産業技術総合研究所(産総研)省エネルギー研究部門 後藤 陽介 主任研究員、李 哲虎 首席研究員、村田 正行 主任研究員は、島根大学 総合理工学部 臼井 秀知 助教らと共同で、温度差と電流の向きを直交させることのできる特異な熱電材料(ゴニオ極性材料)の開発に成功した。
一次エネルギーの多くは熱として排出されており、この未利用熱(廃熱)を有効活用するため、熱を電気に変換する熱電材料の開発が世界中で進められている。
近年、高い性能を有する新材料の報告が相次いでいるが、実用化されているのは半世紀以上前に発見された、室温付近で動作するBi2Te3系材料のみ。
室温より高い温度域で動作する熱電モジュールは実用化されていないことが、廃熱を用いた発電の進展を阻んでいる。特に、従来の熱電モジュールは熱流と発電方向が同じ「縦型」構造であり、発電時に高温熱源と接触した電極界面において元素拡散などの反応が生じ劣化してしまうことから、耐久性に課題があった。
同研究グループは、キャリア密度を精密に制御したMg3Sb2とMg3Bi2の単結晶を作製し、熱流と発電方向が直交する「横型」熱電モジュール実現につながる極めて特異な性質(ゴニオ極性)を発見した。
横型熱電モジュールは、高温部に電極が不要な構成であるために熱劣化が起きにくく、従来型熱電モジュールのボトルネックである耐久性の課題を抜本的に解消できると期待される。
一次エネルギーの多くは熱として排出されており、この未利用熱(廃熱)を有効活用するため、熱を電気に変換する熱電材料の開発が世界中で進められている。
近年、高い性能を有する新材料の報告が相次いでいるが、実用化されているのは半世紀以上前に発見された、室温付近で動作するBi2Te3系材料のみ。
室温より高い温度域で動作する熱電モジュールは実用化されていないことが、廃熱を用いた発電の進展を阻んでいる。特に、従来の熱電モジュールは熱流と発電方向が同じ「縦型」構造であり、発電時に高温熱源と接触した電極界面において元素拡散などの反応が生じ劣化してしまうことから、耐久性に課題があった。
同研究グループは、キャリア密度を精密に制御したMg3Sb2とMg3Bi2の単結晶を作製し、熱流と発電方向が直交する「横型」熱電モジュール実現につながる極めて特異な性質(ゴニオ極性)を発見した。
横型熱電モジュールは、高温部に電極が不要な構成であるために熱劣化が起きにくく、従来型熱電モジュールのボトルネックである耐久性の課題を抜本的に解消できると期待される。
ゴニオ極性が発現する起源を解明するために第一原理計算を行い、電子のエネルギー状態の異方性により、結晶方位によって電荷キャリアの符号が異なることを明らかにした。
類似の特徴を有する物質が多く存在することから、今回用いた手法を適用すれば、より高性能な熱電モジュールの開発が期待できる。
同研究では、キャリア密度を精密に制御したMg3Sb2とMg3Bi2の単結晶を作製し、新しいゴニオ極性材料として熱電材料を作製することに成功しましたが、バンド異方性に注目し、類縁化合物へと材料探索を展開することで、ゴニオ極性材料を用いた高性能な横型熱電モジュール実現を目指す。<産業技術総合研究所(産総研)>
類似の特徴を有する物質が多く存在することから、今回用いた手法を適用すれば、より高性能な熱電モジュールの開発が期待できる。
同研究では、キャリア密度を精密に制御したMg3Sb2とMg3Bi2の単結晶を作製し、新しいゴニオ極性材料として熱電材料を作製することに成功しましたが、バンド異方性に注目し、類縁化合物へと材料探索を展開することで、ゴニオ極性材料を用いた高性能な横型熱電モジュール実現を目指す。<産業技術総合研究所(産総研)>