ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Collection Ⅰ(1976-79) / 矢野顕子

2017年01月10日 | ロック(日本)

  

Collection Ⅰ(1976-79) / 矢野顕子 (1990)

矢野顕子の初期アルバムの5枚ボックスセット。自分が彼女を知ったのはYMO(Yellow Magic Orchestra)のライヴ・サポート・メンバーだった70年代終わり頃。その頃発売されたソロ・アルバム「ごはんができたよ」は長兄がアナログ盤を購入し、それを借りてそれこそ擦り切れるほど聴いていた。YMOの面々が前面バックアップし、曲もいわゆるテクノ・ポップの領域に入ったものが多く、その独特な世界観と詩、歌声とピアノにハマり、次作アルバムからは自分で購入するようになった。ただ時が経ち、80年代終わり頃には違う音楽趣味に走ったので疎遠になり、自分が聴き始めるよりも前の、これらの作品を深追いすることは無く終わってしまっていた。

こんなおあつらえ向きのボックス・セットが発売されていたとは知らなかった、彼女がデビューを飾ってから前述のアルバムを発売するまでの5枚を収録。安値だったし、持っていないアルバムばかりで好都合とばかりに購入。ボックスの中身は通常プラ・ケース。収録されたアルバムは順に、

・「ジャパニーズ・ガール」(1976年)・リトル・フィート(!)参加のデビュー・アルバム(写真上段左)
・「長月 神無月」(1976年)・デビュー・コンサートを収録したライヴ盤(写真上段中)
・「いろはにこんぺいとう」(1977年)・デビュー前からのセッションを収録したアルバム(写真上段右)
・「ト・キ・メ・キ」(1978年)・セルフ・プロデュースしたニューヨーク録音(写真下段左)
・「東京は夜の7時」(1979年)・YMO全員+山下達郎、吉田美奈子参加の豪華ライヴ(写真下段右)

というラインナップ。デビュー時は若干21歳だったという矢野。天真爛漫な彼女の性格や音楽性のみならず、向こうのアーティストらや、日本最高峰のアーティストらを前にしても”オリジナル”で、彼女の才能が溢れるように表出する。まさに天才。ちなみにリトル・フィート(Little Feat)のローウェル・ジョージ(Lowell George)は、矢野の才能に驚き、録音セッションで自分は力不足だったとギャラを断った、なんていう逸話も残っているのだそうだ。それぞれのアルバムの収録時間は長くないのだが、濃密で、奔放で、楽しくて、どこか物寂しい、矢野ワールド全開といった感じ。「ごはんができたよ」期はYMOとの共作といっていい状態で、ひょっとすると矢野色は薄いのかナと思っていたけれど、なんのことはない、矢野顕子は既にデビュー当初から”矢野顕子”として完成品だった。今まで聴いてこなかった事を激しく後悔。

オークションにて購入(¥2,900程)

  • CD (1990/11/25)
  • Disc : 5
  • Label : 徳間ジャパンコミュニケーションズ

( 矢野顕子 やのあきこ イエローマジックオーケストラ Yellow Magic Orchestra 坂本龍一 細野晴臣 高橋幸宏 大村憲司 渡辺香津美 )


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