ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

土手の伊勢屋 @東京・日本堤

2013年07月23日 | 東京都(老舗)

日差しもあり暑い中、三ノ輪駅から15分程歩いて吉原大門へ。その昔、吉原遊郭への入り口が有った場所らしい。道中にも馬肉卸店があったりして昔の名残が見て取れる。広い道路脇には木造の風格ある建物が並んでいる。その中にあるのが天丼で有名な「土手の伊勢屋」(創業明治22年)。正式に「土手の~」と付くのかどうかは分からない。住所やら屋号からも想像出来るが、昔は堀(山谷堀)があり、埋め立てた場所だそう。そこを土手と呼んでいたのかな。

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隣り(左側)はこれも有名な桜なべ(馬肉鍋)の「中江」。ここもいつか入ってみたい。どちらも見事な木造建築で、建物好きな自分としてはワクワクすると同時に、こうして少しとはいえ残っていることに感激。2軒とも文化庁から有形文化財にも指定されているが、伊勢屋のこの建物は昭和2年建造とのこと。

写真は建物の裏側 ↓

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開店前だったが、休日だったのである程度の並びは覚悟していた。でも数人だったので一安心。店の摺りガラス窓に海老の透かしがあったりしてかっこいい。

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少し裏にも回ったりして建物を味わっていると「どうぞ」と開店。もちろんこれから混む事になるだろうから相席で、土間のテーブルに着席。天丼が有名なだけに皆さん天丼を注文。自分はお腹一杯にしたくなかったので天麩羅(中)と、暑かったので冷たいお酒を注文。昼間でもやや暗い土間のテーブル席や小上がりを電球が照らして雰囲気たっぷり。店の中をゆっくりと見ていたいが店の入口に向かう席だったので店内を見回すには振り返らなければならず、ちょっと落ちつかない。

しばらくして他の客の丼と自分の天麩羅が運ばれてくる。おっ、丼はやっぱり旨そうだな、と横目に見つつ、熱々の天麩羅を冷や酒と共に口に運ぶ。衣は大きめでごま油の香りたっぷり。海老や野菜の食感もいい。そしてその下にある小柱のかき揚げが何とも旨い。小柱からの汁で衣こそ少しふやけて崩れてしまうが、プリッとした小柱の淡白な味わいと衣の香りが相まって箸が止まらない。もっと飲みたい衝動を抑えつつ次々と入ってくる客と入れ替わり店を出た。(勘定は¥2,300程)

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土手の伊勢屋

東京都台東区日本堤1-9-2

 

余談だが、三ノ輪からここに歩いてくる途中の歩道上に「矢吹ジョー」の等身大の人形が立っていた。そうか、ここがあの「あしたのジョー」の舞台・泪橋(丹下拳闘クラブ所在地)のある場所だったんだ。お店を出てから少し散策しようと思っていたのに都営バスが丁度来るもんだからつい乗ってしまった。

コメント
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