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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Malcolm Young (AC/DC) 1953-2017

2017年11月21日 | ハードロック・へヴィーメタル

 

 

マルコム・ヤング(Malcolm Young)が亡くなった。AC/DCの屋台骨で強力なリズムを刻み続けたギタリスト。もちろんオーストラリアの国家遺産”ヤング兄弟”の1人で、アンガス(Angus Young)の兄である。AC/DCのイメージといったらやはりアンガスのキッズ制服スタイル。ステージを所狭しと駆け回り、服を脱ぎ捨てヘッドバンギングしながらギブソンSGの鋭いギターを掻き鳴らす。その弟をしっかりと支えるのがマルコムのリズム・ギター。欧米人には珍しく兄弟揃って小柄なのでグレッチを抱えるその姿はアンバランスだが、いつも地味なランニング・シャツとジーンズで、すっくとアンプの前に立ち実直にリズムを刻み続ける。ベースのクリフ(Cliff Williams)と一緒にお約束でマイクの所まで数歩前に出る場面はあるが、すぐに下がってまたアンプの前へ。それは一貫して変わらない。その間、弟とヴォーカルのブライアン(Brian Johnson)は好きなようにステージを駆け回るのだ。その関係が何とも愛おしい。

その4人が揃ったステージを2010年の「Black Ice World Tour」の来日公演で見ることが出来た。もちろん万難を排して関東(さいたまスーパーアリーナ)と関西(京セラドーム大阪)を廻り、計3回全部見に行った。そこでは様々な映像で見た通りの相変わらず地味なマルコムの姿が確認出来、改めてその関係性に感動したのだった。ただしその後数年経ってからマルコムが認知症になり、もうステージでは演奏しない(出来ない)と知らされる。全く予兆を感じさせなかったので驚いた。ただしバンドはその後もメンバーを入れ替えて続き、現在ではガンズン・ローゼズ(Guns N' Roses)のアクセル(Axel Rose)までをもヴォーカリストに迎えて存続している。いくらアンガスが健在でも、さすがにそのバンドには興味が沸かない。

何とか安らかな余生を、と願っていただけにこのニュースには驚きしかない。認知症で死ぬことはあるのかどうだか知らないが、何らかの病気を患っていたのかもしれない(死因は発表されていない)。昨年のボウイ(David Bowie)の時にも思ったが、もうこれからロック・レジェンドは皆そういうことが起こっても仕方のない年齢に達しているのだ(マルコムはまだちょっと若いが…)。小さい頃からそんな人達をずっと聴き続けてきた人間にはなかなか辛いものがある。新規で購入した訳ではないが、上に挙げたのは母国オーストラリアでのみ発売されたオリジナル・アルバムの初期ジャケット4枚。これらを含むアルバム全部を聴きながら追悼。R.I.P.

 

              Malcolm Young  (1953-2017)

 

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Coda (Deluxe Edition) / Led Zeppelin

2017年06月14日 | ハードロック・へヴィーメタル

 

Coda (Deluxe Edition) / Led Zeppelin (2015)

ツェッペリン(Led Zeppelin)の2015年リマスター・シリーズのひとつ「Coda」のデラックス・エディション3枚組。これのオリジナル・アルバムは、ボンゾ(John Bonhum)の死後、1982年に発売されたもの。ボンゾ抜きでのバンド存続はあり得ないと解散を決めたが、契約を消化するために未発表音源を集めて発売されたもの。録音時期は70年代全般に亘っており、自分の大好きな1曲目の「We're Gonna Groove」からガツンとかまし、その他もバラエティに富んだ内容となっている。このアルバム好きだったなァ。

もともと未発表音源(当時)が集められているアルバムなので、2015年デラックス・エディション企画のコンパニオン・ディスク(このシリーズではボーナス・ディスクがこう呼ばれている)の中では一番水増し感が無く、その趣旨に沿ったものなっていて、ヴォリュームも2枚。コンパニオン・ディスクの15曲のうち、「Sugar Mama」と「St. Tristan's Sword」は未発表曲。その他にも有名な1972年のボンベイ・セッションからの2曲、完成前段階の曲、既発曲の素材となった曲や、インスト・ヴァージョン、既発のシングルB面曲などが収録されている。このリマスター・シリーズで出てきた完全未発表の曲の少なさから、やはり一般的なフォーマットで使える未発表スタジオ録音音源はもう無いんだろうなと想像出来る(でもマニアックなファンにはアレもアレもまだ出ていないというのが思いつくか…)。それよりも膨大にあるはずのライヴ音源は今後出てくるのだろうか?(出せっ!)

 オークションにて購入(¥780)

  • CD (2015/7/31)
  • Disc : 3
  • Format: CD, Original recording remastered, Import
  • Label : Atlantic
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ヴァケイション・クラブ / エアロスミス

2017年05月10日 | ハードロック・へヴィーメタル

Vacatino Club / Aerosmith (1988)

80年代には「12インチ・シングル」というものが一世を風靡した。もちろんアナログ・レコードのことで、33・1/3回転のLP盤と違い、ほとんどが45回転。LPと比較して溝の幅は広く回転も速いので情報量が多く音が良い。「Long Version」、「~ Mix」とか「~ Version」という通常のヴァージョンと違うものが多数作られて発表され、ダンス・フロアーのDJを中心に利用された。自分は一連の”ヴァージョン”が大好きだったので、当時色々集めたが、だんだん突飛なもの、例えばオリジナル曲とかけ離れたメロディを使用したヴァージョンが作られるようになり、中にはオリジナル曲の欠片も感じられないようなものが乱発され、CD化の時代に入ったこともあってだんだん面白みが無くなっていったように記憶している。

このエアロスミス(Aerosmith)の日本限定発売されたミニアルバムは、彼らの復活作「Permanent Vacation」からカットされたいくつかの12インチ・シングル作品と、シングルB面で発表されたアルバム未収録曲を足した便利な1枚。オリジナル・アルバムは、再結成はしたものの燻り続けていた感のあったエアロが、外部ライターを導入することで息を吹き返し、その後の大躍進となる分岐点となった作品。当時来日もして、横浜文化体育館まで見に行った覚えがある。

12インチ・シングル・ミックスはまあまあの出来。自分はどんなアーティストの派生作品でも、”ただの”ロング・ヴァージョンが一番好きなので、ここでも03が一番いいかな。何と言っても、カントリー調のアルバム未収録曲04の出来が素晴らしい。アルバムにはそぐわなかったかもしれないが、アメリカのルーツ音楽に根差したエアロのロックを物語るようで楽しい作品(派生してカントリーの大御所Willie Nelsonと共演したヴァージョン「One Time Too Many」もある)。この曲、エアロの中で自分が一番好きな曲「Chip Away The Stone」の作者Richie Supaの作品でもある。これ聴けるだけでもいいや。

01 Dude (Looks Like A Lady) (Extended Rockin' Dude Mix)
02 Dude (Looks Like A Lady) (Dude This Way) (A Cappella)
03 Rag Doll (Extended Vacation)
04 Once Is Enough
05 Angel (New AOR Mix)

オークションにて購入(¥580)

  • CD (1988/12/10)
  • Disc : 1
  • Label : ワーナーミュージック・ジャパン
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Led Zeppelin (Deluxe Edition) / Led Zeppelin

2017年04月24日 | ハードロック・へヴィーメタル

 

Led Zeppelin (Deluxe Edition) / Led Zeppelin (2014)

2014年に始まったレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)のオリジナル・アルバムのデラックス化。ことあるごとに御大ジミー・ペイジ(Jimmy Page)は、(新しい音源は)もう無い、もう無いと虚言を繰り返し(笑)、結局ファンにオリジナル・アルバムも再度買わせるご存じ付録商法。アナログ、初CD化、リマスター化、紙ジャケ化、そして再度リマスター+おまけの今回と「もう付き合いきれねえよ」と思うものの(実際付き合ってきたのだ…)、おまけがテイク違いとかミックス違いでなくライヴ音源とあってはコロッと方針を変え購入。それでも発売から今まで買わなかったのがせめてもの抵抗という、手玉に取られまくりファンの情けない状況だ(苦笑)。

正直もうリマスターの成果なんてどうでもいいので、肝心のライヴ音源。1969年10月のパリ、オリンピア・シアターでの録音で、全9曲を収録。この音源は2007年にパリのラジオ局で再発見され、放送されたものが元になっていて、再放送後はブートレグ(海賊盤)となって出回ったものだそう(もうこの頃にはカタギになっていたので詳しいブート事情はよく知らない)。ファースト・アルバムが発売されてから9ヵ月程とあって、バンドが昇り調子でピチピチの鮮度があり、ロバート・プラント(Robert Plant)の高音ヴォーカルは凄いし、ジミーのギターはボウイング(バイオリンの弦を使った奏法)を含めどんどんオリジナリティーを増している。そして、底を支えるリズム隊(John Bohnam, John Paul Jones)は鉄壁。ベースの音がよく出ているのに対し、バスドラの音は引っ込み気味ではあるが、元がラジオ音源なので若干のバランスのばらつきは仕方がない。しっかり会場の空気感も捉えられていて、モノラル録音だが、それが逆に迫力を増しているよう。

このシリーズ、ディスク2(コンパニオン・ディスクと呼ばれている)の方はミックス違いとかでお茶を濁しているアルバムが多いので、買う気が起こるのはフェイヴァリットの「Jenning Farm Blues」が入っている「Ⅲ」と、未発表が多い「コーダ」くらいだが、少々難があっても全部ライブ音源を付ければさぞかし凄い事になっていただろうに。各期のライヴのマスター音源、絶対持ってるからね、ジミーは。

amazonにて購入(¥1,019)

  • CD (2014/6/24)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import
  • Label : Atlantic

 

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Hotter Than Hell / Kiss

2017年04月08日 | ハードロック・へヴィーメタル

Hotter Than Hell / Kiss (1974)

キッス(Kiss)のセカンド・アルバム。デビュー・アルバムと同じ年に発売されている(そうそう昔はアルバム発表のインターバルは1年が目安だった)。邦題は「地獄のさけび」。もともとこのアルバムジャケット(あのノーマン・シーフがデザインだとのこと)に日本語で「キッス」「地獄のさけび」「ジイン・シモンズ」「ポール・スタンリィ」「ピータ・クリース」「エース・フューリ」「カ」などと表記があったのでその邦題になり、その後の「地獄」シリーズとあいなったらしい。なぜデザインに日本語が採用されたのかは知らないが、今見ても横尾忠則、あるいは歌舞伎っぽくてなかなかカッコイイ。

ファーストと比べると若干厚みは増したかもしれないが、相変わらずドラムの音は軽く、曲もコンパクトにまとまっているので、(当時は別として)ハードロックという括りでは軽い部類なのかもしれないが、後追いの自分はキッスのこういうポップというかストレートなロックンロールという面が気に入っているので、アルバムを通して楽しめる。本国でどのくらい売れたのかな、と調べてみると、何とビルボード・チャートで100位。ってコレ、ファーストよりも悪い成績じゃないか…。やはり「Alive!」までのキッスはなかなか苦労したんだねェ。

 

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (1990/10/25)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Polygram Records
コメント (4)
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Love Gun / Kiss

2017年03月02日 | ハードロック・へヴィーメタル

Love Gun / Kiss (1977)

1977年にキッス(Kiss)が発表した6枚目のアルバム。プロデュースは前作に引き続きエディ・クレイマー(Eddie Kramer)が担当。ジャケットは何となくストーンズ(The Rolling Stones)の「It's Only Rock'n' Roll」を彷彿とさせる。ちょうどこの年はキッスが初来日した年。NHKの「ヤング・ミュージック・ショー」で放映されたライヴ映像でも確認できるが、サウンドもステージも確立されて、バンドがノリに乗っていた時期のはず(後追いファンなので当時を知らず)。勢いがあったのだろう、たった3週間程で録音は終了したらしい。

のっけから紛うかたなきキッスらしさ満開のロックンロール。プロダクションはもちろん初期よりは華々しいが、そうは言ってもメイクやコスチュームとは裏腹にシンプルこの上ない。いきなり2曲目の「Christeen Sixteen」のピアノでひねりが入る。これがなかなか効いていて、とても印象に残る曲だ。表題曲「Love Gun」はまさにマスター・ピース。最後はフィル・スペクター(Phil Specter)の名曲。ハマっていると言えばハマっているが、ちょっとストレート過ぎるか。収録曲はヴォーカルもメンバー4人で分けているのでまさに集大成といった感じ。このアルバムの後にライヴ盤「AliveⅡ」が出て、結局は全曲がオリジナル・メンバー4人による演奏としては最後のスタジオ・アルバム(1998年に復活するまで)にもなってしまう。

中古店にて購入(¥750)

  • CD (1989/11/21)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Uni/Mercury
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A Different Kind Of Truth (Deluxe Edition) / Van Halen

2017年02月10日 | ハードロック・へヴィーメタル

A Different Kind Of Truth (Deluxe Edition) / Van Halen (2012)

デイヴィッド・リー・ロス(David Lee Roth)がメンバーとして復活して制作された2012年のヴァン・ヘイレン(Van Halen)のアルバム。来日公演の前にすでに手に入れていたが、こちらはボーナスDVDが付いたデラックス・エディション。安かったのでつい買い直してしまった。ボーナスDVDは「The Downtown Sessions」と名付けられたアコースティック・セッションで、椅子に座ってリラックスした和やかなモノクロ映像。「Panama」などのハードな曲をアコースティックで演奏しているギャップが楽しい16分ほどの作品。こういう環境だとデイヴが歌を崩しまくるだろうナと思ったが、全くその通りで予想通り。根っからこういうお調子者なんだなと納得してしまう。終始和やかな雰囲気で、これが長年に渡っていがみ合ってばかりいた連中とは思えない(苦笑)。

アルバムは2012年当時、どの程度世間に受け入れられたのだったか覚えていないが、自分はデイヴ以外のヴォーカリストのヴァン・ヘイレンは全く受け入れられなかった懐古主義者だったので、やはりしっくりくるというか、”腑に落ちた”感が強かった。カラッと明るい楽曲に、エディ((Eddie Van Halen))の独特なハードでトリッキーなギター、デイヴのちょっとクラシックで大袈裟なヴォーカル、まるでキッズがやっているように聞こえる高音のコーラスというのがやはり彼ららしさ。もちろんデイヴ抜きで活動した期間の方が圧倒的に長いし、売り上げなどもその頃の方が良かったのかもしれないが、個人的にはやはり、デイヴ。最初にこのアルバムを聴いた時は、なんか音の抜けが良くないように感じて、初期ヴァン・ヘイレンにあったカラッとした西海岸らしさが無いように感じたが、いま久しぶりに聴くとそうでもないかな。あの時の印象はなんだったんだろう。

2015年にアメリカ・ツアーを行なって以降の活動が聞こえてこないのは、大病をしたエディの体調が関係しているのだろうか。それともまた日本かぶれのデイヴが日本に長期滞在しているのかな(笑)。そういえば東京ドームでの公演がCD化されたのに買っていないから買ってみようかな…。

オークションにて購入(¥864)

  • CD (2012/2/6)
  • Disc : 2
  • Format: CD, CD+DVD, Import
  • Label : Universal
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In Concert '72 / Deep Purple

2017年01月30日 | ハードロック・へヴィーメタル

In Concert '72 / Deep Purple (2014)

パッケージは新しいが、音源は昔から有名なディープ・パープル(Deep Purple)の1972年のBBC(英国放送協会)ライヴ。2012年にリマスターされ、アナログでだけ発売されたもののCD化。人気のある黄金期の第2期とあって、過去から様々な形で売られてきた音源だ。1970年のBBC音源とのカップリングでCD(未所有・写真下)も発売されていて、その2枚目と同一音源のはず(ただし曲順はこちらが正しいのだとか)。

 

会場となったパリス・シアターはロンドンにあり、元々映画館だったところをBBCが劇場に改造したところ。その為、広くはないはずだが、70年代初め頃から、ツェッペリン(Led Zeppelin)を含む様々なロック・アーティストがここでライヴを行い、オンエアーされ、その音源はブートレグ(海賊盤)の格好の餌食となり、全世界に拡がった(放送用ディスクが各国、各局に送られるので、放送後に闇に流れたのだとか)。そんなBBC音源も今では公式に発売されているものが多くなり、入手は難しくなくなった。

この時期のライヴとしては何と言っても「Live In Japan」という金字塔があるので比べると分が悪いが、さすが昇り調子の時期とあって、ここでも演奏はタイトでテンションも高く、かっこいい。他のアーティストのBBC音源ではありがちだが、放送用のミキシングだからか、あまり音の奥行きが広くなく、少し平坦な印象を受けることが多いが、このCDではリミックスされているからか、随分と音質が向上しているようで、キンキンとした耳当たりは気にならず、臨場感もしっかりある(ただし上記の既出アルバム自体は未聴なので比較は出来ず)。若干時々入るアナウンス(曲紹介)が邪魔だが、きっと一発録音で細かい編集などは出来なかっただろうから、やはり彼らのテンションの高さと、演奏力の高さには驚かされる。

中古店にて購入(¥540)

  • CD (2014/6/23)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Rhino / Parlophone

 

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Creatures Of The Night / Kiss

2017年01月21日 | ハードロック・へヴィーメタル

Creatures Of The Night / Kiss (1982)

キッス(Kiss)1982年発売のアルバム。邦題は「暗黒の神話」。2015年2月のライヴを体験したのだが、そのライブでのセット・リストになんとこのアルバムから3曲も取り上げられていて、ライヴでの出来も素晴らしかったので、購入を決定。来たる80年代半ばのいわゆるヘアー・メタル全盛を予感させる全編ライト・へヴィーな音作りで、アルバムとして聴いてみても、売上不振やバンド内のゴタゴタの後に作られたとは思えない程まとまった佳作。ちなみに、彼らの出自である、かの「Casablanca Records」から出された最後のアルバムで、クレジットはされているものの、エース(Ace Frehley)は1曲(8)のみへの参加だそうだ。

全ての曲とは言わないものの、カラッとした音でまるで西海岸のバンドのよう。この頃のハード・ロックや、ヘヴィー・メタル全般に言えることだが、80年代特有(つまり流行)の音作りのせいなのか、音像が似通っていて(他のバンド、例えばAC/DCでさえも)、曲が平坦で印象に残りにくいという難点がある。そんな中では健闘しているアルバムだと思う。バンドはポール(Paul Stanley)とジーン(Gene Simmons)以外は、ドラムスがエリック・カー(Eric Carr)、ギターは主にヴィニー・ヴィンセント(Vinnie Vincent)とロベン・フォード(Robben Ford)というラインナップ。当時の詳しい状況は知らないけれど、ツアーもヴィニーがギターを担当した模様。このあとノー・メイク時代に入っていく訳だけれど、キッスはよくこの時代を乗り切ったものだ。

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (1997/10/7)
  • Disc : 1
  • Format : CD, Original recording remastered, Import
  • Label : Island / Mercury
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Deep Purple In Rock (25th Anniversary Edition) / Deep Purple

2016年12月28日 | ハードロック・へヴィーメタル

Deep Purple In Rock (25th Anniversary Edition) / Deep Purple (1970)

ハード・ロックにしっかりと舵をきったディープ・パープル(Deep Purple)の出世作。こちらはボーナス・トラックを追加した25周年記念盤。アルバムを持っていた気がしたが、家の棚には見当たらないので、カセットテープに吹き込んだ(死語)ものを持っていただけかもしれない。自分の知っている1曲目「Speedking」はイントロ無しだったので調べたら、日本盤と米国盤はイントロ無しだったそうだ。つまりここに収録されているのはイギリス盤ということになるのだろう。

自分は小さい頃、ハードロック好きだった長姉にアナログ「ライブ・イン・ジャパン」のB-1(つまり「Smoke On The Water」)を繰り返し、繰り返し聴かされた(洗脳か?笑)割に、彼らにそうのめり込むことは無く、CDはほとんど持っていない(「ライブ・イン・ジャパン '72 完全版」とベスト盤があるくらいか)。なので、ここに収録されたボーナス・トラックも、あまりピンと来ないのが正直なところ。

リマスタリングされているというアルバムは、2期の黄金メンバーが最初っから飛ばし、勢いの良さを見せつける。でも彼ららしいちょっとひねった、というか大仰な曲もあり、ど真ん中ストレートじゃないのがミソ。後から参加したイアン・ギラン(Ian Gillan)が彼らバンドにとってどういう存在だったのか知らないが、彼の激しいヴォーカルは、リッチー(Ritchie Blackmore)のギターや、ジョン・ロード(Jon Lord)のキーボードにはやはり必要不可欠だったのだろうというのがよく分かる。それでもこの黄金期、たった4年しか続かなかったのだが、今で言ったらアルバム1枚作るか作らないかのスパン。なんと濃密な時代。

ブックオフにて購入(¥250)

  • CD (1998/6/30)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : EMI Europe Generic
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