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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Content / Gang Of Four

2016年11月27日 | パンク・ニューウェーヴ

Content / Gang Of Four (2011)

1970年代の終わり、ポスト・パンク世代のバンドの中でも一等かっこよかったギャング・オブ・フォー(Gang Of Four)。ギターのアンディ・ギル(Andy Gill)率いるバンドはバンド名(中国の政治犯に付けられた「4人組」)からも分かるように、政治的なメッセージを多分に盛り込んだ左翼的なバンドだった。もちろんそれ一辺倒ではく、だんだんポップな音楽性も見せるようになっていたが、彼らと言えばやはりファーストの「Entertainment!」の印象が強い。エッジの効いたアンディ・ギルの剃刀のようなギターと、音数の少ない独特の音楽にハマって、アルバム、EP、コンピCDやなんかを集めたものだ。レッチリ(Red Hot Chili Peppers)なんかの現大物バンドのメンバーを含めて、ニュー・ウェーヴ期の彼らに影響を受けたアーティストは洋邦問わず多いんじゃないかな(※)。91年の復活作「Mall」までは追い掛けていたが、その後は疎遠になり…。

※アンディ・ギルはレッチリのファースト・アルバムのプロデューサーとして起用された。でもレッチリのメンバーはその仕事を気に入らなかったらしい。

このアルバムは前作の「Shrinkwrapped」(1995・未聴)から16年ぶりのオリジナル・スタジオ・アルバム。彼らは今も活動していて、このアルバムの後に1枚リリースしているが、このアルバムまではオリジナル・メンバーのジョン・キング(Jon King, Vo.)が在籍していたことになる。一聴して、80年代初頭よりも以前の音楽性に戻っているような印象。音数を絞って、アンディ・ギルのギター・サウンドが全面に出て、あの頃の音が好きな人ならグッとくるだろうし、楽しめる(と思う)。歌詞はほとんど理解していないので、曲の内容を掘り下げる所まではいっていないが、断片的に耳に入ってくるセンテンスや単語が胸をかき乱す…。不穏な曲調は健在。特に6「I Party All The Time」なんかの出来は出色。

オークションにて購入(¥432)

  • CD (2011/1/25)
  • Disc : 1
  • Format: Import
  • Label : Yep Roc Records

 

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Adventure / Television

2016年09月08日 | パンク・ニューウェーヴ

Adventure / Television (1978)

テレヴィジョン(Television)の2枚目にして第1期最終作品。このアルバムをもってバンドは解散し、90年代に復活するまでグループでの活動は封印される。ファーストはロック史に残る名作。その陰に隠れてしまっている作品だが、どっこいこちらも好作品。というかほとんどの曲はファーストと同時期に完成され、ライヴで鍛え上げられてお馴染みのトラック(当時)なので、完成度は高い。ファーストと比べるとカドが取れた若干の柔らかさや、ある種のポップなまとまりを感じないこともないが、間違いなくテレヴィジョンらしい音空間がこのアルバムでも記録されている。もちろんアナログ、CDで既に保有しているし、先日はこのアルバムのアウトテイクを収録したブートレグ(海賊盤)まで購入したが、こちらは2003年に発売されたリマスター音源。そして以下のボーナストラックが追加されていて、それだけ目当てで購入した。

09  Adventure
10  Ain't That Nothin' (Single Version)
11  Glory (Early Version)
12  Ain't That Nothin' (Instrumental)  

9はアルバム・タイトルと同名曲で、ライヴではすでに演奏されていた曲。何故アルバムへの収録を見送られたのか分からない位の完成度の曲。他にはヴァージョンを3曲。インストの12でも、ロック然としたアレンジだがテレヴィジョンの特徴は充分に発揮されていて、トム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)のあの裏返ったような独特なヴォーカルが無くても、2つのギターが充分に”語っている”のはさすが。アルバムの最終曲「The Dream's Dream」は、個人的にはファーストの名曲「Marquee Moon」に匹敵する作品にも成り得ただろうと思う佳曲。「Marquee~」にあったピリピリとした緊張感が欠けているし、終わり方が中途半端なので、もう少しスタジオで何とかなった気がしないでもないが、印象深いギターフレーズや、夢見るような歌詞など、彼ららしさがいっぱいで、しみじみとと心に沁みる良さがある。ブートで聴くライヴ・テイクではもっとずっと良いのだが…(あと1回メインフレーズをリフレインしてくれるアレンジならもっと…)。こうして聴いていると彼らの曲は、トムとリチャード・ロイド(Richard LLoyd)の2本のギターに隠れがちだが、フレッド・スミス(Fred Smith)のベース・ラインがとても重要だということがよく分かる。本編はアナログや以前のCDと比較して粒立った音像だが、やり過ぎ感は無く、リマスターも成果が出ている。

amazonにて購入(¥940)

  • CD (2003/11/10)
  • Disc : 1
  • Format: Original recording remastered, Import
  • Label : Elektra / Wea

 

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Greatest Hits / Blondie

2016年08月19日 | パンク・ニューウェーヴ

Greatest Hits / Blondie (2002)

ブロンディ(Blondie)のベスト盤を安価で発見し、購入。自分がブロンディーを知ったのは彼女らの全盛だった80年代の初め頃。自宅のレコード棚には長兄の買ったと思われる「Rapture」の12インチ・シングルや、ベスト盤「軌跡!ザ・ベスト・オブ・ブロンディ」(もちろんアナログ盤)があったと記憶する。個人的にはそれほど興味は惹かれず、後になって夢中になって追いかけた「ニューヨーク・パンク」の括りで、バンドの出自に対する興味が湧き、彼女らのファーストを自分で購入した。そのアルバムは、ポップではあったが、やはり後の煌びやかさはまだまだといった感じ。こうしてベスト盤を聴いてみると、数々のヒットソングがどれほど強力だったかよく分かる。

どうして紅一点のデビー・ハリー(Debbie Harry)がそれほど時代の寵児となったか今でもよく分からない。確かに可愛いらしくてコケティッシュだが、絶世の美女という訳ではないし、スタイルが良い訳でもない。よく見ると当時だって結構ドスの効いた目付きしている。自分はクローネンバーグ監督の「Videodrome」などのカルト映画で見た彼女の退廃的な印象が強いくらいだ。敢えて言えば”ポップ”で、ニューウェーヴの”顔”的存在だったのだろう。収録曲はさすがのヒット曲揃いで、ディスコ調のリズムを採り入れたヒット曲から、50、60年代のバブルガム・ポップを彷彿とさせる曲、レゲエをカヴァーした曲などポップでバラエティに富んでいる。それでもどこか稚拙で未完成な感じを受けるところこそが魅力なのかな。

ブックオフにて購入(¥280)

  • CD (2002/11/15)
  • Disc : 1
  • Format: Import, from US, Best of
  • Label : Chrysalis
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1979 – 1999 / The Pretenders

2016年07月31日 | パンク・ニューウェーヴ

 

1979 – 1999 ( Box Set ) / The Pretenders (2015)

一番好きな女性ヴォーカリストは?って訊かれたらどう答えるだろう…って考えてみたが、自分は色々な音楽を聴くわりに意外と女性ヴォーカリストのアルバムって買ってない。ソウル系ならまだしも、ロック・シンガーだとなおさら。そんな中で自分の好きな女性ロック・シンガーの筆頭と言えばクリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)。彼女特有のコブシを効かせた歌い方は好き嫌いあるだろうが、自分は昔から彼女の声が大好き。濃いマスカラに、ガッツのある低い声、男勝りなギター・ストロークと態度、ファッション。そしてそんな強さの下から時々チラッと見せる女性らしさ。長兄の持っていたファースト・アルバムを小学生の時に聴いてから、ずっと好き。彼女の作る音楽はいい意味で昔から変わらず、ギター中心のロック。「姉御」と呼びたくなる逞しさ、かっこよさがあるが、実生活では恋多き女でもあり、実はラヴ・ソングが多い。そんなギャップも素敵だ。

近年ではとうとうアルバムには「プリテンダーズ(The Pretenders)」とクレジットされなくなり、グループとしての活動は終わったようだが、プリテンダーズは紛れもなく彼女中心のバンド。そんなプリテンダーズのデビューから8枚のアルバム(下参照)が、レア・トラック、レア映像をてんこ盛りにしてボックス・セットに編集された。もちろんすべてのアルバムはすでに所有しているし、既発のボックス・セットまで持っているのでので悩んだが、結局購入。

Pretenders (1980)
Pretenders II (1981)
Learning To Crawl (1984)
Get Close (1986)
Packed! (1990)
Last Of The Independents (1994)
The Isle Of View (1995)
Viva El Amor! (1999)

14枚のCDに8枚のDVDを合わせた22枚組! 彼女の場合、アルバム収録曲以外にも、サントラやコンピ盤、トリビュート盤に提供した曲も多いので、確かにこのレア・トラック集は便利。このボックスでほんの数曲を除いてほぼ網羅出来ているそうです(クリッシー個人名義でのコラボ作品は収録されていない)。こうして初期から聴き直すと、声も驚くほど変わっていないし、音楽スタイルも一貫している。ハードに飛ばすロックな曲はもちろん、しっとりと歌い上げるラヴ・ソングも、クラシック・ロック中心のセンスのいいカヴァー曲も、彼女が歌うとやっぱり、イイ。2枚目のライヴ音源は正式に発売して欲しかったくらいの出色の出来。必聴。

映像の方ではPV(プロモーション・ヴィデオ)の他、テレビ出演時(ほぼBBC)の映像が多く収められている。今はもう結構なバーサンになっている彼女だが、昔からあまり変わっていないなァ(若い頃が老けていたということかも…)。それでも初々しさ、色気、活きの良さは充分に伝わってくる。DVDには亡くなった2人のオリジナル・メンバー(James Honeyman-Scott、Pete Farndon)の姿も(これクリッシー、ピートに惚れてたんじゃないか?)。年を経る毎に彼女の歌が上手くなっていくのもよく分かる。ただ個人的には上手に歌い上げる曲よりも、言葉を放り投げるような粗さが感じられる曲の方がやっぱり彼女らしくて好きかな。どこまで行くのか分からないが、まだまだ頑張って世界一(初?)のかっこいいロック・バーサンになってもらいたいものだ。

オークションにて購入(¥9,782)

  • CD (2015/2/24)
  • Disc : 22
  • Format: Box set, CD, Import
  • Label : Edsel
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The Black Session : Paris, 10 May 2011 / Wire

2016年07月01日 | パンク・ニューウェーヴ

The Black Session : Paris, 10 May 2011 / Wire (2012)

ワイヤー(Wire)が2011年に行った招待客の前でのライブ演奏。フランスのラジオの企画だそうだ。他のアーティストでも「The Black Session」というワードがヒットするので、この「The Black Session」というのがラジオの企画の名前なんだろう。ブルース・ギルバート(Bruce Gilbert)が抜け、この頃から新しく参加したマシュー・シムズ(Matthew Simms)という若者がギターを担当している。このマシュー、おっさん3人の中で1人だけストレートなロン毛なので風貌に違和感がありあり。ワイヤーとロン毛は一番遠い関係だっただけに古いファンとしてはちょっと複雑な心境だナー(とは言ってもライヴ演奏を見たことは無いが…)。

らしさいっぱいの暗い旋律から始まり、2曲目になるともう往年を思わせるスピードに上がるので年齢を感じさせず、音だけ聴いていると昔とあまり変わらないクオリティで演奏が続く。新旧織り交ぜた選曲ではあるが、タイミングとしては当時の新作アルバム「Red Barked Tree」発売後なので13曲中7曲が同アルバムから演奏されている。全然上手いヴォーカリストではないのに、コリン・ニューマン(Colin Newman)の声はずっと頭の中に引っ掛かる不思議な魅力。どう転んだって”売れる”音楽ではないが、1977年の昔から一貫して徹底的にクールで、冷たく燃えるその音楽性は相変わらずかっこいい。このアルバムは4年も前の物だが、バンドが2016年の今も存続しているのが奇跡だ。

amazonにて購入(¥1,341)

  • CD (2012/2/20)
  • Disc : 1
  • Format: CD, Import
  • Label : Pink Flag

 

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The Album (Expanded Edition) / Eater

2016年05月29日 | パンク・ニューウェーヴ

The Album (Expanded Edition) / Eater (1977)

オリジナル・ロンドン・パンクの中でもメンバーが特に若いことで知られていたイーター(Eater)。何しろバンド結成時は14-17歳だったらしい。中坊だ。最初に聴いたのはロンドン・パンクの秀逸なライヴ盤「The Roxy London Wc2」にて。彼らのファースト・アルバムは長いこと絶版で、80年代後半に西新宿をうろついていた頃でもオリジナル盤(中古)は一等高い値段が付いていて、店の高いところに飾ってあった。それを思い切って買ったのはまだ学生の頃だったが、当時で「9,800円」(!)だったと記憶している(同様に購入したX-Ray Spexの「Germfree Adolescents」も同じくらいの値段だった)。音楽もデフレなこの時代には考えられないが、LP(クーッ、これも死語か)1枚にい・ち・ま・ん・え・ん…。もちろん貧乏学生当時の事だから清水の舞台から飛び降りるような心境だったはずだ。住んでいた下北沢にはタウンホールに「Wind」というマニアックなレコード屋が一時入っていて、イーターのレアな12インチ・シングル「Lock It Up」(邦題「パンクでぶっ飛ばせ」(笑)・写真下)が高くない値付けで売っていて、一緒だったパンクな友人が狂喜して購入していたことも思い出す。今ではそんなレアだった音源までCDで再発されるようになり、気軽に聴けるようになるのは嬉しくもあり、何だか複雑な気分でもある。

このCDはそのファーストにシングル曲を集めた盤をプラスした便利な1枚。安いなァと思って条件反射で購入してしまったが、家に帰ってCD棚を見ると、ちゃんと同じものが鎮座していたのだった…(涙)(←買って満足してしまい、アナログで持っているのであまりしっかり聴かなかったパターン)。こういうことばっかりしているから、家族に「この山どうするの?」という冷たい視線と「整理する」という無理難題を突き付けられるのだ。それはさておき、ヴェルヴェット・アンダーグラウンド(The Velvet Underground)やTレックス(T Rex)、ボウイ(David Bowie)のカヴァーを含む彼らなりのパンクは、プロダクションこそチープだが、自分が演るんだという音楽衝動や勢いはしっかり捉えられているし、当時はそれがリアルに感じられたんだと思う。またグラム・ロックがパンクに与えた大きな影響をも窺い知ることが出来る。もっと稚拙な印象があったが、こうして改めて聴いてみると楽曲によっては凝った部分もあり、これを中高生位のガキが作ったというのはやはりナカナカのものだ。

ブックオフにて購入(¥750)

  • CD (2015/9/30)
  • Disc : 2
  • Format: CD, Import, Original recording remastered
  • Label : Cherry Red

 

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I Need A New Adventure / Television

2016年04月24日 | パンク・ニューウェーヴ

I Need A New Adventure / Television PVCD1007 (2003)

「Punk Vault」というレーベルから出たテレヴィジョン(Television)の1978年のアウトテイクを集めたブートレグ(海賊盤)。ここに収録されている楽曲が中心のセカンド・アルバム「Adventure」(写真下)がリマスターされボーナス・トラックを追加して発表されたのが2003年なので、(よくあることだが)アーカイヴを整理する段階で音源が流出したのかもれない。それとも以前から出回っていた音源なのかな。この「Punk Vault」とうレーベルはこの頃にニューヨーク・パンクやロンドン・パンクのレアな音源をいくつか発表したレーベルで、一説には日本のある有名な海賊盤レーベルの派生らしい…。

それはさておき、このブートの音源が元になったアルバム「Adventure」は、ファーストにして名盤の「Marquee Moon」に比べると地味で世間の評価が著しく低いものの、ライヴでも多く演奏された名曲揃いで、劣ることのない充実盤(と個人的には思っている)。こうしてアウトテイクを聴いていても、曲の構成は完成されていてライヴ等で鍛え上げられていたことが想像出来る。2はアルバム・タイトルに採用されたものの、アルバムに収録されることは無く、リマスター盤のボーナスとして収録された。11、13は未発表曲。ライヴ・ブートレグを何枚も所有しているが自分も初めて聴いた(ただしどちらもインストゥルメンタル)。12は解散後にトム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)のソロ・アルバムに歌詞を付けて収録されている。個人的に好きな曲は14。オリジナル・アルバムのラストでは何だかあっさりとした感じだったが、やりようによっては名曲「マーキー・ムーン」にも匹敵するくらいの名曲に成り得たんじゃないかと個人的には思っているんだけどなァ。トムとリチャード・ロイド(Richard Lloyd)のツイン・ギターの掛け合いはどの曲を聴いても抒情的で、スリリングで、痺れる。

01 Ain't That Nothin'
02 Adventure
03 Glory
04 Days
05 Foxhole
06 Carried Away (aka Vibrato Song)
07 Ain't That Nothin'
08 Careful (aka I Don't Care)
09 Glory
10 Carried Away
11 Up All Night
12 Grip Of Love
13 Last Night (Piano Song)
14 The Dreams Dream
15 Glory
16 The Fire

コメント (3)
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The Sound Of The Jam / The Jam

2016年04月10日 | パンク・ニューウェーヴ

The Sound Of The Jam / The Jam (2002)

ザ・ジャム(The Jam)のディスコグラフィーは、初期のシングルやBBC音源の他、4枚目のオリジナル・アルバムまではアナログで、CDになってからは1983年のCompact SNAP!」というベスト盤1枚で愛聴していた。ただ「Compact SNAP!」は2枚組のアナログ収録曲を時間の関係上削っていたはず。その後はオリジナル音源をまるっと収録した5枚組ボックス・セットを購入した後、永らく聴いていなかったが、最近オリジナル・アルバムをCDで買い直したりしていて、安価だったこともあってついこの編集盤も手に入れた(よく考えたらボックス・セットがあるんだからどれも必要ないナ…)。2002年の編集だから、90年代のドンシャリ・リマスター(当時アナログ発売音源をCD化するに当たって、高音と低音を作為的に強調するリマスター作業が流行った)期を抜け、ごく自然に聞こえるのは有り難い。

選曲はちょっと変わっていて、いわゆる有名曲の収録はほどほどで、前述のベスト盤と比べても26曲中10曲かぶっているだけ。自分の好きな初期音源が少ないのは、彼らの音楽的評価からいって中・後期の方が評価が高いので仕方がないだろう。そんな中・後期でも、らしさを残しつつ少しマイナーな曲(シングルB面曲など)が選ばれているのが特徴。しかもいわゆる通常のヴァージョンでないものを織り交ぜていて、全部揃っているファンにも対応している。彼らのデビュー25周年を記念してコンパイルされた企画だったので過去のベスト盤と毛色の違った編集を目指したのだろう。通して聴いてみるとなかなか新鮮でいい。アナログ、シングル、CDと色々持っていながら、初期に思い入れが強すぎて自分が今までしっかり聴いてこなかったことを改めて認識。

中古店にて購入(¥180)

 

  • CD (2012/6/20)
  • Disc : 1
  • Label : USMジャパン
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In The City / The Jam

2016年03月14日 | パンク・ニューウェーヴ

In The City / The Jam (1977)

オリジナル・ロンドン・パンクの名盤、ザ・ジャム(The Jam)のファースト・アルバム「In The City」をCDで買い直し。ジャムは初期と後期で随分音楽性に幅が出たが、自分がいつ聴いてもワクワクさせられるのは、やはりこのファーストと同じ年に出たセカンド「This Is The Modern World」だ。怒れる若者らしい疾走感がみなぎっており、ピストルズ(Sex Pistols)やクラッシュ(The Clash)とはまた違った雰囲気で当時のイギリスの若者の焦燥感を表現していた(彼ら自身はパンクの括りは嫌だったようだが)。彼らを最初に聴いたのは学生の頃「Strange Fruit」というレーベルから出ていた「Peel Sessions」というシリーズのEP(写真下)で。

英BBCの名物DJ、ジョン・ピール(John Peel)の番組で放送されたスタジオ・ライヴ音源のレコード・シリーズで、生の生き生きとした演奏と、12インチ45回転のリアルな高音質が魅力的だった。80年代中~後半にコツコツと買い求めたのでいくつものアーティストが揃っている。ジョン・ピールは60年代からのベテランでありながらパンク・ロック~ニュー・ウェーヴのアーティストを後押ししていたので、必然的にその周辺のアーティストを沢山聴くようになり、自分の音楽履歴にも大きく影響したものだ。そこで聴くジャムはかっこいいのなんの。そして次はこのファーストと、オリジナル・スリーブ付きのかっこいい輸入盤シングル(写真下)を中古レコード屋を廻って買い集め…と中毒症状が拡がっていった(当時でも中古で1枚¥2,000近くした覚えがあるけれど、よく買ったなァ…)。

 

全部で30分ちょっとのこのアルバム。勢いだけで突っ走っていて、今聴くと微笑ましいところもあるが、気持ちのいいギターの音とモータウンなんかを連想させるコンパクトにまとまった曲群は魅力たっぷり。このスタイルのジャムは好きだったが、3枚目くらいから音楽性に幅が出てグッと作り込むようになり、それに伴って自分の興味はだんだん薄れ、後期、それにポール・ウェラー(Paul Weller)のソロはほとんど聴かずにきてしまった。世間的にはその時期の方が評価がずっと高いのだが…。

中古店にて購入(¥180)

  • CD (2006/12/20)
  • Disc : 1
  • Label : ユニバーサルインターナショナル
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Live At The Academy NYC 12.4.92 / Television

2016年02月25日 | パンク・ニューウェーヴ

Live At The Academy NYC 12.4.92 / Television (2007)

普段デジタル配信音源の購入は少ないのでこんなアルバムが発売されていたとは全然知らなかった。配信音源に何か変わったものがあるのだろうかと適当にアーティスト名を放り込んだら検索に引っ掛かったテレヴィジョン(Television)再結成後の1992年のニューヨークでのライヴ音源(一応2003年にCDリリースもあった模様)。ステージに現れて音合わせをするイントロから収録されているので、きっと編集が少ない音源ではないだろうか(曲間の摘みはありそう)。

再結成時に発表したアルバム「Television」は地味だが名盤だった。この年には来日したので公演を見に行ったが、トム・ヴァーレイン(Tom Verlaine)独特のギター・トーンと独特のヴォーカル、そして緊張感ある演奏は健在。名曲「Marqee Moon」ではわざと外すなど、お茶目なところを見せていたが、この音源ではそういったところはなく、淡々と、でも緊張感をもって演奏されている。3曲を除いて新アルバム(当時)の楽曲。やはり注目はそれらの曲のライヴ・ヴァージョン。どの曲も70年代から彼らのレパートリーであったように自然に、そして高いテンションで演奏されてる。もっと聴きたい。

何度か活動を再開し、現在はリチャード・ロイド(Richard Lloyd)抜きでまた活動を復活させている彼ら。前回の来日は参加できたが、残念ながら今年1月の来日公演は、仕事の都合で大阪さえ参加できなかった。どんな公演だったか知りたいのに招聘元のツイッターくらいのしょぼい情報しか無いのが悲しいが、来日5公演を無事に終えたはずだ。ライヴ活動は継続しているというのに、再結成後はオリジナル・アルバムはもちろん、ライヴ音源の発表も無い。近年のライヴもこういう形でいいからどんどん発表してくれないだろうか?

01 Intro
02 1880 or So
03 This Time
04 Venus
05 Beauty Trip
06 No Glamour for Willi
07 Call Mr.Lee
08 Prove It
09 The Rocket
10 Rhyme
11 In World
12 Marquee Moon

amazon MP3ダウンロードで購入(¥1,500)

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