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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

Alone With Chrissie Hynde (DVD) / Chrissie Hynde

2021年12月28日 | DVD

Alone With Chrissie Hynde (DVD) / Chrissie Hynde (2018)

大好きなロック婆さん(←もう姉さんとは呼べない…)クリッシー・ハインド(Chrissie Hynde)のドキュメンタリー作品。嬉しい事にボーナス映像として1981年のオリジナル・メンバーによるRockpalastのライヴが丸々収録されている(というかこれを買った理由もコレ)。メインはブラック・キーズ(Black Keys)のダン・オーバック(Dan Auerbach)がプロデュースしたプリテンダーズ(The Pretenders)のアルバム「Alone」発売前後のクリッシーへの密着。ライヴやラジオ出演時の映像を挟みながら彼女の日常を切り取って様々な発言を引き出している。相変わらず丁寧な口調とは言えないが、菜食主義だったり、ヒンズー教に傾倒していたり、絵を描いたりする彼女のもう一つの面も浮き上がらせている。恋多き彼女だけれど、今はパートナーが居ないのかな。ライヴ映像は完奏無しなのが惜しい(これもボーナスで付けてくれればいいのに)。歳をとったがやっぱり彼女の正直な生き方はカッコイイ。

ボーナス映像というか目玉はオリジナル・ラインナップでのライヴ映像。Rockpalast(※ドイツの有名なテレビ音楽番組)なので珍しくはないが、正規映像なのはやっぱり嬉しい。この後にギターのジェームス(James Honeyman-Scott)とベースのピート(Pete Farndon)が相次いでドラッグのオーヴァー・ドーズによって亡くなるので、その意味でも貴重な映像ではある。ファーストとセカンド・アルバム収録曲の、溌剌とした上り調子のライヴが楽しめる。ここでのクリッシーはもちろん若いが実は当時既に30歳。彼女のその後を見るとこのDVDの前半に出てきた本人(当時67歳)はなかなか健闘しているというか、歳不相応に若い。さすが現役ロックンローラー。声の調子が昔とあまり変わらないように聴こえるのは女性だからか、それとも彼女が特別か。

amazonにて購入(¥1,458)

  • Label ‏ : ‎ Eagle Rock
  • ASIN ‏ : ‎ B07B62QP5P
  • Disc ‏ : ‎ 1
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Amazing Grace (DVD) / Aretha Franklin

2021年05月09日 | DVD

Amazing Grace (DVD) / Aretha Franklin (2019)

 

2018年に亡くなったアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)。彼女が1972年にロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で2日間にわたってゴスペル・ライヴを行った模様は、同年にアルバム「Amazing Grace」(ジャケ写真下左)として発表され、こうした宗教的な側面のあるアルバムとしては異例の大ヒットを記録した。1999年にはリマスターされ、未発表テイクを加えて”Amazing Grace : The Complete Recordings」として再発されている(ジャケ写真下右)。

 

自分はどちらも所有しているが、キリスト教徒ではない自分でも心揺すぶられ、アレサの圧倒的な歌唱を浴びることの出来るアルバムだ(「The Complete~」の方はちょっと長すぎる気も…)。このレコーディングの映像が撮影されていたとは全然知らなかった。本当はアルバム発売の翌年に公開する予定だったらしいが、映像と音声をシンクロさせることが出来ないという技術上の問題でお蔵入りになったのだとか(お粗末にもカット始めと終わりのカチンコが無かった為だとか)。

2018年にアメリカで公開されるにあたって、その予告編をネットで初めて観た時はびっくり。会場は本当の教会なのでさほど大きくない。その映像の中に何とミック・ジャガー(Mick Jagger)の姿が。この歴史的レコーディングの現場にミックが居たとは!(本編映像を見るとチャーリー<Charlie Watts>も一緒だ)。映画公開が楽しみだったが、音楽映画は東京ならまだしも、地方では1日、長くても1週間だけの上映とかの場合も多く、観に行ける機会を作るのは難しいかなァと半分あきらめていた。こういう事情で今までいくつもの音楽映画を見逃したことか…。しばしこの映画の事を忘れていたら、ある日amazonに普通にDVDが売っていることに気付いて、もちろんポチッとした。どうして今頃なのか分からないが、日本ではようやくこの5月に上映されるようだ。

46年の時を経てあのアルバムの録音現場が映像で甦る。ジェームズ・クリーブランド牧師(James Cleveland)とサザン・カリフォルニア・コミュニティ・クワイア( The Southern California Community Choir)のコーラスを従えて教会の檀上で歌うアレサ。終止緊張気味に見えるが、これはカメラが入っていたからだろうか。アレサが声を振り絞ると、観客は(コーラス隊の面々までもが)まるで電気ショックを受けたように目を見開いたり、天を仰いだり。まるで神の啓示を受けたようだ。これを現場で聴いたらやっぱりすごい宗教的体験になるんだろうなァ。空調などは無かったのだろうし、映画用の照明で暑いのだろう、アレサは汗だくだが、それを拭う様子も見せずに熱唱を続ける。痺れる。うーん、これはやっぱり映画館の大きなスクリーンでも観てみたい。行けるかな…。

amazonにて購入(¥1,266)

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Steel Wheels Live : Atlantic City New Jersey (2CD+DVD) / The Rolling Stones

2021年05月01日 | DVD

Steel Wheels Live : Atlantic City New Jersey (2CD+DVD) / The Rolling Stones (2020)

あぁ、そういえばこれも買っていた。ストーンズ(The Rolling Stones)89年のアトランティック・シティーでのライヴCD+DVD。デラックス・ヴァージョン、LP、デジタルでも販売されている。記憶がおぼろげだけれど、当時米国のケーブル・テレビで放送されたんじゃなかったかな。それを基にした海賊盤が多数売られたタイトル。自分もTSPの「Atlantic City '89」を持っている。ゲストにガンズン・ローゼズ(Guns N' Roses)のアクセル(Axl Rose)とイジ―(Izzy Stradlin)、エリック・クラプトン(Eric Clapton)、ジョン・リー・フッカー(John Lee Hooker)という豪華スペシャル・ライヴ。ストーンズは昔からカメラが入ったり、ゲストを呼んだスペシャルなライヴでは気合の入った演奏を繰り広げるという分かり易いところがあるので(笑)、こちらのパフォーマンスも流石の出来栄え。

ガンズの2人と演った「Salt Of The Earth」はこの時がライヴ初演(「Rock And Roll Circus」除く)。ゲスト有りなので手探りな所も見えるが、なかなかの出来栄え。その後のツアーで演ったかどうか覚えがないが、もっとセット・リストに入っても良さそうな感じだ。

既に映像を蔵出しするシリーズ「From The Vault」の第4弾として翌1990年の東京ドーム公演が発売されているし(→そういえばこのシリーズ、何だか尻すぼみに…)、さんざブートレグで出回ったので新鮮味は少ないが、映像やカットはリファインされているそうで確かに綺麗。中学生の頃からストーンズの大ファンでありながら、この時期のストーンズは、音から、アレンジから、ライヴのバンド編成から、苦手だったので、当時も今もあまり気合を入れて聴くことのない空白期でもあった(初来日騒動時も蚊帳の外で、外国に居た)。

30年以上という長い年月が過ぎ去り、ようやくこの時期のストーンズも普通に観たり聴いたり出来るようになったかな。こうしてみるとミック(Mick Jagger)の溌剌さと声は変わらないが、キース(Keith Richards)がいかにも健康的で、笑顔を振りまき、はたまたちゃんと弾いていたんだなァと感慨深い。充実しまくっている様子だ。良いにせよ悪いにせよ、このツアーがその後のロック・コンサートの指標になったのは間違いない。規模はデカくなったが、全体がしっかりとオーガナイズされ、アーティストにとってはやりやすい環境が整ったはず(その代わりチケット代が高騰したけれど…)。ストーンズのこうした進取の気風や、メディアの扱い方(利用の仕方)などの先駆となった功績は計り知れない。

amazonにて購入(¥2,913)

  • Label : Eagle Rock Entertainment
  • ASIN : B08DC1ZBQ6
  • Disc : 3
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Live In Hyde Park (DVD) / The Who

2020年12月13日 | DVD

Live In Hyde Park (DVD) / The Who (2015)

ビートルズ(The Beatles)、ストーンズ(The Rolling Stones)と並び称される程の大物バンド、ザ・フー(The Who)だが、日本においては大きく後塵を拝し、80年代でもディスコグラフィーは未整備なままだった。それがどんどん充実し、特に90年代にピート(Pete Townshend)とJon Astleyが中心となってリイシュー作業が行われてからは、ボーナストラック、デラックス・エディション、ライヴ音源、映像発掘が続き、オリジナル・メンバーがピートとロジャー(Roger Daltrey)だけになった現在でも充実した状況。それどころか作品が次々と発表されたため、逆に消費者(自分)は、これ買ってなかったっけ?という状態に陥ってしまったのは贅沢な悩み。このロンドン、ハイドパークでのライヴも結成50周年として話題にはなったので、すっかり観た気になっていた。CDも発売されているが、正直聴き込むとは思えなかったのでDVD単体で購入。

ある時はモッズであることを否定し、ある時は間違いなくモッズだったと発言がブレるピートだが、映像は往時を思わせるド派手に装飾されたベスパを駆って会場に集まる老モッズ(あるいは新モッズ)の連中の姿から始まる。向かう先はハイド・パーク。広大な会場に設営されたステージはストーンズでもそうだったように樹木が絡みつくようなデザイン。大画面にはモッズのシンボルでもあったターゲットのマークが躍り、お約束の「I Can't Explain」のリフをピートが刻む。もちろん会場は大合唱。ザック・スターキー(Zak Starkey)やピノ・パラディーノ(Pino Palladino)、ピートの弟のサイモン・タウンゼント(Simon Townshend)に支えらえたバンドは安定していて、ピートが「今が最高の状態」というのが分かる気もする。酒やドラッグの影響や、機器の進歩とかもあったかもしれないが、確かに解散前の82年あたりのライヴなんかより絶対にこちらの方がいいもんなァ。ステージに据えられた大画面映像も綺麗だし、観客も温かいし、言うことなしのライヴ映像。こうした超ベテランがコロナ禍によって活動を止められてしまった現状が恨めしい。もう彼らには多くの時間は残されていないのに…。

オークションにて購入(¥725)

  • Label : Eagle Rock
  • ASIN : B015NPGC8A
  • Disc : 1
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Performing This Week...Live At Ronnie Scott's (DVD) / Jeff Beck

2020年09月29日 | DVD

Performing This Week...Live At Ronnie Scott's (DVD) / Jeff Beck (2008)

ジェフ・ベック(Jeff Beck)が2008年にRonnie Scott's Jazz Clubで演ったライヴの映像版。以前にCDは購入しているし、衛星放送を録画したものも持っているのだが、自分はこのライヴが好きなのだろう、ちゃんとした物で観てみたいと改めて購入。小さなクラブでのジェフの正確無比なギター・プレイと繊細なフィンガー・ピッキングを存分に楽しむことが出来る。ベースは当時若干22歳のタル・ウィルケンフェルド(Tal Wilkenfield)。屈託のないニコニコ笑顔で凄いプレイを披露し、それをジェフが心底愛おしく感じている表情が読み取れて、やはりCDよりも何倍も楽しめる。メンバー間のアイコンタクトで演奏が組み立てられていく様が興味深い。

録画していた映像はいつも流し見ばかりしていたので客席にロバート・プラント(Robert Plant)やジミー・ペイジ(Jimmy Page)を始めとして豪華な観客が居たなんて今まで全然気が付かなかった。他にもブライアン・メイ(Brian May)、トニー・アイオミ(Toni Iommi)、ジョン・ボン・ジョヴィ(John Bon Jovi)も居たそうだ。

自分の所有しているCDではオミットされていたゲスト・プレイヤーとの共演もこちらはしっかりと収録。ジェフに最大級の笑顔で迎えられるエリック・クラプトン(Eric Clapton)を始め、 ジョス・ストーン(Joss Stone)、イモージェン・ヒープ( Imogen Heap)の女性陣が華を添える。にしてもこの小さな会場に、ジェフ、エリック、ジミーというかつて日本で”3大ギタリスト”と呼ばれたヤードバーズ(The Yardbirds)出身のあの3人が揃っているっていうのは凄いなァ。小さい会場でのアット・ホームでありながら、ジェフのサインを見逃すまいと緊張感も感じられる演奏で、こういう作品にしては珍しく何度でも繰り返し観られる内容なので、やはりこの作品は映像版をお勧め。ジェフとしては実は初めてのライヴ映像作品だったというのは意外でちょっと驚いた。尚、現在発売されているブルーレイにはBig Town Playboysとのロカビリー演奏も追加収録されているとのこと。

CD版の記事はこちら

amazonにて購入(¥586)

  • Format : DVD-Video, Import
  • DVD : 2009/3/30
  • Label : Eagle Vision
  • ASIN : B001F9Y254
  • Disc : 1
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The Black Keys Live (DVD) / The Black Keys

2020年02月18日 | DVD

The Black Keys  Live (DVD) / The Black Keys (2005)

ザ・ブラック・キーズ(The Black Keys)の2005年3月にオーストラリア、シドニーのThe Metro Theatreで行われたライヴのDVD。彼らのライヴをフル収録した初映像作品だが今まで持っていなかった。会場は暗くてどの位のキャパなのかよく分からないが、あまり大きくはなさそう。元々服装もラフな彼らではあるが、いかにもチープだし2人とも若い。でも3枚目のアルバム「Rubber Factory」発表後で、一番勢いがあった時期だけに、演奏の迫力は充分の全17曲。

この系譜(少人数編成の白人によるへヴィー・ブルース)としては、90年代に3ピースのジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョン(The Jon Spencer Blues Explosion)が注目され、00年代には同じ2ピースバンドとしてホワイト・ストライプス(The White Stripes)の活躍があった。それらから少し遅れて登場したので、ホワイト・ストライプスのジャック・ホワイト(Jack White)は(真似したと)揶揄するような発言をしていた覚えが。個人的には中止で払い戻しになった2005年の来日公演の落胆がまだ癒やせていない…(もう来日しないのかな)。

2ピース・バンド(当時)なので、演奏もごくシンプル。ステージ・パフォーマンスもはっきり言って地味(というか演奏以外何もしない)。それでもよくこれだけ集中できるなァと感心するほど、歌にギターにと大活躍のダン・オーバック(Dan Auerbach)、決して上手いとは言い難いが、低い位置にセッティングしたスネアやタムに長身から叩きつけるパトリック・カーニー(Patrick Carney)の無骨で迫力満点のドラムと、ギミックが無い分2人からは目が離せなくなる。

amazonにて購入(¥693)

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Sound City - Real to Reel (DVD)

2020年01月25日 | DVD

Sound City - Real to Reel (DVD) (2013)

ロック界随一の”いいひと”、デイヴ・グロール(Dave Grohl )が監督をしたドキュメンタリー映画「Sound City - Real to Reel 」のDVD。2011年に閉鎖されてしまったロサンジェルスのSound Cityというレコーディング・スタジオを巡るドキュメンタリーで、閉鎖にあたってこちらにあったスタジオ・コンソールをデイヴが買い取って自身のスタジオにセッティングしたのだそうだ。というのもここにあったアナログ録音用のミキシング・コンソールは「二―ヴ・コンソール(Neve 8078)」と呼ばれ、70年代に数々の名盤が録音された伝説的な機材だそう。そのアルバムが列挙されて驚いた。キラ星のごとくロックの歴史にさん然と輝く名盤ばかり。70年代も凄いが90年代のオルタナティヴ全盛期も凄い。(順不同・もちろん抜粋)

そもそも元は倉庫だったというこのスタジオは、アーティストがこぞって指摘するほどボロボロでみすぼらしい内装。なのにこの空間とコンソールを通して録音された音は”何か”が違うのだそうだ。金も充分にある大物バンドがわざわざ設備の整った綺麗なスタジオを飛び出してこの汚いスタジオに集ったのだから”マジック”があったに違いない。特にドラムの音が素晴らしかったらしいが、どんなバンドも理想の音を目指して、ある時には廊下で録音したり、ある時には階段の踊り場にドラムをセットしたりする、なんて話を聞いたことがあるから、こちらには計算されてはいないが素晴らしい条件があったのだろう。

この映画ではただそのスタジオの歴史を振り返るだけでなく、デイヴを中心としたアーティストが「二―ヴ・コンソール」のあるデイヴのスタジオ「606」で新たにレコーディングを試みる。今ではデジタル録音で、録音後に音程を調整したり、失敗しようが下手だろうが切り張りすることも自由自在だが、アナログ録音らしい緊張感のある演奏と、参加したアーティストの拘りを垣間見ることが出来て興味深かった。インタビューを受けているアーティストを含めて自分好みのアーティストが揃っているので嬉しい。ちなみに現在スタジオは再開されたとのこと。サントラも買ってみようかな。

オークションにて購入(¥781)

Region Code : 2
Disc : 1
Label : SMJ(SME)

 

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The Complete Willie And The Poor Boys (DVD+CD) / Willie And The Poor Boys

2019年12月14日 | DVD

The Complete Willie And The Poor Boys (CD+DVD)  / Willie And The Poor Boys (2015)

ストーンズ(The Rolling Stones)のベーシスト(当時)、ビル・ワイマン(Bill Wyman)が中心となった1985年のプロジェクト、ウイリー&ザ・プアー・ボーイズ(Willie And The Poor Boys)の2CD+DVDの3枚組セット。元々難病(多発性脳脊髄硬化症)にかかったロニー・レーン(Ronnie Lane)の基金へのチャリティーとして結成された企画もの。1983年に豪華アーティストが参加して開催された「ARMS Charity Concerts」に引き続いてのアルバム製作という感じか。当時の音楽雑誌でアルバムの発売と、このダサいイラスト・ジャケットは記憶に残っているが購入しておらず、しっかりと聴いたのは初めて。古(いにしえ)のロックン・ロールとR&Bを演奏するというコンセプトは、後の彼の活動(Bill Wyman’s Rhythm Kings)の先鞭ともなっている。

1枚目のスタジオ・アルバムの基本のバンドはチャーリー・ワッツ(Charlie Watts)、アンディー・フェアウェザーロウ(Andy Fairweather-Low)、元グリース・バンド(The Grease Band)のミッキー・ジー(Micky Gee)ら。それにジミー・ペイジ(Jimmy Page)、ケニー・ジョーンズ(Kenny Jones)、ポール・ロジャース(Paul Rogers)らの豪華ゲストが参加している。扱っている曲が曲なのでベタベタな古臭い音だけかと思いきや、そこはさすがエレクトロニクスの使い手(笑)ビル・ワイマン、ちゃんと85年らしい音作りにもなっている。PVも作られていたとは全然知らなかった(当のビルがほとんど映らないが・笑)。この辺りの音楽は、同時期のハニードリッパーズ(The Honeydrippers)にも言えることだが、あまり細かいことに目くじら立てず楽しむに限るだろう。

2枚目は1994年発売のライヴ作品。一部バンド・メンバーは変わっていて、1992年スウェーデンでのライヴ音源なのだとか。最後が「The Movie」と名付けられたビデオ映像作品(メイキング映像付)。演奏場面には本人たちが出演していて、演奏場面中心だが、ちゃんと役者ありの作品となっている。こんなにしっかりとしたプロダクションの作品だとは知らなかった。知らなかったアーティストだがゲラント・ワトキンス(Geraint Watkins)のブギウギ・ピアノはなかなか迫力がある。映像の方もゲストが凄い。リンゴ・スター(Ringo Starr)にロニー・ウッド(Ron Wood、なぜかサックス吹いてる・笑)、ジョン・エントウィッスル(John Entwitsle)などなど(ちらっとクリス・ジャガーの姿も)。英国ロックを代表するこんな面子が一堂に会しているというだけでワクワクする。ハニードリッパーズも好きだったんだからこちらもちゃんと聴いておくべきだったなァ。綺麗な音のオールディーズ・カヴァーってあまりそそられなかったけれど、今なら楽しめる(ということはリズムキングスも…)。

オークションにて購入(¥817)

  • CD  (2015/8/7)
  • Disc : 3
  • Format: CD, CD+DVD, Import
  • Label : Edsel
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Bridges To Buenos Aires ( DVD+2CD) / The Rolling Stones

2019年11月17日 | DVD

 

Bridges To Buenos Aires ( DVD+2CD) / The Rolling Stones (2019)

ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の蔵出し映像+音源シリーズ。今回は1998年の「Bridges To Babylon」ツアーの南米はアルゼンチン公演。アルゼンチンでは2回ほど前座にボブ・ディラン(Bob Dylan)が出演し、この作品にもディランとの共演が1曲(曲はもちろん「Like A Rolling Stone」)収められている。次から次という感じで発売されるストーンズのアーカイヴ作品集。ここまで頻繁だと正直ありがたみは薄く、当初は寺田正典氏の長文ライナーノーツ目当てで日本盤を購入していたが、値段やパッケージの不揃いなどで、とうに日本盤で揃えるのは諦め、輸入盤を購入。上のジャケ写と違って思い切り”15歳以上”の年齢制限マークが印刷されてしまっているのは残念…。全くジャケット・アートを何だと思っているんだ(シールでいいじゃないの)。にしても80年代頃の飢餓感が嘘のような話だ。当時はオフィシャル・リリースは僅か。ネットが無いから情報も少なく、なけなしの小遣いの中から高いお金でブートVHSを購入し、赤く色飛びしたような滲んだ映像をかぶりつくようにして見ていたものだった。

それはさておき、3月に発売されたばかりのドイツ公演「Bridges To Bremen」は予想通り聴く頻度も観る頻度も少なく、ファン失格というところだが果たしてこれはどうか。アルゼンチンといえばその観衆の熱さが有名。絶対定員以上入れてるだろっていうフィールドで波打つ観衆がライヴ中延々と歌い続ける光景は他のアーティストの映像でも確認できる。現地での”追っかけ”やなんかも凄いらしい。CDではあまり歓声は大きくミックスされていないし分かり辛いが、アーティストにとったらスタジアムの眺めは壮観だろう。全体の演奏としてはなかなか。CDではBステージへ行く部分は端折られているので、いきなりBステージでの演奏が始まって面喰う。しかもミックは「When The Whip Comes Down」のところ「Respectable」を歌いだしてしまい…(確かに間違い易い・笑)。最近はメンバー(特にキース)もイントロのリフやメロディーを簡略化(省力化?)しているのでこんな間違いも起きやすい。もうこういうのが楽しみにさえなってきている(笑)。

ミックの”曲名先に言っちゃう”クセは相変わらずだし、ディランとの共演は映像なしでもあっても正直辛いが(あの歌い方と合わせるのは不可能…)、十分に楽しめた。「Brown Sugar」の最初のイントロ・リフはやっぱりこのクラシック・ライヴ・スタイル(”チャッチャ”でなく”チャラッチャ”)なのがイイね。 

amazonで購入(¥2,491)

  • CD  (2019/11/8)
  • Disc : 3
  • Format: CD, Import
  • Label : Eagle Rock Entertainment
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Legacy:ザ・エド・サリヴァン・ショー(DVD) / Various Artists

2019年10月27日 | DVD

Legacy:ザ・エド・サリヴァン・ショー(DVD)/ Various Artists (2008)

高視聴率を誇ったアメリカのテレビ番組「エド・サリヴァン・ショー」。エド・サリヴァン(Ed Sullivan)が司会で1948年~1971年まで生放送され、ジャンルを超えた芸人が登場してトークや特技を披露した。1956年ににエルヴィス・プレスリー(Elvis Presley)が登場し、その後はロック関係の出演者も多くなった。7枚組で全82曲収録。この商品は日本盤なのだが、どうも通販限定で売られたもののよう。そういうのって特に映像作品はがっかりな物も多いのだが、これは違う。ちゃんとした海外プロダクションの映像作品の日本語字幕付き。この作品は2008年発売だが、最近でもパッケージを変えて再発されているようだ。テーマ毎に7つに分かれていて音楽演奏場面のみならず、ナレーションで時代背景や、バンドの解説、インタビュー映像も見ることが出来る(音楽演奏場面だけ視聴選択出来るのも〇)。「エド・サリヴァン・ショー」の映像に関しては、近年個々のアーティストに的を絞った作品も発売されているが、それらと遜色ない綺麗な映像だ。

前述のエルヴィスをはじめ、ビートルズ(The Beatles)、ストーンズ(The Rolling Stones)、JB(James Brown)、スティーヴィー・ワンダー(Stevie Wonder)など、記述するとキリがないくらい豪華なアーティストが目白押しだけれど、クセのある大物司会者エド・サリヴァンはアーティストに大して都度色々な注文もつけていたそう。有名なところでは、例えばストーンズの「Let's Spend The Night Together(邦題:夜をぶっとばせ)」は、歌詞が「一緒に寝よう」の意味にとれるため「Let's Spend Somtime Together」に替えさせられたり(ミックは苦笑いしながらモゴモゴと歌っている)、ドアーズ(The Doors)の「Light My Fire(邦題:ハートに火をつけて)」では歌詞の「Girl, we couldn't get much higher」のGet Higherが麻薬でトリップする意味にもとれるため、「Girl, we couldn't get much better」に替えるように要請したり。でもジム・モリソンは楽屋ではハイハイと返事したのに本番ではそのまま歌ったため、エド・サリヴァンの逆鱗に触れ、以後1度も番組に呼ばれなかったそうだ(痛快)。それだけ司会者に大きな権限が与えられていたということだが、そういった当時の文化的な部分も垣間見られてとても興味深い。

全国(全米)放送で、今では信じられないほど番組の影響力も強かっただろうから、出演したアーティストも(きっと)緊張して気合入りまくりだったろう。ロック、ロックンロール、カントリー、リズム&ブルーズ、ソウル、ファンクと様々なジャンルの錚々たるメンバーの演奏を当時のファッションやドキュメンタリーと共に観ることが出来る映像。安く手に入れる事が出来て大満足。まだまだ映像の中に発見がありそう。

オークションにて購入(¥1,550)

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