頻繁に訪れる機会があるのにいつも食べるところを探すのに苦労する犬山市。もちろんチェーン店ならあるのだが…。そこで、最近お気に入りの自転車を使って路地を開拓してみた。犬山城のお膝元の城下町は何度も訪れているのだが、正直、古さを装った観光客向けっぽい店も多いのであまり食事をした事がない。今回は平日の午後遅い時間から空きがあったので、自転車でくまなく散策。平日の夕方とあって付近を歩いている人は生活者ばかり。休日などは観光客が多いメインの本町通りも薄暮時はひっそり。細かく区切られた路地を通り、周囲を見回すと、歴史ある建物や、和菓子屋、煙草屋など、その昔、花街であっただろう名残りも散見することが出来る。この日も遠くで三味線のお稽古をしている音が聴こえてきたりして、とても風情がある夕暮れだった。そんな中にあまり目立たない路上看板をだした洋館があるのに気付いた。洋食の「開進亭」。店名がいかにも昔のハイカラな洋食屋を彷彿とさせてクラシック。
この店、今まで全然知らなかった。少し調べてみると創業は大正にまで遡ることが出来るようだ。コンクリートの立派な建物で3階まであるのかな。これで入口に暖簾がかかっているともっといいと思うんだけどなァ。店の中に入るとそろそろ閉店の時間だったのか、なかなか気付いてもらえず、大きいテレビの音に、声もかき消されてしまう。やっと年輩の女性(奥様?)と目があって注文を聞いてもらった。自分の座った1階はテーブル席のみ。店を見回すと2階への階段もあるので座敷もあるのだろうか、意外と大箱なのかもしれない。この建物が城下町に出来た時はさぞかし目立っただろうな。
しばらくして注文したかつ丼が運ばれた。何の予備知識もなく頼んだのだが、かつを玉子でとじてある一般的なかつ丼と違い、人形町の「小春軒」を思わせるような半熟の玉子が真ん中に落としてあるタイプ。いわば”目玉のせカツ丼”。つゆのかけられたかつとご飯を頬張りつつ、機を見て玉子を箸で崩し、黄身を混ぜ合わせて楽しむ。昭和クラシックな空間で食べるクラシックなかつ丼。なかなかイイ。次はハヤシか、オムライスか。(勘定は¥700)
↓ 写真は開進亭のとなりの割烹「香楽」。とても気になるが入る勇気はまだありません(笑)。でも仕出し専門?
開進亭
愛知県犬山市犬山西古券267
( かいしんてい 目玉落とし 目玉のせ 亜種 かつ丼 かつどん カツ丼 )