Valve Bone Woe / Chrissie Hynde with The Valve Bone Woe Ensemble (2019)
我が愛するプリテンダーズ(The Pretenders)のクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)が2019年に発表した2枚目のソロ名義のアルバム。異色なのはシナトラ(Frank Sinatra)やコルトレーン(John Coltrane)、アントニオ・カルロス・ジョビン(Antonio Carlos Jobim)、ブライアン・ウィルソン(Brian Wilson)など、ジャズのスタンダードやボサノバ、ロック・スタンダードのアレンジ曲など、ロックンロールではない彼女のヴォーカルが満載なこと。インタビューではこういったジャズが身近だったというクリッシー。聞けばジャケット等のアートワークにも採用された一連の油絵も彼女の作品で(作品写真下)、この歳にして創作意欲旺盛な一面が見られる。
そもそも近年はオーケストラと共演したり、映画の挿入歌を歌ったり、トリビュート盤に参加したりと、いわゆるロックじゃない曲をよく演っていたので、こういう作品が出ても驚かないが、アルバム全部となるとどうか。女性にしては低いけれど、見た目と違ってとても甘い声質でもあるクリッシーがこういう曲を演ると、しっかりとアンニュイな雰囲気が漂い、想像通りビタッとハマっている。バックの演奏は近年相棒として活躍している現プリテンダーズのJames Walbourneも参加しているテンポラリーなものだと思うが、まるきりスタンダードな演奏ばかりっていう訳でもなくエフェクトとしてシンセなども使用しているようだ。13にはジェフ・ベック(Jeff Beck)とも共演した女性ベーシスト、タル・ウィルケンフェルド(Tal Wilkenfeld)も参加している。自分はクリッシーの大ファンなので充分楽しめるが、それでもお腹いっぱい、続編は要らないかな(笑)。
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- Label : Bmg Rights Managemen
- ASIN : B07R1CMRJT
- Disc : 1
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