ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

悟り(2)

2013-05-30 | なんとなく仏教?
父が死んだ。 62歳だった。



母が死んだ。 78歳だった。







梅雨入りは 例年より 10日ほど早かったという。







村中の子ども達の「初めてのおつかい」に登場する
お豆腐屋さんも亡くなった。

豆腐屋のジイサンは 高齢だったが
入退院と 店の一時閉店・再開とを繰り返してくれた。

豆腐難民となった私たちは 
その間に あちこちの豆腐屋をめぐって
どこそこの豆腐はまあまあだ、
いや、あっちの方が美味しい、
などと情報交換をして
村で一軒の美味しい豆腐屋が閉店した後の
事前トレーニングを積む事ができたのだった。



私が見つけたのは、大手スーパーに置いてある、
有名な豆腐屋の 一丁500円の豆腐。

それが 村の豆腐屋の105円の豆腐に 最も近い味だった。

あのジイサンは 自分で美味しいと思える豆腐を
大豆にこだわって(結果、北海道産の大豆だったそうだが)
作り続けてくれていたのだ。



何の話だっけ?

そうだ、「死」だ。







我が家のクイーン・オブ・スウェーデンの開花も
例年より10日ほど早かった。






20代の終わりに当地にやって来た私は
50代半ばになった。

当時 若手だった ヨウちゃんも 義さんも
そろそろ老境に近づいている。



死ぬ事を忘れてしまったような
90代も終わりの方のジイサンも
90代半ばのバアサンも
そろそろ身体がきかなくなってきいているし、
そろそろ新しい記憶がアヤシクなっている。

 (このふたりだって、村内最高齢というわけではない。

  聞いた所によると、100歳を超えて
  まだまだ元気なバアサンがいるらしい。)

ふたりよりも もっと若手だった人達が
次々と鬼籍に入っている。






同級生にも 亡くなる人は続いている。

亭主を亡くした同級生もいる。

あの時は あんなに元気だったのに、と思う。







テレビドラマで「ぱじ」というのを見た。

(→ヒューマンドラマスペシャル「ぱじ」:じいじと孫娘の愛情物語



女の子が可愛い過ぎるのが   
私としては気に食わない(爆)
が、評判の高かったドラマだ。



孫を引き取ったジイジが 
自らの<老い>と <老い先>の短さを実感しつつ
愛する孫の無事と成長を願い、見守り、時に奮闘する。



伊藤四郎の友人達も 同様に老いている。

<老い>は日常であり、<衰え>も常識である。



けれど そこに 
共に老い、共に悩んでくれる思いやりあふれる隣人達がいて

  (吉行和子は77歳)

それに関しては 
女の子が それは幸せな人生を歩んで来れた事は
間違いない。





ジイサン・バアサンとなった彼らが
自分達亡き後の世界を胸の内で想像し、
より良き未来であるために
今 自分達にできる事とは何か?
を考え、実行していく。

その根底にあるのは、愛。

愛しい者達に寄せる深い人間の情である。



そして、人は、運がよければ、
みんな、老いていく事ができる。

それはしかし、苦悩の日々でもあるらしい。






何の話だっけ?

そうだ、死だ。










周りを見回して、私が実感し続けている事。

それは。



人は、どうやら、やっぱり、みんな、死ぬらしい。






疑った事がある訳じゃないけど、
本当に、本当に、みんなが死んでいく。

ああ、私も 死んでいくんだ。

そう思う。

実感として、それがわかった。 って感じだ。



それが ようやく実感としてわかったのは、
そう、乳がんの手術を受けた頃だった。

癌だったからじゃない。

半世紀近く生きてきて
周りを見てきて
そして それがわかった。

手術から10年経った今では
まるで村の古老のように わかってきたよ!(爆)




5 コメント

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苦悩の日々は (トト)
2013-05-31 00:13:43
老いてゆく苦悩の日々・・・何とか苦悩を変えられないか。

若い時の自分のままじゃ苦悩の日々になる

人生、生まれる時は選べないが、死ぬときはどうしよう?

悟りはそんな事を考えてしまう!

人の死は幾度となく体験し、臨終の枕元にも居合わせた。

人が老いてゆくと子供のようになると聞いた、自分が自分を分析すると只今高校生くらいだろうか?
そういえば、中学から高校に向けては苦悩の日々だった、小学生くらいになればちょっと楽かも。

小学生低学年くらいは何も考えなくて、楽しい日々だった、そんな老後もいいですね。

自然とそうなるように、いい年の戻し方をしたい・・・

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あきらめるな!!! (ジョルジュ)
2013-05-31 11:54:34
と言う人もいるけれど、それが正しい場合もあるだろうけれど、
「諦める」ことこそが 肝要な場合も 老いた後には多かろうと想像しています。

なるほど。
「いい年のとり方」ではなく、「いい年の戻し方」ですね。
人生もようやく後半に入りましたので(?笑)、
そういう考え方で生きていこうかな。

でも 人は いくつになってからでも <成熟>できる、と説いた文豪もいます。
それはそれで いい考え方かな、とも思います。
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ブログ ()
2013-06-02 18:06:09
再開できてよかったですねえ。
長年使い慣れたパスワード、勝手に指が動くようになっていたのに。変更して、考えながらやらんといかんようになりました。

私より若いジョルジュさんが、もうご両親をお見送りしたがですねえ。誰にも来るその時ですが、予測が出来ないからえいのかもしれんと、明日も明後日も、そして来年もあると思って暮らしている私です。

クイーン・オブ・スウェーデンっていうバラですか。テーマカラーがピンクの時選んだがでしょうか、なかなか素敵な色で、虫にも食わさず綺麗に育てていますねえ。

バラは、葉が美しくなければと思う私ですが、なかなかうまく育てられません。

こんなドラマ有りましたか?知っていたら見たと思いますが、番宣もよう見てなかった。この女の子可愛らしいけど、大人がやらせるのだろうけど、あのしゃべり方あまり好きじゃないなと思ってCM見ていました(CMやったよね)

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ドラマ (きらら)
2013-06-04 00:06:39
子役の女の子、まっすぐ見つめてくる様子が、これまた可愛いですね。
ドラマを見てみたかったな、きっと泣くんだろうな。最近、また一段と涙もろくなっています。

「死ぬ事を忘れてしまったような」
ははは。笑ってしまいました。
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ここんとこ、お出かけ続き♪ (ジョルジュ)
2013-06-05 00:31:36
風さん、お返事が遅くなりました。
パスワード、未だにメモを見ずには入れられません(大汗)。
女の子は きっと与えられたセリフをキチンとこなしているのだろうと思います。
車のCMに出ていると思います。 「~が付いたんだよ」というセリフでしょうか?
バラは あの花びらの中に 小型のカナブンみたいのが ドッサリ入っていたりします。
無農薬もほどほどにしないと、と(汗)。 アブラムシも付きます(涙)。
「死」は 予測なつかないから 生きていられるのですよね(笑)。 
「生」は 限りがあるから、美しいのだとも思っています。

きららさん、
涙もろかったら、きっと泣きます(笑)。
花嫁姿の井上真央ちゃん、キレイでしたよ。
口の悪い人達に「ありぁ、妖怪だ!」といわれているお爺さんがいるんですよ。
気持ちが若いです!
でも そろそろアヤシイのです(苦笑)。
アヤシくて、死ぬ事を忘れてしまったようです(笑)。
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