ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Information / Eliot Sumner

2016年06月16日 | オルタナティヴ・ロック

Information / Eliot Sumner (2016)

買った順番でレヴューしているとなかなか新譜にまで追いつかないので、今年の3月に購入したこれを先に。エリオット・サムナー(Eliot Sumner)のアルバム「Information」。26歳の英国人女性で、以前はココ(Coco)と名乗ってバンド活動していた。彼女、実はあのスティング(Sting)の娘。以前から話には聞いていたが音楽を聴いたことはなく、それと知らずに今年の初めに発売されたこのアルバムが、若い女性とは思えない陰鬱な容姿と、シンプルで暗い雰囲気のアルバム・ジャケともども気になっていた。後からココ=彼女だと知り、サンプルを聴いてビックリ。声が…スティングだ! 顎の辺りの骨格が父親そっくりなのでそうなるのかもしれないが、長音の発声の仕方や少しかすれたような特徴ある声質を見事に受け継いでいる。もうこれだけで充分な才能だが、それでもまだ買う気までは起こらなかった。ただその後もずっと心に引っ掛かり続けている。自分の場合、これって「GO」のサイン。いつも見させてもらっているブログで紹介されていたこともあって、結局amazonでポチっとしてみた。

もう「最近の若いの」、しかも小娘に音楽的に惹かれることは無いだろうと思っていたが、なんの。ダークな曲調と彼女の声、シンセも駆使したその音楽性は、何年経っても80年代ニュー・ウェーヴの影響を受け続けている自分にとってはドンピシャで、琴線に触れまくり。一聴して男性とも女性ともとれる中性的なその声は抗いようのない不思議な魅力があり、スティングの娘だという事を差し置いても耳から離れず、クセになる味わい。音楽的な感触としてはジョイ・ディヴィジョン(Joy Division)やキュアー(The Cure)を彷彿とさせるようなダークなエレクトリック・ポップな雰囲気。そのまんまだったら古臭い音楽だが、1、2周まわってなんだか新しく聴こえるのもいい。PVなんかを見るとプロダクション的にもしっかり作り込んであるようで、レコード会社の力の入れようもかなりのもの(なぜかチャート的にはすでに完敗のようだが…)。ヒップホップ以降の音楽には”リズム”はあっても”メロディー”が希薄な事が多く、なかなか心の深い所まで侵入してこないが、彼女の曲はしっかりと心に残る。なぜだ。なぜこれが売れないのか…(やっぱり自分が古いのかな…苦笑)。

amazonにて購入(¥1,326)

  • CD (2016/1/22)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : polydor

( Coco, I Blame Coco, Sting, The Police )

 


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