


地下の状況が映像で流されてくるようになり、閉じ込められた地下の中で、チリー国旗を

持ち、国家を歌っていました。 また、フェニックスから生還者がでてくると、地上の人

と共にチリー・チリーと国旗を振りかざしながら声を出して抱き合って喜んでいました。

なんという素晴らしい光景と感動を覚えました。


我が日本で同様の事故が発生した場合のことを想像してみるとさびしくなります。 地下

に閉じ込められた人や地上で救出を行っている人々が、国旗を手にすること、国歌を歌う

情景を想像できないのです。 

国旗・国歌法案に反対した民主党が政権を握っていますが、管総理始め閣僚の方々は、こ

のたびのチリー国民のこのような行動をどのような思いで見ていたのでしょうか?


米航空宇宙局(NASA)が専門家を派遣して、地下での規則正しい睡眠確保やビタミン

D投与の増加など、医療や栄養面、さらにはメンタル面での助言をおこなったことが大き

く報じられていました。 他方、日本はと言えば、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の

要請で、民間企業の「グンゼ」がスペースシャトルに搭載された消臭機能や吸湿性に優れ

た‘Tシャツ’と‘ブリーフ’を、「ヤマザキナビスコ」が‘黒あめ’と‘ミントキャン

ディー’をそれぞれ無償提供したことが小さな記事で紹介されていましたが、気がついた

人は少なかったのではないでしょうか。 

このようなことは謙譲の美徳を発揮することなく、日本政府として堂々と大きく発表して

ほしかったと思っています。


なお、‘プチプチ(エアパッキン)’を製造する川上産業は、在日チリ大使館を通じて、

33名がプチプチをつぶしてストレス解消に役立ててほしいとして、プチプチを寄贈したこ

とも報じられています。 さて、効果はあったのでしょうか?



(2010年10月15 日 ☆きらきら星☆)



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