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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

岩嶋屋 @三重県四日市市

2018年05月20日 | 三重県(老舗)

四日市駅前で自転車を借りて付近を散策。かつては賑わった商店街の名残だろうか所々にアーケードが残る通りに出た。その中に雰囲気ある和菓子屋があったので寄ってみた。「岩嶋屋」(創業天保8年・1837)。現在は5代目だとか。店は大きい道路にも面した交差点にあり、壁面に大きく「うすかわ饅頭」と出ているので名物は一目瞭然。店内にその「うすかわ饅頭」が並んでいた。”酒素(さかもと)”と”黒糖”の2つのタイプがあるようだ。創業時から受け継がれている酒素なんだそうだ。箱では買って帰られないので、いつものごとく少数でも買うことが出来るか訊いてみる。もちろんOKだったので紙袋に入れてもらう。

家に帰ってからいただいてみた。口に近づけるとほんのり酒の香りがして、生地の上部からほとんど餡が見えているくらいの薄皮。ざらめと氷砂糖が加えてあるという小豆のつぶ餡はたっぷりで、あまりつぶを感じないくらい滑らか。旨かった。店では見落としていた好物の最中があるそうだから次に機会があったらまた寄ってみようか。(勘定は¥145/個)

 


 

↓ 近くの通りには看板建築の商店の名残がいくつか散見出来た(どれも建築詳細不明)。何屋だったんだろう。この辺りには探せばもっとこういう建物が残っていそうだ。

 

 

 


 

 

岩嶋屋

三重県四日市市新々町3-7

 

( 三重 みえ 四日市 よっかいち いわしまや 薄皮まんじゅう 和菓子 近代建築 看板建築 ) 

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安永餅本舗 柏屋 @三重県桑名市

2017年08月07日 | 三重県(老舗)

三重県桑名市からの帰り、お土産を何にしようかと考えて、嫁の好きな「安永餅」にしようと「安永餅本舗・柏屋」へ。自分は出先で軽く調べて訪問したのだが、帰ってからしっかり調べてみると桑名市で「安永餅」を販売している店は2つあり、その他にも三重県内にいくつかあるのだとか。桑名市内のもう1軒は「永餅屋老舗」(創業寛永11年・1634)。で、「安永餅」自体の発祥ははっきりしていないみたい。そうすると普段お土産などで頂く「安永餅」はどこのものなのか…。たどり着いた桑名駅前の店は古い木看板の掛かった大きな建物で、1階が販売所になっている。店に入るとやや古びた店内には女性店員が若いのから古いの(失礼)まで大勢。皆賑やかにお喋りをしていて和気あいあいといった感じ。店内には様々な和菓子や乾き菓子が置かれていた。「安永餅」は袋有り、袋無し、箱入りなどと細かくラインナップされている。こちらは1つからでも購入出来るが、バイクでも持って帰れそうな5個入りの化粧箱入りというのがあったのでそれをお願いする。

持ち帰った「安永餅」を嫁といただく。こちら製法は昔と変わらずとのこと。よって賞味期限も短い。長細い餅は、粉をふいた皮が少し硬い食感。炙って焼き色が着いた部分が更に少し硬いのがいい。皮と中のあんこのバランスもよく、食べ易くて旨いなァ。硬くなったら炙るといいのだそうだが、細長くて食べ易いこともあり、お茶請けにして嫁と一緒にあっという間に食べ切ってしまった。次は車で行ってもう少し多く買ってこないと。それとも次はもう1軒の「永餅屋老舗」に行ってみるべきか。(勘定は¥486/箱)

この後の記事はこちら (2

 


 

↓ 「武藤外科病院」(昭和初期・建造)。東海道の脇に建つ下見板張りの総二階の建物。窓が並んだ感じからいくと入院が出来る病室があったのだろう。ちなみにここの地名は「安永」。

 

 

↓ 同じ安永にある「松岡産業株式会社桑名支店」(昭和初期・建造)。白い壁にスクラッチタイルの腰壁、玄関のアール等、とてもモダンなデザイン。

 

 


 

 

安永餅本舗 柏屋

三重県桑名市中央町1-74

 

( 三重 みえ 桑名 くわな 安永餅本店 やすながもち やすなが餅 桑名名物 桑名駅 近代建築 戦前 )

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歌行燈 @三重県桑名市

2017年07月31日 | 三重県(老舗)

行き当りばったりで到着した桑名。近代建築をいくつか愛でた後、腹ごしらえをしようと、食事処を探す。普段なら自分の知らない土地は、だいたい下調べしてから訪れるが、今回はバイクで走っていて何となく着いてしまったのでまるで情報が無い。そこで現地でスマホを使って「その手は桑名の焼き蛤(桑名=蛤(ハマグリ)」という短絡的なイメージで検索。いくつか引っ掛かったうちで歴史のありそうなこちら「歌行燈」に決め、店に向かった。店舗隣の駐車場に停めて店に入ると、店員さんに「すでに満員でお呼びするのに50分程かかりそう」とのこと。まだ昼営業が始まったばかりの時間なのに凄いなァ…。大勢のグループ客が入ったばかりのようで、店員さんも”ちょっと無理です”口調だったが「よろしければ名前を」との事だったので一応待ちリストに記名しておいた。近辺をブラブラして他の店を探す。近くの1軒で軽く腹に入れた30分後、店の前を通ると、たまたま店員が外に向かって「〇〇様~」と自分の名を呼んでいた。オイ随分早いナ。どうしようか迷ったが、折角なので返事して中へ。

こちら創業は明治10年(1877)とのこと。建物はなかなか風情があるが、様子からすると新しいみたい。後から調べてみると老舗とはいえ様々な業態で海外にも店を出す大きな会社経営のようだ。案内されて奥のテーブル席に腰かける。大店(おおだな)なので6人掛けのテーブルに1人。申し訳なし。サッと品書きに目を通すものの、種類が多くて分かりづらかったので「蛤うどん」の入った「蛤うどん御膳」というものを注文した(後から調べたらちゃんと単品もあった)。

ほどなくして「蛤うどん御膳」が運ばれた。やや小さめの蛤が3つほどのったうどんと、小さいちらし寿司、天ぷら、茶椀蒸しがセットになっている。うどんのつゆは淡い色ですっきりとした薄味。旨いつゆだが折角なのでもう少し蛤を強く感じたいところ(出汁と蛤は関係ないのかも)。うどんはコシが強め。こちらが昔からこの麺なのかは知らないが、最近のうどんは讃岐の影響かこういうのが多いので逆に印象に残らない。この出汁ならうどんはもう少し柔めの方が合うような気がする。他は「御膳」と名の付く品書きから想像出来る通りの味だった。無難ではあったが、これなら単品で「焼蛤」や「蛤酒蒸し」を頼んだ方が楽しめたかな。(勘定は¥1,814)

 


 

↓ 食事前に訪れた「六華苑(旧・諸戸清六邸)」(大正2年・1913・建造)。素晴らしい庭園と洋館、和館からなる。洋館は明治~大正期の日本で数々の西洋建築を設計したイギリス人建築家ジョサイア・コンドルによるもの。建物は国の重要文化財に指定されている。それにしても昔の名士の財力といったら…。

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

歌行燈 (うたあんどん)

三重県桑名市江戸町10番地

 

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八百勇 @三重県桑名市

2017年07月29日 | 三重県(老舗)

ある好天の休日、岐阜市内の長良川堤防沿いを気持ち良くバイクで走っていたら、興が乗って知らぬ間に「木曽三川公園」付近まで。ついでにこのまま走っちゃえと三重県桑名市まで到達。普段と違って全然下調べせずに来たので、急遽スマホで周辺の近代建築と食事処を検索してピックアップ。ある店に辿り着いたのだが、開店直後にも関わらず待ちが出ていて「かなり時間がかかりそう」とのこと。とりあえず名前を告げて周辺をウロウロ。

その時に近くで見つけた渋い店構えのこちら、お好み焼の「八百勇」。もちろん中に入ってみた。予想通り年季が入った土間にテーブル席が並ぶ店内。柱も蝿帳(はいちょう=小さい食器棚)も褐色に枯れていて素晴らしい。創業は100年を超えるのだとか。店主はかなりご高齢のお母さん(御年90位だろうか)。自分はお母さんが立つ鉄板の目の前の席に座ったが、テーブル席に近くの人達らしき中年の集団が着座したばかりのよう。お母さんは多人数の客に加えて予想外の新規客(自分のこと)が入ってきてしまって戸惑っている様子(笑)。「並焼きそば」を注文したが、奥で誰かが調理するのだとばかり思っていたら、調理は全て目の前のお母さん1人で、具材の用意は娘さん(たぶん。といっても当然この方もご高齢)。グループ客がビールのつまみをバラバラに注文するもんだからちっとも調理が進まない。お母さんは泰然自若としてゆっくりとつまみの玉子焼きを焼いている…。ただ、1人で目の前に居る自分を不憫に思ってくれたのか「こっち先にやるね」と焼きそばの調理にかかってくれた。

調理の様子を見ていると振りかけた胡椒が明らかに多かったが(笑)、ゆっくりと調理された焼きそばが平皿にのって差し出された。太縮れ麺でたっぷりめのソースで味付けされている。脇には紅生姜。思った通りかなり胡椒辛い。「玉子入り」にすればちょうど良かったかと思いつつ、素朴な焼きそばをあっという間に平らげた。この日はちょっとタイミングが悪かったが、この年季が入ったいぶし銀の店内で、お母さんにつまみを焼いてもらいながらビールをいただいて、締めに焼きそばかお好み焼き、なんて最高だろうなァ。(勘定は¥350)

※令和2年頃に一度閉店されましたが、現在はご家族が後を継いで再開したようです

 


 

↓ 「諸戸家住宅主屋」(明治20年頃・1887・建造)。主屋の他に広間や座敷、洋館や玉突き場があり、国の重要文化財に指定されている。次は時間をとって敷地内を見学してみないと。

 

↓ 主屋の横に建つ「諸戸(宗)家住宅煉瓦蔵」(明治20年・1887・建造)。以前は5棟あったものが昭和20年の戦災で3棟になったのだとか。修繕の為か敷地の一部が囲われていた。

 

 

↓ 敷地の目の前まで水路が巡らされていて、この屋敷群の向こうに「六華苑(旧・諸戸清六邸)」の大庭園があるのを考えると、当時の有力者の財力、影響力の凄さが分かるというもの。

↓ 水路の反対側にある「蔵前祭車庫」(大正15年・1926・建造)。自治会が所有する倉庫で、国の登録有形文化財に指定されている三重県内初期の鉄筋コンクリート建築。

 

 


 

 

お好み焼 八百勇

三重県桑名市江戸町15

 

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赤福本店・朔日餅 (頂き物) @三重県伊勢市

2016年11月04日 | 三重県(老舗)

縁あってほぼ毎月「朔日餅(ついたちもち)」を頂いている。そう、あの伊勢神宮参道にある「赤福」(創業宝永4年・1707)の朔日餅。不祥事やお家騒動が明るみに出てイメージダウンした赤福だけれど、現在はすっかり人気を取り戻している。ご存知の方も多いと思うが「朔日餅」とは毎月1日に赤福本店が売る、その月1日限定の和菓子。前日の午後5時から列整理券が受け付けされ、なんと掛け値なしの朝3時30分から並び、列整理券が配られ、4時45分から発売が開始されるという、ものすごくハードルの高いもの。近隣の駐車場からシャトルバスも出るというから凄まじい。もちろん現地でしか手に入らないので、他所の土地に居ればほぼ不可能なのだが、知り合いが毎月わざわざ律義に持って届けに来て下さるのだ。その知り合いがどのように手にしているのかは詳しく知らないのだが(ご苦労はわざわざ訊かない方がいいだろうナ…)、ありがたや、ありがたや。

今月11月の朔日餅は「ゑびす餅」。風情ある絵柄の伊勢千代紙で作られた包みを開けると、いつもの朔日餅と書かれた箱(写真下左)の中に菓子が並んでいる。今月はめでたい恵比寿様の絵が描かれたポストカードと本物の稲穂(写真下右)が同梱されている。すごい。これ用意するだけでも大変だろうなァ。ゑびす餅は黒糖味と柚子風味の2種類で、それぞれ「打ち出の小槌」と「小判」の焼印が押してある。黒糖味は皮も黒く、柚子味はやや黄色がかった白い皮。商売の神様、恵比寿様とお伊勢さん、それにいつも持って来て下さる某氏に(心の中で)手を合わせてから頂く。もちっとした皮の中に、赤福餅に使われているような滑らかなこし餡が入っている。黒糖の方はしっかりとした風味。柚子の方はほんのり香る程度でわざとらしくなく、どちらもとても美味しい。この味わいの後ろには色々な人のご尽力があると思うと感謝の気持ちなくしては頂けない。また次もよろしく(笑)。←バチ当たり

 

↑ 朔日餅用の箱(左)と、11月の朔日餅に入っていたえびす様のポストカードと稲穂(本物!)(右)。

 

↑ 11月の朔日餅「ゑびす餅」の説明書き(左)と、黒文字(楊枝)の包みの挿絵(右)。

赤福本店

三重県伊勢市朝熊町2015

 

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