ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

八千代 @岐阜県岐阜市

2014年08月13日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

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昔は栄華を誇った岐阜市の柳ヶ瀬のアーケード街は、主に東西の通りに名前が付いて区切られている。今どんな店があるのか知りたくてネットとかで検索をかけると、「柳ヶ瀬」、あるいは「柳ヶ瀬商店街」と入力しても全体を知る事の出来るマップさえ出てこないので(自己基準)、「やながせ」という名前だけ知っていて興味のある人も、どんな店が集まっているのかなかなか知りづらい。そんなところにも最近の人離れの遠因があるんじゃなかろうか。

それはさておき、今回訪ねたのは日ノ出町通りにあるお好み焼き、焼きそばの店「八千代」。創業は昭和27(1952)年というから60年以上の歴史がある。比較新しい店は間口が狭く、奥に長い。小さいテーブルがいくつかあり、奥に厨房がある。外れた時間だったが、年輩の方中心に賑わっていた。こちらでいただけるのは薄焼きタイプのお好み焼きと焼きそば。自分は全く知らなかったが、この薄焼きのタイプは岐阜独特のものだと聞いた事がある。

いわゆる関西風とも広島風とも違い、いわゆる一銭洋食と言われるようなもので、鉄板の上にクレープのように薄く生地を焼き、その上にソースで味を付けたキャベツ等の具がのり、半分ないしは筒状に折りたたまれているもの。自分の原体験は、小さい頃に連れて行かれたショッピングセンターの中にあった小さい軽食の店で焼かれたお好み焼きで、やはり薄焼きのタイプ。半分に折られ、それがアルミホイルに包まれていて、手に持って食べるようになっていた。中はもちろんソース味。うちは母が関西出身なので家庭内のお好み焼き事情はもう少し複雑なのだが(笑)、当時自分達の中でお好み焼きというと、持ち帰る事の出来る薄焼きのタイプが主流だった。もちろんおやつとして食べていたので、それでお腹を満たすものではなかった。

久しぶりにこのタイプのお好み焼きをお店で食べる。1枚でも注文出来るということなので1枚だけ注文。具はシンプルにキャベツ、葱、魚粉、生姜、天かすのみとの事。演歌が流れる店内のテーブル席で出来あがりを待つ。しばらくして皿にのって運ばれたお好み焼きは三つ折りで、上にはウスターソースが塗られているだけで他には何もかかっていない。箸で一口つまんでみる。生地は意外ともっちりしている。中には具材が混然一体となっていて、ソース味が主体の素朴な味。なんか懐かしくて旨い。こういうのをよく食べていた未成年の頃は考えた事も無かったが、これはビールに合うだろうなぁ。

関西人の母(しかも叔母が元・お好み焼き屋)の血を引いているせいか、粉もんは圧倒的に家で自分で作る事の方が多く、外に出てまで食べないのだが、このタイプが岐阜独特とするならば興味がわく。どこかに詳しくその辺の考察が載っていないだろうか。(勘定は¥270)

この後の記事はこちらこちら

 

八千代

岐阜県岐阜市日ノ出町2-16

 

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