ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

すし古川 @名古屋市中区・大須 (※移転)

2013年05月13日 | 名古屋(中区)

通り沿いに出たこのお店の看板には朱に白抜きで「江戸前」とある。昔、街場の鮨屋はどこも江戸前と名乗っていた。古いお店では今でも江戸前と書かれた看板を見る。握りの鮨それ自体を江戸前寿司と称するなら間違いではないだろうが、現在あらためて「江戸前」と名乗るのは珍しい。というのも「江戸前」=「仕事をした鮨」というのが当たり前の認識になってきたから。つまり、数多ある海鮮寿司や創作寿司ではなく、廻ることはもちろんない。ファンダメンタリスト(笑)なら多くの酒肴を出す店も江戸前ではないだろうし、軍艦も江戸前じゃないと言うだろう。ここはどうなのかな。昔からの店ではないと思うがちょっと古い感じ(居抜き?)のお店ののれんをくぐる。

予約時にはおまかせの金額を伝えてあった。それがどんな組立なのかは全く分からない。酒のメニューを見ると見慣れない酒があったので冷や(常温でなく冷蔵だった)で頼んだ。しかしこれがびっくりするくらいの強烈な辛口。この酒をいったい何に合わせるのかなと思ったが、突きだしはもちろん酒肴は何も出てくる気配がない。何も口に入れず酒だけ飲むのはちょっと味気ないが、初訪でおまかせなので何も言わずにそのままで、順番は逆だがあわててビールを追加して口中をリセット(実はここで出されるビールの事を調べていてこのお店が目に留まった)。主人がざるに盛られた握りのタネを紹介してくれたところをみるともう握りにいくようだ。あわててお茶に切り替えた。

ひとつ食べて、握りの大きさの加減を訊かれた。このままで、と答えたが客に合わせて握りの大きさを加減するのかな。最近ではちょっと珍しい(←ランチの握りをはじめから大きめにする店はある)。自分は食べるのも早いので、白身、烏賊、鮪、光物、海老、貝、穴子、玉子などと早いペースで握りが進む。握りは最近の流行りからいうと少しだけ大きめ。一体感はあり、鮨を喰ったという満足度は高い。15個位出ただろうか。それぞれのタネに仕事(締め、茹で、漬け)がしてありなかなか塩梅は良い。最後の巻物もしっかり1本分。好物の酢締めのタネは出たもの以外はなかったので海苔巻きを追加して終了。

置いてある酒の種類と酒のあてについては主人の意向なのだろうとは思うが、握りに関しては最近の他の店と目指す方向が少し違うのがとても面白い。そう、皆がみな居酒屋や割烹になる事はないのだ。ひょっとして主人は古い仕事をするお店の経験があるとか?。繁華街でこの趣向の鮨を食べてこの勘定だったらかなりすごいと思う。季節によってタネがどう変わっていくのかも興味深い。今回はちょっといろいろ意表を突かれたが是非また行ってみたい。(勘定はお酒を含めて¥7,000程度)

 

すし古川

名古屋市中区大須4-10-26 大須土方ドリームマンション 1F

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