ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

寿しの吉乃 @名古屋市中区・丸の内 (※閉店)

2013年05月09日 | 名古屋(中区)

名古屋に進出して半年、あれよあれよという間に評判の店になった「寿しの吉乃」。もちろんキャリアもポテンシャルも充分だったので評判になるだろうことは分かっていたし、以前だって遠方からわざわざ客が来ていて、アンテナを立てている人にはすでに有名だったが、まさかここまでとは。すでに予約を取るのが難しいようで、岐阜県関市の頃のように「明晩行こうかな?」なんてスタンスでは訪問することも出来なくなってしまったようだ。個人的にはひと月も前から予約して鮨を喰うのはなんだか違う感じもするが仕方がない。店にとっては喜ばしい事だし。

シンプルな外観は入る前から期待させるに充分。素晴しい一枚板を使ったカウンター、特注の氷蔵庫、鉄釜など主人がやってみたかった事がひとつひとつ形になっている。この日は酒肴を含めてのお任せ。基本的な組立ては以前と変わらず。初めての訪問だろう客もひとつひとつのつまみに感嘆の声をあげていた。ハコが変わったので店の雰囲気も随分と変わるのだろうかと思っていたが、主人の気さくな態度も女将さんの明るい対応も以前のままでホッとする。この日も隣り合わせた他の客とも軽く言葉を交わしながら色々な酒肴と握りを充分楽しんだ。明るい店の雰囲気がそうさせるのだろうと思う。時々検証目的の挑戦的な間合いの客(笑)もいらっしゃるようだが、基本的にはカウンターに座った皆が楽しんで主人に委ねている感じ。場所が場所だけに値段的には随分上がってしまったように感じるが、以前が特に値打ちだったから余計にそう感じるのかな。もちろん仕入れるタネの調子などは前より上を目指しているだろうから、相応だと思う。

名古屋ではここ数年で以前から有名な鮨店の他にも様々なタイプの鮨店が出来たので、客として選択肢が増えるのは大変喜ばしい。ただ店側にとってはあっという間に評価が伝わってしまうので気が抜けず大変だろう。それに周りの環境も大きく変わった。カウンターでの喫煙可の店こそあまり見かけなくなったが、写真撮影や無断キャンセル(←色んな店で聞いた話)など無粋な客の行動も多いらしいので、ある程度主人の懐が深くないと客に振り回されてしまうかもしれない。ここ吉乃でもHPの予約に関する記述が大幅に改変されているところを見ると色々苦労しているようだ。落ちつくまでに少し時間は必要だろうが、ここの主人はその辺りのあしらいは上手くやっていくだろうと思う。(勘定はお酒含めて¥18,000程度)

※ニューヨークへ移転されたそうです(※平成30年10月現在)

 

寿しの吉乃

名古屋市中区丸の内3-10-29  LINC MARUNOUCHI 1F

 

( 名古屋 なごや よしの 吉乃 すしのよしの 寿司 鮨 関市 移転 ニューヨーク マンハッタン )

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ロックNIPPON(ぐっさんセレクション) / Various Artists

2013年05月08日 | ロック(日本)

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ロックNIPPON(ぐっさんセレクション) / Various Artists (2007)

タレントのぐっさんこと山口智充が選曲した日本のロックのオムニバス・アルバム。同シリーズでは「ロックNIPPON しりあがり寿Selection」も購入した事がある。そちらは歌謡テクノ集といった風情だったが、こちらはグッと大人っぽく骨太のロック集といった感じだ。

もともとミュージシャン志望だったという彼の音楽的な知識や素養は色々な番組で散見されるが、こんな面子の音楽を昔から聴いていたとしたら随分と渋いセンスだ。1969年生まれの彼らしいと言えない事もないが、たぶん周囲の人達とは音楽的な嗜好は大分違っていたんではないだろうか。この年代はもろ「ザ・ベストテン」世代だからね。自分も周囲の同世代の音楽的嗜好にすごく違和感を感じていたガキだったので(笑)ここに収録されたアーティストの半分以上は共感出来る。

個人的によく取り上げる泉谷やRCはもちろん、アナーキー、ルースターズなどやっぱりかっこいい。Sionやストリートスライダースなんて久しぶりに聴いたなぁ。もんたよしのりや桑名正博が入ってしまうとなんだか途端に「大阪」のイメージが大きくなってしまうけれど。高校生の時にクラスで自分と反りが合わない奴らがみんな佐野元春の事が好きで流行っていたせいもあり、佐野元春が大嫌いだったことを思い出した(笑)。一部の曲しかまともに聴いた事もなかったのにね。ま、若い頃の音楽的嗜好なんてそんな他愛もないことがきっかけだったりするもんだ。

01.  褐色のセールスマン / 泉谷しげる
02.  トランジスタ・ラジオ / RCサクセション
03.  バック・ストリート / SION
04.  涙あふれて / M-BAND
05.  京浜狂走曲 / CRAZY KEN BAND
06.  港からやってきた女 / 甲斐バンド
07.  Bad Boy Blues / HOUND DOG
08.  ロック・スター / アナーキー
09.  恋をしようよ / THE ROOSTERS
10.  チェッ!チェッ!チェッ! / BLACK CATS
11.  言いだせないなら / もんた よしのり
12.  Vanity Factory / 佐野元春
13.  バラードが聴こえる / 世良公則
14.  東京紅葉 / 野狐禅/江川ゲンタ
15.  Angel Duster / THE STREET SLIDERS
16.  やりきれないけれど / 桑名正博
17.  バンザイ~君を好きでよかった / ウルフルズ
18.  闘い抜くんだ!(FIGHT IT OUT!) / A.R.B.

オークションにて購入(¥1,053)

  • CD (2007/1/24)
  • Disc: 1
  • Label: ビクターエンタテインメント
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    ロック画報 05 「最も危険なロック」

    2013年05月07日 | 雑誌付録CD

    Gahou

    ブルースインターアクションズから出版されたCD付きで日本の様々なロックを取り上げた画期的な雑誌「ロック画報」。何号まで発売されたのかな。付録のCDには特集したアーティストの未発表音源を収録していたりするので貴重。以前にもフリクションやRCサクセションの特集号を購入したことがある。今回購入したこの号は2001年発売。「最も危険なロック」と題して頭脳警察と村八分を特集。

    頭脳警察は初めて聴いた曲が「コミック雑誌なんかいらない」だったので、オーソドックスなロックン・ロールのメロディに特にピンと来ず、ファーストの発売中止とかセカンドの回収という歴史は知っていたが掘り下げるまではいかなかった。この号を読んで初めてパンタが赤軍派にシンパシーを持っていた事を知った。実は日本赤軍については結構いろいろな本を読んだりしたし、母校では中核派が活動していたこともあり、60~70年代の左翼運動には歴史として興味があった。

    村八分はまるでストーンズのようなバンドだという事と、ヴォーカルのチャー坊があのオルタモントのライヴを見たという事を先に知っていて、曲は断片しか聴いていなかった。昔の噂ではストーンズ(The Rolling Stones)のライヴ・アルバム「Get Yer-Yer Ya's Out」の中の「Midnight Rambler」のブリッジの辺りで「カッチョイーッ」と聴こえる観客の声の正体がチャー坊だという(笑)のもあったな。写真で見ると着ている衣裳も当時のミック(Mick Jagger)ばりだし。

    この号の付録CDに収録された頭脳警察の曲は、アルバム抜粋や90年代のライヴ、村八分の曲は前年に発掘されたライヴ音源からの抜粋。どちらもかっこいいなぁ。頭脳警察は日本語をロックに乗せるという昔からの命題を簡単にクリアーしているように感じるし、村八分の方はギター山口冨士夫のドライヴ感がすごくて日本人離れしている。両者ともヴォーカルは笑ってしまうほど下手くそ。今となっては歴史と一緒に語らないといけないが、まだ欧米でも60年代後半の音楽シーンから模索を続けていた70年代初めの同時期にこういったバンドが日本に存在していた事実がすごい。ま、これを一緒に聴いていた家人にはひと言「へんな歌」と言われて終わりだったが(笑)。

    オークションにて購入(¥828)

    • 単行本: 168ページ
    • 出版社: ブルース・インターアクションズ (2001/07)
    • ISBN-10: 486020011X
    • ISBN-13: 978-4860200114
    • 発売日: 2001/07
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    休暇小屋 @岐阜県美濃加茂市

    2013年05月04日 | 岐阜県(中濃)

    岐阜県美濃加茂市の人里離れた小高い丘(山?)の上にあるカフェ。道順はとても分かりにくく、住所を打ち込んでもカーナビには連れて行ってもらえなかったので、HPの案内を見て行ったのだが、そこに記載の簡略化した地図と実際の位置関係がよく分からず、ゴルフ場専用の入口道路だと思って避けていた道を上がっていったらそこにあった。

    車を停めて店の入り口に向かうと前が大きく開けていて素晴らしい眺望。店は屋外デッキ部分にも椅子が置いてあり、店内には薪ストーブがありとてもモダンな装飾。背がもたれられるようになったデッキチェアやソファもあり、あわただしくお茶を飲むお店でない事が分かる。先客が何組も居たがまだ提供はされていないようで、みな壮大な景色を眺めてゆったりとしている。この日は天気も良く、緑がとても綺麗で山の端まで見渡す事が出来た。この景色を見るだけでも「ごちそう」だ。店内は掃き出しの窓を全部解放し、音楽も聴こえるかどうかギリギリ位の音量(音楽は無くてもいいくらい)。もう花粉の季節は去っていたが、そんな時期だと大変ことになるのだろうか(笑)。

    ブレンドは3~4種位あり、そのうちのひとつを、同行者は紅茶とケーキのセットを注文。店主らしき男性と2人の女性で切り盛りしているが、とても丁寧に作業している。手元が見られないのでどんな方法で抽出しているのかまでは分からないが、随分と時間をかけている。しばらくして運ばれたコーヒーは香り良く、酸味と苦みのバランスが良い。紅茶はポットに入れられてくるがこれも素晴らしい香り。どちらにも一口の菓子がつく。注文したケーキは小さめで飲み物の味を邪魔しない程度のやさしい味。どれもこういったお洒落なスペースの店にありがちな高い値付けでないのがいい。

    街では味わう事の出来ない開放的な場所。ここを訪れるには4人でも多過ぎる位だと思うが、静かにのんびりと出来る人やカップルにはいい時間が過ごせそう。提供時間や環境も含めてせっかちな人やにぎやかな人は避けた方がいいと思います。

    この後の記事はこちら

    休暇小屋

    岐阜県美濃加茂市蜂屋町中蜂屋字広橋1477-4

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    RESPECT! The 30th Anniversary of KIYOSHIRO IMAWANO / Various Artists

    2013年05月03日 | ロック(日本)

    Kiyoshiro

    RESPECT! The 30th Anniversary of KIYOSHIRO IMAWANO / Various Artists (2000)

    2000年に日本武道館で行われた忌野清志郎デビュー30周年を記念した公演のライヴCD。物凄く豪華なアーティストが参加し、RCやソロの曲をカヴァー。ただし、実際には参加したハイロウズは未収録。清志郎本人はラフィー・タフィーとして参加。あのスティーヴ・クロッパー(Steve Cropper)の参加が嬉しい。

    最初は泉谷1人のいいかげんな(笑)煽りで始まり、「よォーこそ」から豪華な面々が素直なカヴァーを聴かせる。リズム隊は吉田健と村上秀一とまるでルーザーのよう。お祭りなので演奏がどうとかっていうものでもないと思うが、特に破綻のない演奏の中で個人的なハイライトはやはり仲井戸麗市と三宅伸治と奥田民生だろうか。ま、あとからご当人の清志郎が出てくるのでそちらがハイライトなんですが。特殊というか異質なのはやっぱり矢野顕子とロリータ18号。矢野顕子の独特なピアノ・アレンジと歌声には慣れているが、ロリータ18号はどうしても受け付けなかった。ラスト全員でステージに上がるところでも清志郎がマイクをふるのだが、彼女のヴォーカルだけは耳に刺さり、微笑ましいとかそういうのを超えてしまっている。はっきりいうとわざとらしくて耳障り。

    こういった様々なアーティストが参加をするステージ(ロック・フェス含む)ではヴォーカリストの声量というかパワーの差が如実に表れるので、ある意味とても興味深い。自分がライヴを見に行った日本人アーティストの中で生声を聴き、「おぉっ」と思ったのは清志郎とヒロトと奥田民生と矢野顕子ぐらいかな。アルバムでは派手に歌っていても同じステージで比較すると歴然とした差が出るんだよね。

    オークションにて購入(¥942)

  • CD (2000/5/5)
  • Disc: 2
  • Label: ポリドール
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    Live At Fillmore West (Expanded Editon) / King Curtis

    2013年05月02日 | ソウル・ファンク・R&B

    Curtis

    Live At Fillmore West (Expanded Edition) / King Curtis (1971)

    キング・カーティス(King Curtis)が71年にアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)のバックを務めてフィルモア・ウエストに2日間出演した時の、アレサ登場前の前座演奏の録音盤。通常は9曲の収録だが、この盤は拡張されていて5曲追加で全14曲収録。ただ本編前の前座と侮ることなかれ、本編に勝るとも劣らず充実した内容で、1曲目を除いて他者の有名曲のカヴァーだが、これが何ともいえずゴキゲンなアレンジで熱い熱い演奏。

    プロコル・ハルムの2、レッド・ツェッペリンの3、バンド・オブ・ジプシーズの5、スティーヴィー・ワンダーの8など発表後さほど時間の経っていないヒット曲をファンキーなアレンジで聴かせてくれる。普通こんなことやったら二流っぽい演奏になるのが落ちだが、カーティスの手抜きなしのサックス・ブロウといい、他のメンバーの演奏といい、こんな熱い演奏のあとに登場するアレサも大変だ。けれどこの時期のアレサはノリに乗っていて、充分温まった観客の前で引き続き熱い歌唱を披露して、ライヴ・アルバムは超のつく名盤となった(「Aretha Live At Fillmore West」)」。

    こんなすごいライヴを見に行った観客がうらやましい。このライヴの全貌は最近になってライノから限定盤4枚組CDとして発売された(もちろん現在ではやや入手困難)。でもここはやはりどちらも編集されたオリジナル盤での濃密さを楽しみたい。→ といいつつ自分は拡張盤を買っているが…(笑)。

    残念ながらキング・カーティス本人はこのライヴのすぐ後に刺殺されて死去している(この項を書く為に調べるまで知らなかった)。

    中古店にて購入(¥1,050)

  • CD (2006/7/10)
  • Disc: 1
  • Format: Deluxe Edition, Import
  • Label: Atlantic / Wea
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    SUSHI てさく @名古屋市千種区・千種

    2013年05月01日 | 名古屋(千種区・守山区)

    まだオープンして間もないお店で千種駅の北側にある。小じんまりとしているが、なかなか洒落た外観で、鮨屋というよりはカフェのよう(でも勘亭流のような文字の「営業中」の札はちょっと無粋かな)。敷居が低いので女性のおひとりさまも多い。中はカウンター5席程度とテーブル。店主がひとりで切り盛りする。

    今回はランチでの訪問で、握りのランチは2種類。通常(¥800)は皿盛り、「おまかせ握り」(¥1,300)にすると1カンづつ提供されるようだ。内容がどの程度違うかは不明。まず小鉢が出て、その後に握り。丁寧に1カンづつ握って煮切りや塩で供される握りは小ぶりで端正な形で、タネの調子はこの値段で提供されるものとしてはびっくりするほど良い。この日は少し炙りものが続いたが、内容もその日によって変わるよう。酢締めのタネの塩梅も良く、お酒を頼みたくなるのをぐっと我慢。これにお椀がつく。お茶がセルフだったり、海苔巻きが作り置きだったのは小さいお店のランチだからいた仕方ないか。

    これが昼はもちろん、夜のおまかせでも値付けが安いのが素晴しい。普通はこんな値段で調子の良い鮨は食べられません。ただ席数が少ないとはいえ、全て主人ひとりでの切り盛りなので、店の状況によっては少々おっつかなくなることもある。主人は物腰やさしく恐縮しているが、この値段でやろうとしたら人は雇えないわな。こんな店が近くにあったら毎週でも通いたい。(勘定は¥1,300)

    この後の記事はこちらこちら

    SUSHI てさく

    愛知県名古屋市千種区内山3-22-9

    ( すしてさく SUSHIてさく 寿司てさく )

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