ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Chelsea Girl / Nico

2020年05月12日 | クラシック・ロック

Chelsea Girl / Nico (1968)

ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)に参加したニコ(Nico)が、ヴェルヴェッツのメンバーのサポートによって発表したファースト・ソロ・アルバム「Chelsea Girl」。アナログで所有しているが、久しぶりに(気軽に)聴きたくなったのでCDで買い直し。美麗なニコの姿はやはり大きなアナログ・ジャケットで見ていたいが、レコード・プレーヤーの不調と簡便さに負けてしまった…。アルバムにはヴェルヴェッツのメンバー、ルー・リード(Lou Reed)、ジョン・ケイル(John Cale)、スターリング・モリソン(Sterling Morrison)の他にも若きジャクソン・ブラウン(Jackson Browne)が参加していて、フォーキーな曲が中心。ディラン(Bob Dylan)のカヴァーなどがありながら、まさにヴェルヴェッツという感じのフリーキーな曲が混じる。それでもアルバム全体として不思議な、そして独特な統一感のある一枚。

ボックス・セット等で聴けるヴェルベッツの初期の音源も”フォーク”といって差し支えない音楽性だったので(←発表された時は驚いた)自然な流れとしてこういう形になったのかもしれない。むしろヴェルヴェッツのファースト(’67発表)が時代を超える突然変異だったか。メンバーが参加しているということで当然その演奏も気になる訳だが、自分はすぐにそれと分かる一部の曲を除いて「本当にメンバーの演奏?」という疑問符が残る曲がいつも頭にあった(ストリングスが足してあるからかな)。浮世離れしたドイツ語訛りの英語で歌われる歌はニコにしか出せない特別な暗い浮遊感。初めてアルバムを聴いてから30年近く経つが、久しぶりに通して聴いて若い頃よりも今の方がずっとよく感じる。伝記を読むとヴェルヴェッツの時には戦略的に結びつけられたこともあって、ルーなどはリハーサルや録音時に徹底的にニコを無視したような記述もあったが実際はどうだったんだろう。恋人同士だった時期もあったという噂も…。それでもグループ解散後、数年で再共演したりしているので、まさに愛憎相半ばという関係だったんだろう。

オークションにて購入(¥480)

  • CD (1990/10/25)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Polydor

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