ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

From The Vault : Live In Leeds 1982 / The Rolling Stones  (DVD+CD)

2016年06月07日 | DVD

From The Vault : Live In Leeds 1982 / The Rolling Stones  (DVD+CD)

去年の11月に発売されたのに、すっかりレヴューを忘れていたローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の蔵出し映像シリーズ「From The Vault」第5弾。これだけでも熱が冷めてしまってきているのが分かるが、本来なら隅から隅まで何度も繰り返し見るべき貴重な映像で1982年のイギリス・リーズ公演。寺田正典氏のライナーだけはとても読み応えがあるので、少々高くてもこのシリーズはそれ目当てで日本盤を購入し続けているのだが、もうそろそろその意思も途切れそうだ(リリース自体も打ち止めなのかな)。

1982年のツアーと言えば、今まで正式に発表されたことは無く、断片的な映像や写真でしか見られなかった貴重な物。自分は写真集などを眺め妄想し、レア曲を音の良くないブートレグ(海賊盤)で漁ったりと、長い道のりだった。ネットの有料配信で公式ブートレグとして音源のみが発売されたのが2012年。そして映像の発表がこの作品となる。ヨーロッパのライヴは日照の関係か夜でも明るいことが多いようなので、この公演が日中の公演なのかどうかは知らないが、明るい空の下で演奏されるライヴは今見ても新鮮。この頃すでにロートル扱いされていたストーンズだが、今見るとその溌剌さは”若い”としか言いようがない。

映像では、今から思うと(当時もかな…)「何じゃ、ソレ!」と突っ込みたくなるミック(Mick Jagger)のピタピタのアメフトパンツ+名前入りスタジャン+ヘアバンド姿(恥)や、薬は止めたという噂だったがどう見ても「現役」の、日の丸(!)ジャンパー姿のキース(Keith Richards)の佇まいなど、時代を感じさせてある意味とても面白い。ただ、”寄り”の映像ばかりなのは、会場で流されたスクリーン映像だからなのだとか(ステージの真上に設置してあるのが分かるが、ミックはスクリーンとかモニターとは呼ばず「TV」だと言っているのが時代を感じさせて面白い)。他にも、静かに立って演奏しているだけのように見えて実はファンの女性を狙っている(笑)ビル・ワイマン(Bill Wyman)(※)や、バンドの要だった故スチュ(Ian Stewart)のブギウギ・ピアノ、現在のバンマス、チャック・リヴェール(Chuck Leavell)との初共演、この時限りの参加だったサックスのジーン・バージ(Gene Barge)など見どころは多い。(※大人しそうに見えてビルの手当り次第の「万人斬り」は有名)

演奏はと言えば、ストーンズ特有の2つのギターがどっちが主導(リード)かが分からないような混ざり具合と、良く言えばジャムっぽい演奏、悪く言えばいい加減な演奏、それにキーボード、サックスなど他楽器との掛け合いが聴きどころ。現役時代と打って変わってビルのベースがブンブンとよく鳴るミックスもいい。この作品に限ってはCDで音だけ聴いていた方が、メンバーの佇まいに惑わされず、 このヨーロッパ・ツアー特有の疾走感を気持ちよく楽しめるかも。

amazonにて購入(¥4,642)


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