ジョルジュの窓

乳がんのこと、食べること、生きること、死ぬこと、
大切なこと、くだらないこと、
いろんなことについて、考えたい。

一周年記念日

2005-01-26 | 乳がん
小さな小さな庭だけど、土の部分を残せてよかった。
愛犬が好き勝手に 地面に穴を掘る事ができる。
写真はお気に入りの窪みに すっぽりと納まる愛犬。
この窪みは 暑い時と寒い時に 収まっている事が多い。
シーズンごとに メンテナンスも しっかりやっている。
(穴を掘りなおし、土をやわらかくして。)






入院・手術から 一年を迎えた時、
私の胸の しこりがあった辺りは、
まだしばしば 鋭い痛みがあった。

主治医に訴えると、
「がんが大きかったからねー」
で、終わる。

どんな質問にも 口癖のように
「一年から二年はかかるんだ」
と答えるという主治医。

まだ一年だから、
それほど変わらないってことか。
これで2年たっても 変わらなかったら、
はっきり聞いてやる。



胸の痛みのほかに、
・冷たいものを飲んだ時に、
 飲んだ液体が いったん術側の胸に溜まってから
 流れ落ちるような感覚がある。 

・一度は動きがよくなった腕が、
 運動をさぼっていると また ひきつれるように
 動かすと痛む。

などなど、術後に変化した事への不満は
いくつかあった。
これらは 程度は穏やかにはなったが、
いまでも残っている。

イライラしたり 不安になったりするほどではなくなったので、
主治医に
「一体、いつになったら こんなことがなくなるんですか?」
と 突っかからずに済んで、ほっとしている。



乳がんの治療をした日を
「第二の誕生日」と呼ぶ人たちがいる。

生命の危険のそれほどある手術ではないのだから
(病気そのものは
 そのままにしておくと危険だけれど)
大げさな気がしないでもないが、
私にとっても、大事な記念日。

真摯に 一年間生きてこれたことを
神仏に、また 協力してくれた家族に 
感謝したい気持ちになる。

正直に言えば、お祝いして欲しい!

私は手術の日が その日だと思っているが、
娘は入院の日や 退院の日のほうが
印象が強いと言う。



2003年12月のその日(手術の日)、
亭主と私は 電車で県庁所在地まで出かけ、
ホテルの最上階のレストランで ディナーを楽しんだ。

学校関係で一度だけ 
私はそこで贅沢なランチを食べた事があり、
眺望も サービスも 味も 気に入っていたのだ。
なんでも有名なシェフがいるとかで、
できたらいつか ディナーを、と 憧れていた。

亭主が快くOKを出し、
学校帰りの子供達と駅前で待ち合わせ
(学校は二人とも 家より県庁の方が近い)、
夜景のきれいな最上階で カクテルを飲み、
美味しいフランス料理を食べた。

私は入院からこれまで
不便をかけたこと、協力をしてくれたこと、
我慢してくれたことなどに対する 
感謝の気持ちを 素直に言葉にして
「これからも続くのでヨロシク」と乾杯をした。
(「これからも」のところでは 
  子供達は ちょっと嫌そうな顔をした)



春の亭主の誕生日のステーキを食べた夜に
足指の激しい痛みで目覚めてから
肉やバターは 控えめにしていた私だが、
この日は たとえ後で痛くなっても
どんなに油っこくても
きれいに食べてやる!
という悲壮(?)な覚悟で臨んだ夕食会。

そのお味は とても優しく柔らかく、
油を使ってないはずはない、と思うのに、
全くしつこさがなく、いくらでも食べられそう。
このレストランにしてよかった! 
と 感激する美味しさだった。
心配した関節痛も ひどくならずに済んだ。

その美味しさと カクテルの味見(ちょこっとだけ)で
子供達も大満足、上機嫌で、
楽しい、楽しい 夕食会になった。



残念だったのは、予約をしていなかったので
(予約を、と訴える私に、亭主は応じなかった)
平日だったのに 眺めのよい席は とれなかった事。
「今度来るときは 予約して あっちの席に座ろうね」
とみんなで言い合った。

去年のクリスマスに(ええ、仏教徒ですけれど)
気楽でおいしいイタリアンのお店で食事をする、
と亭主が宣言した時に 
すかさず私は 「予約したの?」と聞き、
ついで それを聞いた娘も 開口一番
「予約した?」
と尋ねてきた時には おかしかった。

亭主も珍しく予約を入れてくれた。
久々のナイフとフォークを 怪しく操っていると、
じきに満席になった。
「予約してなかったら、入れなかったねー。」
とりあえず 小さな失敗から
何かを学んであろう亭主も、ほっとしていた。



今現在の不満は、さまざまな理由から、
2周年記念日を ちゃんとお祝いしていない事。
美味しいものを 食べに行くだけでいいのにィ。

12 コメント

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お祝いしよう、そうしよう。 (ママ)
2005-01-26 16:52:46
こんにちわ。

私もジョルジュさんのように手術の日が

なんとなく、記念日のように思ってます。

家族で無事を祝って食事って素敵な習慣ですね。

私は、手術日が息子のバースデーだったので、

兼用でコッソリお祝いしてマス。

ワンちゃん、大人しそうで可愛いですね。

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こんにちは (ジョルジュ)
2005-01-26 17:27:03
そうですよね! お祝いしなくちゃ! って感じですよね!

ママさんは 単独のお祝いでなくて残念ですね。

それもまた、いいのかな。

私は普段決して行かない、いや、行けない(豪華さ、値段、などの点で)ところで食事をしたいんです。

プラス、知ってる人に会わないところ。

だから クリスマスに行った地元のレストランでは、

絶対、承服できない! のです。

記念品も買わない、ささやかな楽しみです。

でも家族全員で楽しめれば、

みんなシアワセでいいんじゃないか、と。



愛犬は ホント、おとなしいです。

知らない人が入ってさえ来なければ。

吼える時は「これが女の子?」というような、

すご~~~~く怖い大きな声で吼えます!
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密かな記念日 (Coo )
2005-01-26 18:08:27
家族で美味しい穏やかな一時。

良いですね。

私も今年のバレンタインデーには夫にカードでも

書いてみようかな。

ちゃんと感謝の気持ちを伝えようかな。



昨年の1周年はまっかなコートを買いました。

ちょっと、ホテルのドアマン風。

でも気に入っていて気分転換したいときに着ます。

今年の2周年はまだちゃんと祝っていないです~。

24日にCTを受けて、31日に聞きに行きます。

それがクリアしたら・・・2個買っちゃうよ~。

2周年だからね~~。
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娘さんに ()
2005-01-26 18:27:37
とっては、入院でお母さんが家にいなくなった寂しい日、退院して戻ってきた嬉しい日の方が印象に残るのでしょうね、娘が小学2年ぐらいの時、家に遊びに来た友達と、ままごとか何かをしていて、「今日はお母さんの退院の日ですよ」と言ったら、友達が「退院」って何?と聞いたのです。娘が「病院から帰ってくる日」と言っていたけど、その子は理解できなかったようです。



普段は行かない超豪華なディナーは何よりのご褒美元気が出ますね。



庭を自由に掘って、お気に入りのくぼみを作れるなんて、ワンちゃん幸せですね。
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こんばんは (ジョルジュ)
2005-01-26 19:15:20
この、こんばんはを、イマドキのナウなヤングは(ププ)

「こんばんわ」と書くのだそうだが。

「こんにちわ」と同じで、違和感のある、おばさんです。



Coo さん、二周年だと、2個ですか?

まねしよっかなー。

私は子供達の反対に会って、紅いブレザーを買えませんでした。

「ママのイメージじゃない!」とのことでした。

だ・か・ら、買いたかったのに。

もともと我儘ママだったのが、いっそう我儘度を増したので、

きっと家族は我慢が続いている部分があると思う。。

バレンタイン・カードに 愛と感謝のメッセージ、

きっとご主人もホロリとくるんじゃないかしら?

嬉しい検査結果がでることを 祈っています。



風さん、いいでしょ?いいでしょ?

美味しいものを食べるのは、なによりパワーが出ます!

今では立派に親離れ&ひとり立ちなさった娘さん。

その娘さんのおままごとの 何気ないひとこまを

忘れられずにいらっしゃるんですね。

風さんがどんな気持ちで その言葉を聞いてらしたか。。。

その光景を想像すると、

ちょっとウルウルきてしまいます。
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おめでとうございます。 (モモンガ)
2005-01-27 06:59:31
二年目を迎えられてよかったですね。

人には言えないような精神的な気持ちを包み込んで明るくこの日を迎える事が出来て。

もう三年目にはいっているんですか

でも、人間の体は切り取った後にも神経が覚えていて痛みが残るんですね。

ごちそうもよいですが第二の誕生日、命と向き合う日にしてくださいね。こんなに大きな体験をして、強いですね。ウーム言葉がみつかりません。
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☆祝☆ (エミコ)
2005-01-27 13:12:31
記念日おめでとうございます。

みんなが頑張ったし、当人が一番頑張ったと思うんです。

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ありがとうございます! (ジョルジュ)
2005-01-27 21:10:56
モモンガさん、

手術は12月だったので、3年目にはいりました!

ごく初期とかⅠ期とかではなかったので、

5年生存率で言えば 87%もないはずなんですが、

ノーテンキなせいか、腫瘍マーカー値もあがらず、

へっちゃらで元気に過ごしています。

このままあと40年は生きますわよ!



エミコさん、

一年一年、あっという間です。

でも、正直、私はな~んも 頑張っていません。

それぞれにみんな頑張ったのに、私は寝てた。。。

精神的な部分で、メゲないためにエネルギーを使っていたのかなあ。
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Unknown (べっしー)
2005-01-29 10:15:58
あー、なんか、いい話だなあ・・・

おいしいもんを家族みんなで楽しくいただく、って何て幸せなんだろ。



私も母が手術した日よりは入院した日のことの方が強烈に覚えてますね。なんでかな。
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あ、やっぱり、そうなんだ。。 (ジョルジュ)
2005-01-29 11:02:45
べっしーさんもそうなんですか。

「家族」なら、そうなのかもしれませんね。

「おかあさん」は 本来「殺しても死なない」くらいが

一番なのですが、ウチは私が一番情けないヨワッピです。

それにしても2周年記念のお食事会、

美味しいものを食べたいんだけどなー。

このままウヤムヤのうちに 無くならせはしないぞ!
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