ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

開進亭 @愛知県犬山市

2014年07月19日 | 愛知県(尾張・老舗)

頻繁に訪れる機会があるのにいつも食べるところを探すのに苦労する犬山市。もちろんチェーン店ならあるのだが…。そこで、最近お気に入りの自転車を使って路地を開拓してみた。犬山城のお膝元の城下町は何度も訪れているのだが、正直、古さを装った観光客向けっぽい店も多いのであまり食事をした事がない。今回は平日の午後遅い時間から空きがあったので、自転車でくまなく散策。平日の夕方とあって付近を歩いている人は生活者ばかり。休日などは観光客が多いメインの本町通りも薄暮時はひっそり。細かく区切られた路地を通り、周囲を見回すと、歴史ある建物や、和菓子屋、煙草屋など、その昔、花街であっただろう名残りも散見することが出来る。この日も遠くで三味線のお稽古をしている音が聴こえてきたりして、とても風情がある夕暮れだった。そんな中にあまり目立たない路上看板をだした洋館があるのに気付いた。洋食の「開進亭」。店名がいかにも昔のハイカラな洋食屋を彷彿とさせてクラシック。

2

この店、今まで全然知らなかった。少し調べてみると創業は大正にまで遡ることが出来るようだ。コンクリートの立派な建物で3階まであるのかな。これで入口に暖簾がかかっているともっといいと思うんだけどなァ。店の中に入るとそろそろ閉店の時間だったのか、なかなか気付いてもらえず、大きいテレビの音に、声もかき消されてしまう。やっと年輩の女性(奥様?)と目があって注文を聞いてもらった。自分の座った1階はテーブル席のみ。店を見回すと2階への階段もあるので座敷もあるのだろうか、意外と大箱なのかもしれない。この建物が城下町に出来た時はさぞかし目立っただろうな。

しばらくして注文したかつ丼が運ばれた。何の予備知識もなく頼んだのだが、かつを玉子でとじてある一般的なかつ丼と違い、人形町の「小春軒」を思わせるような半熟の玉子が真ん中に落としてあるタイプ。いわば”目玉のせカツ丼”。つゆのかけられたかつとご飯を頬張りつつ、機を見て玉子を箸で崩し、黄身を混ぜ合わせて楽しむ。昭和クラシックな空間で食べるクラシックなかつ丼。なかなかイイ。次はハヤシか、オムライスか。(勘定は¥700)

この後の記事はこちら (2)(3)(4)(5

 

 ↓ 写真は開進亭のとなりの割烹「香楽」。とても気になるが入る勇気はまだありません(笑)。でも仕出し専門?

Photo_3

開進亭

愛知県犬山市犬山西古券267

 

( かいしんてい 目玉落とし 目玉のせ 亜種 かつ丼 かつどん カツ丼 )

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Ready To Die / Iggy And The Stooges

2014年07月18日 | パンク・ニューウェーヴ

Iggy

Ready To Die / Iggy And The Stooges (2013)

ストゥージズ(The Stooges)名義では6年振りの新作だった本作。昨年出ていたのになぜか買うのをすっかり忘れていてやっと購入。イギー(Iggy Pop)としては前2作が思い切りジャズというかシャンソンというか、そっちの方向にいってしまっていたので、ロック復帰作と言ってもいい作品。いくらシナトラ・ファンのイギーとはいえ、あのままそっちの世界へ行ってしまうのだろうかと皆が心配していただろう。確かにイギーの低音ヴォーカルはとても魅力的なのだが…。しかし、ジャケから、アルバム・タイトルから、完全にいつものイギーに戻った。

それにしてもダイナマイト体に巻きつけて「いつ死んでも…」って言われるとドキッとする。確かにいくら強靭な肉体を持つイギーとは言っても御年67歳…。かつての盟友は次々と鬼籍に入っている。まぁ、イギーの場合、キース(Keith Richards)と一緒で、今まで生きてこられたのが不思議と言えば不思議だ。

ストゥージズ特有のメタリックなギター・サウンドも健在。というのも2009年に他界したオリジナル・ギタリストのロン・アシュトン(Ron Asheton)に代わり、73年以降のイギーの盟友だったジェームス・ウイリアムソン(James Williamson)が復活。プロデュースも担当しているのだ。故にオリジナル・ストゥージズと区別して、「イギー&ザ・ストゥージズ」名義なのかな。往年の作品でも、テクよりは突き刺さるようなギターのトーンが印象的だったが、今回も当時を彷彿とさせるような音を聴く事が出来る。全体的にはカラッと乾いた印象もあるが、5のようなしっとりとした曲もあってメリハリがあり、35分はあっという間。ソロでは新機軸だったから、特にこのアルバムで目新しいイギーを聴ける訳ではないが、もうこのまま行けるところまで突っ走ってもらえばそれでいいよね。

amazonにて購入(¥551)

  • CD (2013/4/30)
  • Disc: 1
  • Format: CD, Import
  • Label: Fat Possum Records
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    月丘堂 @岐阜県岐阜市

    2014年07月17日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

    Photo_4

    岐阜市中心部から少し離れたところにある創業昭和5(1930)年の和菓子屋「月丘堂」。「みょうがぼち」(空豆の餡をつつんだ饅頭が茗荷の葉でくるんであるもの)という素朴な菓子で有名なお店。岐阜限定の郷土料理だそうだ。知らなかった。茗荷の季節になったので買って帰ろうと思ったが、この日はバイクのサイドバッグに入れて持って帰るには暑すぎる気温だったので、もうひとつ有名な「自家製アイスクリーム」を買い求める。

    店はとても綺麗で新しく、まだ最近建て直されたのだろう。店に入るとショーケースにいくつか菓子が並んでいたが、右側にある冷凍庫に入ったアイスを選ぶ。この日はバニラ、抹茶、アズキがあり、季節によって内容が変わるそう。味によって値段も少々違う。抹茶を選び、店の外の日陰を探し、その場でかぶりついた。

    大きめの最中種(皮)の中にぎっしりとアイスが詰められている。カチカチに凍っているが、脂肪分が少なく口当たりは爽やかで、サラッと溶けるので旨い。バイクに乗っていてもじりじりとするくらい暑かったので格別。以前に食べた同じ岐阜の老舗のアイス最中もこういうアイスだったなぁ。大きいので1個食べると満足。今度は自動車で来て、家族にも買って帰らねば。(勘定は¥160)

    この後の記事はこちら

     

    月丘堂

    岐阜県岐阜市月丘町3-1-2

     

    (つきおか堂 つきおかどう お菓子処月丘堂)

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    不朽園 @名古屋市中川区・尾頭橋

    2014年07月16日 | 名古屋(熱田区・中川区 老舗)

    名古屋のターミナル駅である金山から西へ行った尾頭橋(おとうばし)。ある休みの日にこの付近を自転車でウロウロしていたら、午前中だというのにやけに歩いている中年男性が多い。最初は何故だか分からなかったが、すぐにお馬さん関係の人達だと分かった。皆さん達者ですな。自分にはこの近辺は「ナゴヤ球場」のイメージしかなかったが、その昔は遊郭だったそうで、その名残りもあるのだとか。今回は見て廻らなかったが、花街近辺にはつきものの和菓子屋の老舗があるので行ってみた。

    Photo

    現在はすぐ横(というか上)を名古屋高速の高架が通り、佐屋街道と交わる交差点に店を構える「不朽園」。創業は昭和2(1927)年との事。大須・不老園の系譜なのだとか。風格ある店構えと歴史を感じさせる木看板。この建物は昭和30年の建築だそう。歩道に面した店のガラス引戸を開け、中へ。多くの女性店員さんがいらっしゃって客に対応している。店の横には小さなイートインスペースがあり、この日はまだ開いていなかったが、アイスクリームなども販売しているようだ。この店と言えば有名なのは「菊最中」。他にもいろいろな和菓子がショーケースに綺麗に並んでいるのだが、迷わず「菊紋最中」を注文した(後から「菊最中」と「菊紋最中」が違う商品だと知る…)。

    菊の花の形をした最中種(もなかだね=皮)は溝があるためやや硬めの食感。その硬さがパリッとしていていい。実際に作業を見えた訳ではないが、注文があってから餡を詰めるのだとか。時間が経ったものはだんだん餡との一体感が増し、それもいい。餡はしっかりと詰まっていて、甘味が過剰ではなく、バランスがいい。さすがに最中を筆頭の菓子に挙げるだけあって旨い。これ少し炙ってもいいだろうな。嫁も気に入ったとの事。よかった。けれど「菊最中」と「菊紋最中」の違いが気になって、気になって…(また行かなくちゃ)。(勘定は¥120/個)

    この後の記事はこちら (2)(3)(4)(5

     

    不朽園

    愛知県名古屋市中川区尾頭橋3丁目4-8

     

    (ふきゅうえん きくもなか きくもんもなか) 

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    太陽ソース・太陽ケチャップ (取り寄せ) @愛知県清須市

    2014年07月15日 | 愛知県(尾張・老舗)

    一般的に名前はあまり知られていないが、老舗洋食店で販売されていたり、一部の酒屋では即品切れの幻扱いをされていたりと気になる存在だった太陽食品工業の「太陽ソース」。なんでも地元の愛知県ではなく、静岡の「富士宮焼きそば」での使用率がかなり高いとのこと。80年程の歴史があるそうだが、現在でも製作過程は変わらず手作りで、生産量が少ないそうです。地元のスーパーはもちろん、たくさんの調味料が揃う専門店でも陳列されているのを見た事がない。清須市なら直接買いに行けばいいやと思っていたけれど、工場での直販は無く、その近隣でも買える店が限られていて、しかも入荷待ちだというので、なんだか余計に味わってみたくなってきた。すると少数ながら、セット品がネットで販売されているのを知り、さっそく取り寄せてみた。

    Photo_2

    購入したセットには「スーパー特選太陽ソース」×2本、「とんかつソース」×1本、それに「太陽ケチャップ」が1本の計4本。まずはケチャップから試食。ひとすくい舐めてみると…甘くてまろやか。トマトっぽさは十分に残しているが、明らかに一般のケチャップより甘めで、抑えめの酸味と相まって、オムレツなどのたまご料理にぴったり。酸味が好きな人は甘さが若干強いと感じるかもしれない。

    次は太陽ソース。ラベルを貼ってある包みをビリビリと破ると…あれっ?瓶には何も貼られていない…。えーっ、ただの黒い液体が入った瓶になってしまった(笑)。瓶にもラベル・シール貼っといてよ…(ガッカリ・笑)。気を取り直して試食。ほんの少しとろみのある濃い口のウスターソース。やはりこちらも甘味を感じる。でも甘ったるい訳ではなく、コクがあるので、生のキャベツにかけて食べるだけで日本のソースらしさがしっかりと味わえる。残りのとんかつソースはまだ開封していないので、今後のお楽しみ。

    常々、自分の好物のひとつは「ソース」(特に中濃、とんかつ)かもしれないと思っていたら、ある料理家も同じような事を言っていて嬉しくなった。それほどこの日本特有の調味料である「ソース」って旨いと思う。若かりし頃は、外国にも当然同じようなものがあるに違いないと思っていたが、自分の知る限り、外国や外国料理店で同様のものを味わった事はない。バーベキュー・ソースともちょっと違う。本場イギリスのウスターソースってもっと酸っぱい別物だしね。今回購入した太陽ソースもそうだけれど、小さな会社が大手メーカーとは全く別の思想で作っている商品が根強いファンを持ち、一部では幻なんて言われているのをみるのは、ある意味痛快。まだまだ日本には色々なソースがあると思うと片っ端から試したくなるなァ。(勘定は¥2,750)

    太陽食品工業株式会社

    愛知県清須市須ヶ口駅前1-22

     

    (太陽ソース スーパー特選太陽ソース 太陽ケチャップ 日の鳥ソース 日乃鳥ソース ) 

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    勤労ロードショー ~LIVE IN JAPAN~ / ユニコーン

    2014年07月14日 | ロック(日本)

    Unicorn_2

    勤労ロードショー ~LIVE IN JAPAN~ / ユニコーン (2009)

    解散前から一度は行ってみたいなと思っていたユニコーンのライヴ。ただ現役当時は女子がわんさかで黄色い声援というイメージがあったので(実際そうだったと思うけれど)、行きはしなかった。解散後のライヴはチケットを取るのが大変で、たしか近場でのライヴが無かったこともあって、早々に諦めてしまった。ライヴ映像を衛星放送かなんかで見たけれど、楽しそうだったからやっぱり見てみたいな。今だったら客も少しは落ちついているだろうし。

    解散後からはリリースには全然追い付いていないので、やっと2009年に発売されたライヴを購入した。再結成後のオリジナル・アルバム「シャンブル」発表後の全国ツアーのライヴ音源。初回限定盤なのでDVDが付いている。伸びの良い、奥田民生らしいヴォーカルの「ひまわり」から始まり、往年の曲を挟みつつ、新曲もしっかり馴染んでいて素晴しい。実際のセットリストをどの程度反映しているのかは知らないが、各所で行われたライヴから抜粋されている。ユニコーンはメンバー全員ヴォーカルが取れるし、曲がバラエティに富んでいるので飽きさせない。ツェッペリン(Led Zeppelin)の「No Quarter」を思わせるようなイントロがあったりなんかして、お遊びも相変わらず。久しぶりに聴いた「シャンブル」の楽曲も改めて出来の良さを再認識して、CDラックから引っ張り出して聴くことになった。

    おまけのDVDは阿部義晴を中心としたステージ映像+α。ライヴでの彼のコーナーが延々と(笑)収録されている。ちょっと長い。こんなところも相変わらず。奥田もなんだかソロの時より楽しそうだ。

    オークションにて購入(¥1,208)

  • CD (2009/12/23)
  • Disc: 2
  • Format: CD+DVD, Limited Edition
  • Label: KRE
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    志乃多゛や @岐阜県岐阜市

    2014年07月13日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

    Photo

    岐阜市の長良福光の旧高富街道沿いにある「志乃多゛や」(しのだや)。現在は商店街の一角となる場所にあり、正確な創業年は分からないが100年以上の歴史があるらしい。様々な麺類とご飯もの、和に加え洋もある典型的な麺類食堂だ。どこかで見たこちらのオムライスの写真がとても綺麗で旨そうだったので、麺類は後回しにしてオムライスを食べようと伺った。

    商店街の少し離れた場所に駐車場があり、そちらにバイクを停めて暖簾をくぐる。もう典型的としか言いようのない和式の店内。昼時とあって店の中はお客さんで賑やか。横にバイパスがあるため、この細い通り自体は活気のある通りとはいえないが、さすがに地元で永年愛されているお店だ。やさしい物腰の老齢の男性(主人かな)に注文を訊いてもらい、迷うことなくオムライスを注文。しばらくして期待通り綺麗な形のオムライスが運ばれた。小鉢のサラダ付きで、白い平皿の上にのったオムライスの横には真っ赤な福神漬けが添えられている。その景色がいい。上にはケチャップではなく少しとろみのあるソースがかけられている。ソースは酸味が強く、薄くしっかり焼かれた玉子やライスとの相性もピッタリ。旨い。次は是非とも麺類を。(勘定は¥630)

    この後の記事はこちら(2)(3)(4)(5

     

    志乃多゛や 

    岐阜県岐阜市長良福光2666-3

     

    (志乃多や しのだや 志のだや 志乃だや 志乃田や )

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    天満屋 @名古屋市中区・東別院

    2014年07月12日 | 名古屋(中区)

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    名古屋市の大須にある仏壇通り(門前町通り)を南へ、東別院(真宗大谷派名古屋別院)の手前にあるとても趣のある佇まいの麺類食堂「めん処・天満屋」へ。創業は分からないが、建物は明治期のものだとか。店先の雰囲気がたまらない。暖簾をくぐって中に入ると、右側に小さなカウンター、左側にテーブル席と小上がり、そして左奥に厨房。まだ開店してすぐの時間とあって先客は2組のみ。窓際のテーブル席に腰を下ろして店内を見回す。店は仲の良さそうなご夫婦で切り盛りされている。厨房の中に調理をするご主人。店内には品書きや、店が紹介された記事、色紙が壁一面に所狭しと貼られている。品書きはどれにしようか悩む程の品数。今日はのんびりしている感じだが、平日の昼時とか賑わうんだろうなぁ。セット物が多く悩んだのだが、結局初めてだけに、シンプルにきしめんを注文した。

    のんびりとテレビを眺めながら待つと、しばらくしてきしめんが運ばれてきた。上に載っているのは餅菜?、薄切りの葱、蒲鉾、あともちろん花鰹。これ、麺の代わりに餅だったら、そのまんま「雑煮」じゃないだろうか。麺は一口すすってみると弾力があり、しっかりとしたコシが感じられる。つゆは透明感があり、甘さ控えめですっきりしている。この出汁は旨いなァ。飲み干すつもりはなかったが、丼を下ろす事が出来ず、全部飲み干してしまった。(勘定は¥450)

     ↓ 向かいの酒屋には趣のある酒造看板が…(美濃佐商店)

    Photo

    めん処 天満屋

    愛知県名古屋市中区橘1-20-19

    (てんまんや てんまや 麺処天満屋 めん処天満屋)

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    御幸亭 @名古屋市中区・大須

    2014年07月11日 | 名古屋(中区 老舗)

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    大須にある洋食の老舗「御幸亭」。創業は大正12(1923)年。いつもならまず好物のオムライスからいくところだが、今日はこちらの名物でもあるタンシチューを目当てに行ってみた。昼どきの開店直後、店には単品でビールを飲むお客さんや、昼食目当てのお客さんが数組。テーブル席ばかりなので、空いているテーブルに腰をおろし、さっそくタンシチューを注文。注文を聞いてくれたのはコック・スタイルの男性だった。ホールに女性の給仕はおらず、男性2人のみ。店には昭和の雰囲気を感じるが、壁にビートルズやキッスのポスターが飾ってあって面白い。店のどなたかがファンなのだろうか。

    しばらくして平皿に載ったタンシチューが運ばれた。しっかりした大きさのタンが2枚。たっぷりとデミグラス・ソースに浸っている。脇にはトマト、キャベツ、胡瓜などと、とろっとしたポテトサラダが添えられている。タンにそっとナイフを入れ、ひと口大に切ってから口に放り込む。とてもいいバランスのデミグラス・ソース。甘過ぎず、焦げ過ぎず。もちろんそれをまとったタンが不味かろう訳は無い。柔らかく丁寧に煮込まれたタンは特徴的な食感も少し残しつつ、あくまでもバランス重視。デミとの相性は申し分なく、ご飯が欲しくなるのをグッと我慢して、あっという間に皿を綺麗にした。旨かった。次こそオムライスか、それともこの旨いデミをたっぷり味わう為にハヤシライスか…。(勘定は¥1,550)

    この後の記事はこちらこちら

     ↓ お店にも飾られているショップ・カードのイラスト

    Photo

    御幸亭

    愛知県名古屋市中区大須三丁目39-45

     

    (みゆきてい 洋食屋御幸亭 レストラン御幸亭)

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    The Last Waltz / The Band

    2014年07月10日 | クラシック・ロック

    Lastwaltz

    The Last Waltz / The Band (2002)

    CDでは過去にも2枚組で発売されていたザ・バンド(The Band)のライヴ+α作品「ラスト・ワルツ(The Last Waltz)」。今回購入したこれは2002年に(実際は違ったが)”コンプリート”と謳って発売された4枚組ボックスの、プラケースに入れられ2013年に再発売されたヴァージョン。聞き比べた訳ではないが多分内容は同じだろうと思う。自分がこの作品に触れたのは映画が最初で、音源としては何年か前にネット上に発表された、ビル・グラハム(Bill Graham ※アメリカの有名なプロモーター )経由音源、つまり「Wolfgang's Vault」と呼ばれるサイトで発表された(たぶん)修正の入っていないものを落として愛聴していた。リマスター、リミックスされたものではなく、荒いので、いつか正規の物を購入しようと思っていたが、ふとamazonを覗いたら安い値段のこのヴァージョンが発売されていたのを知ったという次第。

    2002年版との差異は分からないが、シンプルにライナーが入っただけの4枚。でもやっぱりディスクが出し易いのは嬉しい。内容は有名なので多くを記述しないが、ザ・バンドの解散ライヴ+スタジオでの録音曲。テーマ曲から始まって、だいたいコンサートの流れに沿って収録されている(はず)。さすがに正規盤は音がいい。映画では、ギターソロ途中でエリック・クラプトン(Eric Clapton)がギターの弦を切ってしまい、それを見たロビー・ロバートソン(Robbie Robertson)がすかさず代わってソロをとるところが目茶苦茶かっこよかったのだが、音だけ聴いているとあまりその状況は伝わってこない。

    この解散劇及び映画作品については、音楽評論家の方々がこぞってロビーの非道ぶり(曰く、勝手に解散を画策したとか、うた歌ってないとか、かっこつけ過ぎとか)を強調していたので、今となってはあまり印象は良くなくなってしまったのだが、深い事情を知らずに映画(ビデオ)を見た自分は、解散ライヴとは思えない演奏充実度と、ゲスト陣の豪華さ、それに楽曲の良さの再認識、と悪い印象どころか、彼らのルーツ音楽を含む様々な音楽のショーケースとなっていて、その豊潤さに感動し、周辺の音楽を聴き始めたきっかけとなった覚えがある。なので、のちにそれらの評論やエピソード、バックステージやプロダクションの混乱などを知って、後付けで印象に影響をしだしたという悲しい側面があるのだ。なぜあと数曲足して、本当に完全収録にしなかったのかは知る由もないが、まぁ、4枚あれば余程の求道者でない限りは充分にお腹いっぱい。

    amazonにて購入(¥2,490)

  • CD (2013/9/10)
  • Disc: 4
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label: Rhino
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