“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「学び直し高校物理」(田口善弘著/講談社)

2024-03-21 10:19:37 |    物理



<新刊情報>



書名:学び直し高校物理~挫折者のための超入門~

著者:田口善弘

発行:講談社(講談社現代新書)

 【プロローグより】「この本は、高校物理の挫折者や、履修はしなかったが、あらためて学び直したいという初学者を想定して書かれたものだ。基本コンセプトは天下りにしない、ということに尽きる。高校の物理の教科書はややもすると「世界はこうなってる」という法則や公式が「どん!」と与えられて「信じる者は救われる」とばかりに話が進んでいく。疑問を提示すると「じゃあ、実験で実際にそうなっていることを確認しなさい」といなされてしまう。しかし、実際に実験で確認できたからといって納得感があるかというとそれは別問題だろう(実際のところ、高校物理の教科書の立て付けでは実験をすることが推奨されているが、現実は教育の現場で実験が多用されることは稀である)。(中略)」【著者】田口善弘1961年、東京生まれ。中央大学理工学部教授。1995年に執筆した『砂時計の七不思議―粉粒体の動力学』 (中公新書)で第12回(1996年) 講談社科学出版賞受賞。その後、機械学習などを応用したバイオインフォマティクスの研究を行う。スタンフォード大学とエルゼビア社による「世界で最も影響力のある研究者トップ2%」に2021年度から2023年度まで3年連続で選ばれた(分野はバイオインフォマティクス)。最近はテンソル分解の研究に嵌まっており、その成果を2019年9月にシュプリンガー社から英語の専門書(単著)として出版した。最新作は『生命はデジタルでできている』『はじめての機械学習』(講談社ブルーバックス)
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●科学技術ニュース●NECとTOPPAN、5Gの共創活動の一環として共同実証を開始

2024-03-21 10:19:16 |    通信工学
 NECとTOPPAN ホールディングスは、5G/6G の社会実装を目指し、NECの持つ最先端のネットワーク・情報処理基盤技術とTOPPANグループが持つ様々なソリューションを組み合わせることを目的に共同実証を2024年4月から開始する。

 5Gで使用されるミリ波帯(28GHz 帯)は、大容量・高画質の情報を高速で伝送することができるため、それを活用した遠隔地の監視や、リアルタイムの高精細な動画配信、テレビ会議など様々なデジタルサービスへの拡大が期待されている。

 しかしミリ波帯の電波は減衰が大きく、かつ直進性が高いため、建造物や遮蔽物による電波が届かない不感地帯が発生し通信品質が低下しやすいという問題がある。

 これに対して、通信会社による5G基地局や中継局の増い設などの試験的な対策が講じられているが、コスト増加の抑制、設置場所の確保などの課題があり、問題の解決には至ってない。

 このような課題を解決するためNECは、ミリ波帯の利活用を目指した社会実装に向けて様々な企業や大学、団体との共創活動を展開してきた。

 一方、TOPPAN ホールディングスは、電子部品の製造で培ってきた電磁界シミュレーションを用いた設計技術や高精細なエッチング技術を活用し、電波を制御するメタサーフェス構造を有する、軽量かつフレキシブルなミリ波反射シートの開発に取り組んできた。

 今回、共創活動のもとで実施する共同実証は、2024年4月に開始する。

 具体的には、NEC CONNECT 5G Labにて、NECの28GHz帯ローカル5G基地局とTOPPANホールディングスが開発した意匠性のあるミリ波反射シートを用いて、5Gの室内電波不感エリアの解消を目指した実験を実施する。

 両社は2023年、意匠性のないミリ波反射シートによる電波通信品質改善に関し、既に事前検証を実施した。

 同実証では、実利用シーンに近い試験環境での通信品質改善の効果について検証する。

 NECとTOPPANホールディングスは今後、両社がそれぞれ保有するラボ、NEC CONNECT 5G Lab とTOPPAN DIGITAL SANDBOXをベースに 5G/6G のビジネス探索の観点で共創活動を強化していく。

 この活動を通じて、5G/6G 通信のユーザーの様々なニーズに応え、5G/6G、さらには「IOWN」による通信技術の社会実装を加速して新たな価値創出に向けた提案を行っていく。<TOPPAN>
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●科学技術ニュース●NEDOと産総研、ファインセラミックス内部のキラー欠陥の可視化技術を開発

2024-03-21 10:18:49 |    化学
 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と産業技術総合研究所(産総研)は、ファインセラミックスのプロセス・インフォマティクス(PI)の構築を目指して、「次世代ファインセラミックス製造プロセスの基盤構築・応用開発」に取り組んでいるが、今回、ファインセラミックス焼結体内部に存在する亀裂、気孔などのキラー欠陥を常温・大気圧下でレーザーを用いた蛍光顕微鏡により表面から深さ方向に蛍光像で観察する可視化技術を開発した。

 同技術は、アルミナや窒化ケイ素、窒化アルミニウムなどの明るい色(白、灰色系)のセラミックスに適用できることを確認した。

 セラミックス焼結体内部に存在して材料特性や品質に影響を与える10~100 µm程度のキラー欠陥を非破壊、かつ短時間で検出することが可能となる。

 キラー欠陥に起因する機械特性の劣化などの予測や、ファインセラミックス製品の品質検査、さらには特性向上に向けた製造プロセスの改良が可能になる。

 今後は、表面や内部に点在する欠陥可視化技術の高精度化に向けた開発を行う。

 さらに、さまざまな組成や特性を持つファインセラミックス材を用いてキラー欠陥の分布を統計的に解析し、破壊強度の予測技術の実証実験も進める。

 同技術により、ファインセラミックス製品の品質管理をはじめ、機械特性の予測、さらには製造プロセスの改良が可能となり、これまでに予想もできなかった革新的な材料の開発が期待できる。<産業技術総合研究所(産総研)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「統計学の極意」(デイヴィッド・シュピーゲルハルター著/草思社)

2024-03-21 10:18:18 |    数学



<新刊情報>



書名:統計学の極意

著者:デイヴィッド・シュピーゲルハルター

訳者:宮本寿代

発行:草思社

 数式は最小限、面白い実例は満載。機械学習やベイズ統計モデリング、ブートストラップ法など現代的論点を網羅。元英国統計学会会長による統計学入門書最新決定版。【著者】デイヴィッド・シュピーゲルハルター ケンブリッジ大学数理科学センターのウィントンリスク・エビデンスコミュニケーションセンター所長。2014年に医学統計学への貢献によりナイトの称号を授与。英国統計学会会長(2017-2018)を務め、2020年に英国統計局の非常勤理事に就任。邦訳されている著書に『もうダメかも:死ぬ確率の統計学』(共著、みすず書房)がある。
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